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六章 家族団欒
6話 救世主
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俺がミリーナに続いて入ると部屋には怖い顔をした男女が円卓で向かい合うように座っていた。
その中におっちゃんがいたからとりあえず挨拶をした。
「あ、アストなのか!?」
「まぁな。それにしても、大変そうだなおっちゃん」
「大変も何も、帝国の事後処理に思い悩んでおっての。帝国にいる魔物を相手取ろうにも戦力が足りんのだ」
「ふーん。じゃあレベ上げにそいつらもらっていいか?」
「「「「なっ!?」」」」
俺がそう言うとそこにいた全員が驚愕の顔をしておれの全身を舐めるように見てきた。
ある者はハッタリだとすぐに目を逸らし、またある者は俺の力に恐怖し、そしてまたある者は俺を強者だと認めたようだった。
「ちょっと待ってくれ。たしかにコイツは強いだろう。だがあの数の魔物を相手取るのは無理だと思う」
そう言ってどっかの国の王様なのかいかつい顔をしたおっさんがそう意見した。
「まぁアストなら1000万ほどの魔物などすぐに片付けてしまうしの。1つお主らに言うが。最初にここに転移されたのはここにいるアストのおかげだ」
「「「「なっ!?」」」」
おっちゃんがそう言うとまた全員が驚いたような顔をした。
「おっちゃん分かってたのか?」
「あんな大規模な転移魔法をお主以外に使える者は知らん」
「まぁ…………足らずに詠唱したから殆どの転移には失敗したが他国から来たやつや国王とミリーナだけは完全に助けたからいいだろ?」
俺はちょっとの合間にすぐに言い訳を考えた。ただ、帝国滅ぼすのについでに善者だけを転移させたとは言えないからな。
「と言うわけだ。こやつの力が分かったところで、少し頼むぞアストよ」
「分かった。…………あ、そうだ。」
俺はそう返事をして部屋を出て行くときにいい案が浮かんだからもう一度さっきの場所に戻った。
「どうかしたか?」
「まぁ少しな。ちょっとここにいる王様達に提案があるんだが……聞いてくれるか?」
俺が円卓にいる全員に聞こえる声で言うと少し話し合った後聞いてくれることになった。
「俺はこの件が終わったら、あんた達の国も見てみたいから旅をしようと思ってる。その時に少しばかり贔屓してくれると助かるんだ。一応対価は持ってきてる」
俺はそう言って勇者が持っていた武器諸々と結構レアだと思う魔物の素材を出した。この魔物の素材の大方は勇者が持っていたものだ。
「この中から好きなものを選んでくれていい。まぁどうしても贔屓したくないならこの話は無かったことにする。どうだ?」
俺が出した武器や素材を物色していた王様達がワイワイ「これはレアだ!」とか「この剣は素晴らしい」とか言って盛り上がりながら全員オッケーを出してくれた。
「じゃあこの流れで帝国の領地を王国に譲ってくれ。ついでに帝国の難民もな。そんでもって各国で同盟を結ぼうぜ。この際にほかの国とも同盟を結ぶのもいいと思うぞ。俺んとこを受けてくれるんならこれよりもっといいものを提供するのが?どうだ」
『もっといいものを提供する』に全員が思い悩んでいたのでそのいいものの一部を俺は取り出した。
「これは帝国の迷宮77層にいる魔物のアジ・ダハーカから取れた素材と魔石だ。偽物だと思うなら触ったりスキルを使ったりすればいいぞ」
俺がそう言って人数分アジ・ダハーカの皮を渡してやるとまた騒ぎ出してうまく同盟に持って行くことができた。
「俺が帰ったら同盟を結ぶための会議をもう一度始めよう。それでいいかおっちゃん」
「同盟までしおって……まぁ儂は得するばかりじゃがの。あとで何かしよう。うむ、儂は異論はない」
「「「「俺たちも(私たちも)だ(です)」」」」
そうして、帰ったら同盟を結ぶことを約束し俺はミリーナと雫達を連れて帝国があった場所に向かった。
俺が率先して帝国に向かったのはもちろんレベリングのこともあるがもう1つ理由があった。
「待ってろよ……クソ帝王」
俺は静かな憎悪を秘めて帝国に向かったのであった。
ーーーーーーーーー
作者より。
ちょっと帝王様忘れてたんでここで適当に辻褄合わせておきます!次は多分帝王が出て来るかな?
これからも頑張るので応援よろしくお願いします!
近況ボードでいろいろアンケートをとってるのでよかったらしてみてください。
その中におっちゃんがいたからとりあえず挨拶をした。
「あ、アストなのか!?」
「まぁな。それにしても、大変そうだなおっちゃん」
「大変も何も、帝国の事後処理に思い悩んでおっての。帝国にいる魔物を相手取ろうにも戦力が足りんのだ」
「ふーん。じゃあレベ上げにそいつらもらっていいか?」
「「「「なっ!?」」」」
俺がそう言うとそこにいた全員が驚愕の顔をしておれの全身を舐めるように見てきた。
ある者はハッタリだとすぐに目を逸らし、またある者は俺の力に恐怖し、そしてまたある者は俺を強者だと認めたようだった。
「ちょっと待ってくれ。たしかにコイツは強いだろう。だがあの数の魔物を相手取るのは無理だと思う」
そう言ってどっかの国の王様なのかいかつい顔をしたおっさんがそう意見した。
「まぁアストなら1000万ほどの魔物などすぐに片付けてしまうしの。1つお主らに言うが。最初にここに転移されたのはここにいるアストのおかげだ」
「「「「なっ!?」」」」
おっちゃんがそう言うとまた全員が驚いたような顔をした。
「おっちゃん分かってたのか?」
「あんな大規模な転移魔法をお主以外に使える者は知らん」
「まぁ…………足らずに詠唱したから殆どの転移には失敗したが他国から来たやつや国王とミリーナだけは完全に助けたからいいだろ?」
俺はちょっとの合間にすぐに言い訳を考えた。ただ、帝国滅ぼすのについでに善者だけを転移させたとは言えないからな。
「と言うわけだ。こやつの力が分かったところで、少し頼むぞアストよ」
「分かった。…………あ、そうだ。」
俺はそう返事をして部屋を出て行くときにいい案が浮かんだからもう一度さっきの場所に戻った。
「どうかしたか?」
「まぁ少しな。ちょっとここにいる王様達に提案があるんだが……聞いてくれるか?」
俺が円卓にいる全員に聞こえる声で言うと少し話し合った後聞いてくれることになった。
「俺はこの件が終わったら、あんた達の国も見てみたいから旅をしようと思ってる。その時に少しばかり贔屓してくれると助かるんだ。一応対価は持ってきてる」
俺はそう言って勇者が持っていた武器諸々と結構レアだと思う魔物の素材を出した。この魔物の素材の大方は勇者が持っていたものだ。
「この中から好きなものを選んでくれていい。まぁどうしても贔屓したくないならこの話は無かったことにする。どうだ?」
俺が出した武器や素材を物色していた王様達がワイワイ「これはレアだ!」とか「この剣は素晴らしい」とか言って盛り上がりながら全員オッケーを出してくれた。
「じゃあこの流れで帝国の領地を王国に譲ってくれ。ついでに帝国の難民もな。そんでもって各国で同盟を結ぼうぜ。この際にほかの国とも同盟を結ぶのもいいと思うぞ。俺んとこを受けてくれるんならこれよりもっといいものを提供するのが?どうだ」
『もっといいものを提供する』に全員が思い悩んでいたのでそのいいものの一部を俺は取り出した。
「これは帝国の迷宮77層にいる魔物のアジ・ダハーカから取れた素材と魔石だ。偽物だと思うなら触ったりスキルを使ったりすればいいぞ」
俺がそう言って人数分アジ・ダハーカの皮を渡してやるとまた騒ぎ出してうまく同盟に持って行くことができた。
「俺が帰ったら同盟を結ぶための会議をもう一度始めよう。それでいいかおっちゃん」
「同盟までしおって……まぁ儂は得するばかりじゃがの。あとで何かしよう。うむ、儂は異論はない」
「「「「俺たちも(私たちも)だ(です)」」」」
そうして、帰ったら同盟を結ぶことを約束し俺はミリーナと雫達を連れて帝国があった場所に向かった。
俺が率先して帝国に向かったのはもちろんレベリングのこともあるがもう1つ理由があった。
「待ってろよ……クソ帝王」
俺は静かな憎悪を秘めて帝国に向かったのであった。
ーーーーーーーーー
作者より。
ちょっと帝王様忘れてたんでここで適当に辻褄合わせておきます!次は多分帝王が出て来るかな?
これからも頑張るので応援よろしくお願いします!
近況ボードでいろいろアンケートをとってるのでよかったらしてみてください。
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