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五章 一時の帰還
11話 元凶
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俺はホテルを出たあと路地裏に隠れた。
「スキル判別発動・俺の妹である雫を売った張本人」
俺がそう言うとカナダに一つの反応があった。
俺はその場で姿と気配を消し浮遊で空を飛び更に加速してカナダまで来た。
「スキル判別発動・俺の妹である雫を売った張本人」
さらに俺がそう言うとドーソンクリークというところから反応があった。俺は再び空を飛びドーソンクリークまで行った。
ドーソンクリークに着きもう一度判別を使ったところ北の方に反応があったためその近くまで寄ったところ一つの小屋があった。
もう一度判別を使ったところ、この家の中から反応があるのでこの家で間違い無いのだろう。
俺は家のドアを思っ切り蹴り飛ばして中に侵入した。
「なんなんだぁこんな昼間っから?」
すると、1人の男が奥から出てきた。
「お前、名はなんだ」
「あ?人に名を尋ねる時は自分から言うのが礼儀だろ!そんな礼儀も教えてねぇとは、親の顔が見てみたいぜ」
「はっ!いいぜ教えてやるよ!俺の名は灞熾蘑 煌羈、灞熾蘑 雫の兄だ」
「灞熾蘑 煌羈?…………えっ……お前、なんでこんなとこにいんだよ」
「それは俺が聞きたいところだが……で、お前の名はなんだ?さっさと言え」
「俺の名前は…………」
「さっさと言えよ!」
俺はついイラついてしまい壁を殴ってしまった。その衝撃で壁に風穴が開いたが知ったこっちゃない。
「俺の名前は琇斗。灞熾蘑 琇斗だ。こっちだったらシュウト・ハシマで暮らしている」
「そうか……」
俺はその答えを聞いて俯いてしまった。
判別の弱点、判別は性別と大まかな場所までならどうにかなるが名前だけはどうにもならない。
さっき母さんと一緒にいた男は名前を聞いてなかったからどうか分からないがきっと翔也と愛華の本当の父親だったのだろう。
だから俺は、信じたくなかった。俺の…俺たちの親父が子供であるはずの雫を売ったことを。
「どうして……」
「ん?」
「どうして雫を売ったんだ!どうして!」
「……………………」
「なんとか言えよ!」
俺は目の前の男を殴り飛ばした。
今の俺のステータスはこの世界に合わせているため人への危害は強くも弱くもない。無機物への影響は元のステータスで影響が出るので壁のように凹んだり風穴が開いたりするのだ。
「………………」
「なんで黙るんだよ!」
俺は何も言わない男に近づき跨って胸ぐらを掴んでそいつの顔を見た。
その時俺は、俺の中の何かが切れる音が確かに聞こえた。
倒れていた男はあろうことか……反省したような顔で目に涙を浮かべているのだ。
「…………何を思ってんだよ……一体何を思ってそんな顔をして涙まで溜めてんだよこの野郎!」
俺は目の前の男の左頬を殴った。口の中を切っていたのか血が口から出ている。
「なんでそんな……後悔しているような顔をしてんだよ!」
「………………」
「なんとか言えよ!」
俺はただ殴った。知らぬ間に俺の目にも涙が溢れていた。
「なんとか……言えよ……この野郎」
「…………すまなかった」
男は顔を腫らして口から血を出して歯を何本かない状態でそう俺に謝罪した。
「何をだ……」
「……お前たちの前からいなくなったこと、お前たちのこれからを見守ってやれなかったこと、お前の妹を……俺の娘を……雫を売ってしまったことをだ」
男は涙をこらえながらそう言った。
「なんでなんだよ、どうして…俺たちの前から消えて、雫を売ったんだ」
「…………ただの言い訳にしかならない。……だが、それでもいいなら話そう。あの時の全てを」
男はそう言って途切れ途切れながらも昔のことを話してくれた。
ーーーーーーーーー
作者より。
投稿遅れてすいません!今日は岡山でやる絵師100人展に行ってました!やっぱりすごいですね。僕はカントクさんや三嶋くろねさんの絵が特に好きです!今回は持ち金が行きと帰りであんまりなくてくろねさんのファイルと図録ぐらいしか買えなかったけどとっても良かったです!おばあちゃんの家にも寄って帰ったらこんな時間になってしまいました。
誰と行ったかは聞かないでください……悲しくなりますので。来年は彼女と一緒に行きたいものですね。
長くなりましたが、これからも頑張るので応援よろしくお願いします!
「スキル判別発動・俺の妹である雫を売った張本人」
俺がそう言うとカナダに一つの反応があった。
俺はその場で姿と気配を消し浮遊で空を飛び更に加速してカナダまで来た。
「スキル判別発動・俺の妹である雫を売った張本人」
さらに俺がそう言うとドーソンクリークというところから反応があった。俺は再び空を飛びドーソンクリークまで行った。
ドーソンクリークに着きもう一度判別を使ったところ北の方に反応があったためその近くまで寄ったところ一つの小屋があった。
もう一度判別を使ったところ、この家の中から反応があるのでこの家で間違い無いのだろう。
俺は家のドアを思っ切り蹴り飛ばして中に侵入した。
「なんなんだぁこんな昼間っから?」
すると、1人の男が奥から出てきた。
「お前、名はなんだ」
「あ?人に名を尋ねる時は自分から言うのが礼儀だろ!そんな礼儀も教えてねぇとは、親の顔が見てみたいぜ」
「はっ!いいぜ教えてやるよ!俺の名は灞熾蘑 煌羈、灞熾蘑 雫の兄だ」
「灞熾蘑 煌羈?…………えっ……お前、なんでこんなとこにいんだよ」
「それは俺が聞きたいところだが……で、お前の名はなんだ?さっさと言え」
「俺の名前は…………」
「さっさと言えよ!」
俺はついイラついてしまい壁を殴ってしまった。その衝撃で壁に風穴が開いたが知ったこっちゃない。
「俺の名前は琇斗。灞熾蘑 琇斗だ。こっちだったらシュウト・ハシマで暮らしている」
「そうか……」
俺はその答えを聞いて俯いてしまった。
判別の弱点、判別は性別と大まかな場所までならどうにかなるが名前だけはどうにもならない。
さっき母さんと一緒にいた男は名前を聞いてなかったからどうか分からないがきっと翔也と愛華の本当の父親だったのだろう。
だから俺は、信じたくなかった。俺の…俺たちの親父が子供であるはずの雫を売ったことを。
「どうして……」
「ん?」
「どうして雫を売ったんだ!どうして!」
「……………………」
「なんとか言えよ!」
俺は目の前の男を殴り飛ばした。
今の俺のステータスはこの世界に合わせているため人への危害は強くも弱くもない。無機物への影響は元のステータスで影響が出るので壁のように凹んだり風穴が開いたりするのだ。
「………………」
「なんで黙るんだよ!」
俺は何も言わない男に近づき跨って胸ぐらを掴んでそいつの顔を見た。
その時俺は、俺の中の何かが切れる音が確かに聞こえた。
倒れていた男はあろうことか……反省したような顔で目に涙を浮かべているのだ。
「…………何を思ってんだよ……一体何を思ってそんな顔をして涙まで溜めてんだよこの野郎!」
俺は目の前の男の左頬を殴った。口の中を切っていたのか血が口から出ている。
「なんでそんな……後悔しているような顔をしてんだよ!」
「………………」
「なんとか言えよ!」
俺はただ殴った。知らぬ間に俺の目にも涙が溢れていた。
「なんとか……言えよ……この野郎」
「…………すまなかった」
男は顔を腫らして口から血を出して歯を何本かない状態でそう俺に謝罪した。
「何をだ……」
「……お前たちの前からいなくなったこと、お前たちのこれからを見守ってやれなかったこと、お前の妹を……俺の娘を……雫を売ってしまったことをだ」
男は涙をこらえながらそう言った。
「なんでなんだよ、どうして…俺たちの前から消えて、雫を売ったんだ」
「…………ただの言い訳にしかならない。……だが、それでもいいなら話そう。あの時の全てを」
男はそう言って途切れ途切れながらも昔のことを話してくれた。
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作者より。
投稿遅れてすいません!今日は岡山でやる絵師100人展に行ってました!やっぱりすごいですね。僕はカントクさんや三嶋くろねさんの絵が特に好きです!今回は持ち金が行きと帰りであんまりなくてくろねさんのファイルと図録ぐらいしか買えなかったけどとっても良かったです!おばあちゃんの家にも寄って帰ったらこんな時間になってしまいました。
誰と行ったかは聞かないでください……悲しくなりますので。来年は彼女と一緒に行きたいものですね。
長くなりましたが、これからも頑張るので応援よろしくお願いします!
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