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4.転入生、もふみみと友達になりました。
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--- ユウ視点から ---
まだ新しい学校に入ってきて一週間。慣れない日々だが、なんとかクラスに馴染もうと努力している。気さくに返事をしていたら、少しずつクラスの男子たちも話しかけてくれるようになった。
まだクラスの女子たちとは馴染みきれていない。そもそも僕が何を話しかけて良いのかわからなくて、迷ってしまうのがいけないのかもしれないが。
あと、学友会の働きもあるのか、貴族の友達は今のところ皆無だ。だいたい、いいように無視されている。全くこっちとしても、関わりたくないから、ありがたいだけだが。
「おはよ、ユウちゃん!」
「おはよう、フィン君。今日は魔道具のレポートの宿題があったけど、答えられた?」
「ああ、ユウちゃんが教えてくれたからな! 今度またわかんねぇとこあったら、聞いてもいいか? おまえ、教えるの上手いしさ。」
何気ない会話をぽんぽんとしていると、あまり見ない顔が教室を覗いていた。藍色の瞳で、同じ色の髪の毛は腰ほどまであるほど長い美人さん。特徴的なのは、頭に生えている猫のような耳。コスプレ……?はこの世界ではないから、地なんだと思う。
「お、隣のクラスの、バケモノ君だ。あいつ、ここ3日くらい、毎朝教室を覗いては、こっちを見ている気がするぜ。ユウちゃん、大丈夫か?」
「多分、転入生が珍しくて来ただけじゃないかな? なんでバケモノ君なの?」
「入学初日に、隣の席の子を、骨折させる大怪我をさせたって聞いたわ。学校も休みがち。顔も妙に綺麗すぎて、バケモノみたいって。」
隣の席に着いたシルヴィが解説してくれた。嬉しいことに、彼女も僕を通してクラスの男子たちとも、だいぶ話せるようになって来た。女子とはまだだが、もうクラスの除け者ではない。
「あの子、猫耳が生えてたね。」
「猫耳じゃなくて、犬耳よ。きっと周りから疎まれて、グレちゃったのかもしれないわ。」
どうして疎まれるのかわからないが、違うことがちょっとでもあると、差別したくなるのが、人間の性なのかもしれない。
「髪長くて綺麗なのに『君』なのか?」
「だって、男子だもん。」
なるほど。美人系男子か。女子にしか見えなかったけど、男子なら男子で話しやすくていいし、むしろ、僕的には男友達として、変に気遣わずに、あの犬耳をもふもふしたい~、犬と戯れたい~。
もう帰ってしまったけど、隣のクラスに放課後、遊びに行こう。3日も来てるのだから、たぶん、何か本当は話したいのかもしれない。
--- --- ---
放課後。
シルヴィは仕事のため早退し、僕はしょっちゅう図書館に通っていたが、今日は隣のクラスを覗きに来た。今朝、見ていた獣人くんは、やっぱり不良なのか、放課後となってから時間が経っているのに、部活動もせず、机で突っ伏している。近づいてみると、どうやら寝ているらしい。
そーと手を伸ばした。もちろん、犬耳にだ。青みがかった深い黒色の毛をしており、撫でるとサワサワしていて気持ちいい。
ぴくんっとして、まず尻尾が動いた。犬の獣人らしく、素直に撫でられるのが気持ちよかったのか、フサフサと尻尾を左右に動かしている。
「ん、んん。」
寝起きのようで、愛らしい声が聞こえた。顔を持ち上げると、美形な顔立ちで、今は眠そうに眼をこすっている。僕は相変わらず、耳をナデナデしていた。
「だ、だれだ……!、」
ようやく頭も覚醒したらしく、彼は焦ったようにこちらを見た。
「隣のクラスのユウだ、よろしくな。」
「え! あ! 転入生の……。」
彼は眼をぱっちりと開くと、穴が開きそうなくらいこちらを見つめた。
「名前、なに?」
「ダレン・ヘイ。ちょ、いきなり耳って。」
「ごめん。触ったらマズかったか?」
こちらを涙目になりながら、こちらをウルウルと見てくる。子犬にしか見えなくて、本当はもっと撫で回したかったが、ぐっと堪えて手を引っ込めた。
相手の嫌がることは、してはいけない。ゴールデンルールは守るのが、人として、だ。
「その、耳はさ、けっこう敏感だから。くすぐったいし、やめて。」
くすぐったいなら、どうしてそんなに惜しそうな眼で僕の引っ込めた手を見るのだろう。でも、やめてと言っているのだから、やめておこう。
「獣人なんて初めて見たよ。耳も尻尾も、綺麗だな! スベスベしてて、気持ちいい。」
思ったことをそのまま口に出したのだが、褒められ慣れていないのか、美形な顔をほんのりと火照らせた。ややコミュ障だな、こいつ。
「え、あ、ありがと。で、でも、ぼくは普通の獣人とは少し違ってて。その、狼人間なんだ。」
「狼人間って、満月の夜に狼に変身する生き物だろ? 普段から、耳とか尻尾も付いてるのか?」
ハリーポッターの、ルーピン先生を思い出しながら尋ねた。うーん、満月の時の、あの狼の姿はちょっと嫌だ。あんまりモフモフしてない。
「ぼくは隠すのが下手だから。それに、その、満月の日は本当に狼になっちゃうし、月の満ち欠けに影響される獣人は、狼人間だけなんだ。」
「なら、今日の月は……あれ、なんだっけ?」
「今日は新月だよ。」
普段から月を意識しているのか、間をおかずに答えられた。狼人間にとって、月は生活上、無視できないのだろう。
「その、だから、今日はぼくは大人しいんだけど。満月になるに連れて、性格が凶暴になるから……ごめんなさい。」
想像がつかないが、二重人格みたいに人格が変わるらしい。とても、この可愛らしいワンコくんが凶暴な狼になる姿なんで、考えられない。
「クラスの子が、バケモノ君って言ってたが、それって……。」
「入学した日が、満月の次の日だったんだ。だから、まだ凶暴で。ついカッとなっちゃって。」
おお、なかなか怖い。どうやら、本気でバケモノになってしまうらしい。でも、おそらくアランよりは強くないはずだし、僕でも対処できるレベルではあると思う。
「そっか。なら、満月に近い時は気をつける。」
「うん、そうして。」
ホッとしたように彼は安堵した笑みを浮かべた。
「ところで、なんで、僕のことを最近見てたの?」
「それは……シルヴィアさんを転入生が友達にしたからって聞いて。本当か確かめたくて。ぼくも、クラスで除け者だから、気になって。」
クラスの除け者ばかりと、僕は特に仲良くなってしまっている気がする。でも、今さらすでにあるグループの中に割り込むのは、けっこう至難の技だと思う。
「ならさ、僕と友達になろ。多少、魔法ができるから、たぶん、狼の時に暴れても、問題ないと思うし。」
パアァとダレンの顔が明るくなった。そんなに喜ばなくても。僕はモフミミが癒しなだけだから。
「うん、ありがと! 一緒に帰ってもいい?」
パタパタと尻尾を振って、仔犬のように嬉しそうにはしゃいだ。ふふふ、モフミミと友達になれるなんて最高だ。それに、なんだか久しぶりの、まともな男友達な気がする。この世界に来てから、初めてではないか?
「もちろん。僕の家はあっちだが、ダレンは?」
「ぼくもそっちだよ。」
仲良く横並びをして歩き始めた。ダレンの身長は高く、僕よりも頭が二つぶんくらい違う気がする。アランが2.5個分くらいで2mほどだから、180cmくらいだろうか。
「こうやってみると、けっこう身長が小ちゃいんだね。」
人が気にしていることを! 確かに男なのにチビって、残念だ。でもね、たぶん、まだ成長期がきてなだけだから!
「僕は伸びるんだから。君より、背が高くなるぞ!」
「ダメだよ。女の子なんだから、今くらいが可愛いよ。」
女の子じゃなーーいっ!!! 断じて、違うから。可愛いとか、褒められても嬉しくないし。野郎の褒め言葉は、アランだけでお腹いっぱい。
「でも、ちゃんと食べるんだよ。」
視線が胸に来ている気がする。男なんだから、平らに決まってるだろ? 何が悪い。期待するのが間違ってるからな。僕は、純粋に男友達がほしいんだ、彼氏なんて要らない。頼む、そんな目で見ないで。せっかく出来た、男友達よ……。
「その、僕とは男友達として接してくれないか? 女の子として、チヤホヤされない仲がほしい。」
むすっとして、思い切った提案をしてみる。ダレンは微妙そうな顔をしたが、一応頷いてくれはした。
「ユウちゃんって変わってるね。見た目と違って、口調が男の子みたいだし、サバサバしてる。」
「ちゃんは、やめろ。ユウでいい。」
うん、だって男子だから。男子してたいんだ。
「そっか。ユウ、これからもよろしく。」
ダレンは、心から幸せそうに笑ってくれた。はぁ、天使のような美しい微笑みなことで。
「ああ、よろしくな。今度、一緒にメシでも食おうぜ?」
「いいなぁ、それ。ぼく、学校入ってから、誰かと食べるの、初めてかも。うれしい。」
何気なく唇に手をやって、食べ物を思い浮かべてるのか、ダレンは蕩けた顔をした。こいつ、食べ物が大好きなんだな、まぁ犬だし。めっちゃ美人なのに、食い意地張ってるのか。
「わんこだな、マジ。『待て』できるか?」
「えー、待つよ、明日くらいにしよ。でも、ほんと嬉しいんだ!……可愛い子と一緒なら、なおさら。」
最後になにか呟いたが、ユウにはよく聞き取れなかった。
まだ新しい学校に入ってきて一週間。慣れない日々だが、なんとかクラスに馴染もうと努力している。気さくに返事をしていたら、少しずつクラスの男子たちも話しかけてくれるようになった。
まだクラスの女子たちとは馴染みきれていない。そもそも僕が何を話しかけて良いのかわからなくて、迷ってしまうのがいけないのかもしれないが。
あと、学友会の働きもあるのか、貴族の友達は今のところ皆無だ。だいたい、いいように無視されている。全くこっちとしても、関わりたくないから、ありがたいだけだが。
「おはよ、ユウちゃん!」
「おはよう、フィン君。今日は魔道具のレポートの宿題があったけど、答えられた?」
「ああ、ユウちゃんが教えてくれたからな! 今度またわかんねぇとこあったら、聞いてもいいか? おまえ、教えるの上手いしさ。」
何気ない会話をぽんぽんとしていると、あまり見ない顔が教室を覗いていた。藍色の瞳で、同じ色の髪の毛は腰ほどまであるほど長い美人さん。特徴的なのは、頭に生えている猫のような耳。コスプレ……?はこの世界ではないから、地なんだと思う。
「お、隣のクラスの、バケモノ君だ。あいつ、ここ3日くらい、毎朝教室を覗いては、こっちを見ている気がするぜ。ユウちゃん、大丈夫か?」
「多分、転入生が珍しくて来ただけじゃないかな? なんでバケモノ君なの?」
「入学初日に、隣の席の子を、骨折させる大怪我をさせたって聞いたわ。学校も休みがち。顔も妙に綺麗すぎて、バケモノみたいって。」
隣の席に着いたシルヴィが解説してくれた。嬉しいことに、彼女も僕を通してクラスの男子たちとも、だいぶ話せるようになって来た。女子とはまだだが、もうクラスの除け者ではない。
「あの子、猫耳が生えてたね。」
「猫耳じゃなくて、犬耳よ。きっと周りから疎まれて、グレちゃったのかもしれないわ。」
どうして疎まれるのかわからないが、違うことがちょっとでもあると、差別したくなるのが、人間の性なのかもしれない。
「髪長くて綺麗なのに『君』なのか?」
「だって、男子だもん。」
なるほど。美人系男子か。女子にしか見えなかったけど、男子なら男子で話しやすくていいし、むしろ、僕的には男友達として、変に気遣わずに、あの犬耳をもふもふしたい~、犬と戯れたい~。
もう帰ってしまったけど、隣のクラスに放課後、遊びに行こう。3日も来てるのだから、たぶん、何か本当は話したいのかもしれない。
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放課後。
シルヴィは仕事のため早退し、僕はしょっちゅう図書館に通っていたが、今日は隣のクラスを覗きに来た。今朝、見ていた獣人くんは、やっぱり不良なのか、放課後となってから時間が経っているのに、部活動もせず、机で突っ伏している。近づいてみると、どうやら寝ているらしい。
そーと手を伸ばした。もちろん、犬耳にだ。青みがかった深い黒色の毛をしており、撫でるとサワサワしていて気持ちいい。
ぴくんっとして、まず尻尾が動いた。犬の獣人らしく、素直に撫でられるのが気持ちよかったのか、フサフサと尻尾を左右に動かしている。
「ん、んん。」
寝起きのようで、愛らしい声が聞こえた。顔を持ち上げると、美形な顔立ちで、今は眠そうに眼をこすっている。僕は相変わらず、耳をナデナデしていた。
「だ、だれだ……!、」
ようやく頭も覚醒したらしく、彼は焦ったようにこちらを見た。
「隣のクラスのユウだ、よろしくな。」
「え! あ! 転入生の……。」
彼は眼をぱっちりと開くと、穴が開きそうなくらいこちらを見つめた。
「名前、なに?」
「ダレン・ヘイ。ちょ、いきなり耳って。」
「ごめん。触ったらマズかったか?」
こちらを涙目になりながら、こちらをウルウルと見てくる。子犬にしか見えなくて、本当はもっと撫で回したかったが、ぐっと堪えて手を引っ込めた。
相手の嫌がることは、してはいけない。ゴールデンルールは守るのが、人として、だ。
「その、耳はさ、けっこう敏感だから。くすぐったいし、やめて。」
くすぐったいなら、どうしてそんなに惜しそうな眼で僕の引っ込めた手を見るのだろう。でも、やめてと言っているのだから、やめておこう。
「獣人なんて初めて見たよ。耳も尻尾も、綺麗だな! スベスベしてて、気持ちいい。」
思ったことをそのまま口に出したのだが、褒められ慣れていないのか、美形な顔をほんのりと火照らせた。ややコミュ障だな、こいつ。
「え、あ、ありがと。で、でも、ぼくは普通の獣人とは少し違ってて。その、狼人間なんだ。」
「狼人間って、満月の夜に狼に変身する生き物だろ? 普段から、耳とか尻尾も付いてるのか?」
ハリーポッターの、ルーピン先生を思い出しながら尋ねた。うーん、満月の時の、あの狼の姿はちょっと嫌だ。あんまりモフモフしてない。
「ぼくは隠すのが下手だから。それに、その、満月の日は本当に狼になっちゃうし、月の満ち欠けに影響される獣人は、狼人間だけなんだ。」
「なら、今日の月は……あれ、なんだっけ?」
「今日は新月だよ。」
普段から月を意識しているのか、間をおかずに答えられた。狼人間にとって、月は生活上、無視できないのだろう。
「その、だから、今日はぼくは大人しいんだけど。満月になるに連れて、性格が凶暴になるから……ごめんなさい。」
想像がつかないが、二重人格みたいに人格が変わるらしい。とても、この可愛らしいワンコくんが凶暴な狼になる姿なんで、考えられない。
「クラスの子が、バケモノ君って言ってたが、それって……。」
「入学した日が、満月の次の日だったんだ。だから、まだ凶暴で。ついカッとなっちゃって。」
おお、なかなか怖い。どうやら、本気でバケモノになってしまうらしい。でも、おそらくアランよりは強くないはずだし、僕でも対処できるレベルではあると思う。
「そっか。なら、満月に近い時は気をつける。」
「うん、そうして。」
ホッとしたように彼は安堵した笑みを浮かべた。
「ところで、なんで、僕のことを最近見てたの?」
「それは……シルヴィアさんを転入生が友達にしたからって聞いて。本当か確かめたくて。ぼくも、クラスで除け者だから、気になって。」
クラスの除け者ばかりと、僕は特に仲良くなってしまっている気がする。でも、今さらすでにあるグループの中に割り込むのは、けっこう至難の技だと思う。
「ならさ、僕と友達になろ。多少、魔法ができるから、たぶん、狼の時に暴れても、問題ないと思うし。」
パアァとダレンの顔が明るくなった。そんなに喜ばなくても。僕はモフミミが癒しなだけだから。
「うん、ありがと! 一緒に帰ってもいい?」
パタパタと尻尾を振って、仔犬のように嬉しそうにはしゃいだ。ふふふ、モフミミと友達になれるなんて最高だ。それに、なんだか久しぶりの、まともな男友達な気がする。この世界に来てから、初めてではないか?
「もちろん。僕の家はあっちだが、ダレンは?」
「ぼくもそっちだよ。」
仲良く横並びをして歩き始めた。ダレンの身長は高く、僕よりも頭が二つぶんくらい違う気がする。アランが2.5個分くらいで2mほどだから、180cmくらいだろうか。
「こうやってみると、けっこう身長が小ちゃいんだね。」
人が気にしていることを! 確かに男なのにチビって、残念だ。でもね、たぶん、まだ成長期がきてなだけだから!
「僕は伸びるんだから。君より、背が高くなるぞ!」
「ダメだよ。女の子なんだから、今くらいが可愛いよ。」
女の子じゃなーーいっ!!! 断じて、違うから。可愛いとか、褒められても嬉しくないし。野郎の褒め言葉は、アランだけでお腹いっぱい。
「でも、ちゃんと食べるんだよ。」
視線が胸に来ている気がする。男なんだから、平らに決まってるだろ? 何が悪い。期待するのが間違ってるからな。僕は、純粋に男友達がほしいんだ、彼氏なんて要らない。頼む、そんな目で見ないで。せっかく出来た、男友達よ……。
「その、僕とは男友達として接してくれないか? 女の子として、チヤホヤされない仲がほしい。」
むすっとして、思い切った提案をしてみる。ダレンは微妙そうな顔をしたが、一応頷いてくれはした。
「ユウちゃんって変わってるね。見た目と違って、口調が男の子みたいだし、サバサバしてる。」
「ちゃんは、やめろ。ユウでいい。」
うん、だって男子だから。男子してたいんだ。
「そっか。ユウ、これからもよろしく。」
ダレンは、心から幸せそうに笑ってくれた。はぁ、天使のような美しい微笑みなことで。
「ああ、よろしくな。今度、一緒にメシでも食おうぜ?」
「いいなぁ、それ。ぼく、学校入ってから、誰かと食べるの、初めてかも。うれしい。」
何気なく唇に手をやって、食べ物を思い浮かべてるのか、ダレンは蕩けた顔をした。こいつ、食べ物が大好きなんだな、まぁ犬だし。めっちゃ美人なのに、食い意地張ってるのか。
「わんこだな、マジ。『待て』できるか?」
「えー、待つよ、明日くらいにしよ。でも、ほんと嬉しいんだ!……可愛い子と一緒なら、なおさら。」
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