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19.友人の正体
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「隣国の皇帝がここに来るですと?」
王に呼び出された私は飛龍に乗って王宮まで急ぎ駆けつけた。王の執務室に足を運ぶと、そこには既に王とコンサーレ宰相がおり、何やら話合っているようだった。
2人のただならぬ様子に何があったのかと聞けば、隣国ベルバッハの皇帝から皇女を探すためにしばらくこの王宮に滞在したいと連絡があったのだという。思わぬ事態にエドゥアールは目を見開いた。
「皇女探しのため、といいますが実はこちらの内情の偵察という可能性は?この国に皇女がいるかどうかなど、まだ噂の域を超えていないはずです」
あれだけ国をあげて捜索をしているというのに、未だに皇女は見つからない。皇女目撃の証言もないことから、皇女がこの国にいるというのはただの噂の可能性が高い。
エドゥアールの言葉に王が神妙な顔で手元にあった報告書を示した。
「それがな、行方不明の皇女から皇帝宛に手紙が届いたそうなんだ。『ブランセント王国に滞在している。信頼できるところに身を置いているから自分は無事だ。この国には命の恩人であり親友でもある人がいるので、戦争をしないでほしい。戦争をしたら貴方を嫌いになる』と書かれていたらしい」
「重度の妹好きのベルバッハ皇帝にはこれが大分堪えたようで、慌ててこの国との友好関係を保つと発表をしたそうですよ。皇女殿下がご存命の限り、この国は安泰であるというわけですね」
なるほど。今、この国の命運を握っているのはベルバッハ皇帝ではなく、皇女というわけか。何としても、皇女を無事に皇帝のもとへ届けなければならないな。
「皇女の滞在先に宛は?」
「それが全く情報がなくてな。国中の貴族に触れは出しているんだが未だに報告がない」
「…もしかしたら皇女は滞在先で身分を隠しているのかもしれませんね」
姿絵すら自国で出回らないというベルバッハの皇女。当然ながら、皇女の顔を見たことがある者はこの国にいない。燃えるような紅い髪、たったそれだけの情報を頼りに捜索を行うのは困難を極めた。
「せめて顔が分かれば良かったものを…」
「ベルバッハの皇帝もまさか自分の愛が、皇女捜索の行く手を阻むことになるとは思わなかったでしょうね」
「紅い髪はさほど珍しくもないからな…。声をかけても違いますと言われればそれまでだ」
三人の要人は頭を抱えた。とりあえず皇女が安全なところにいてくれることを祈るしかない。
「兎に角、皇帝が来るとなれば警備の強化をしなければなりませんね。私は騎士団長に話をつけに行ってきます」
「ああ。頼む」
「私も国境の警備に皇帝が来ることを伝えに鳥を飛ばしてきます」
「そうだな。勘違いで戦争が起こされてはたまらん。確実に伝えてくれ」
「御意」
王に頭を下げ部屋を出た私は、国境にいる兵たちに伝言を伝えるため、鳥小屋へと急ぐのだった。
※※※
「アディ!心配してたのよ。大丈夫?」
「ええ。大丈夫よ」
レオと別れ、部屋でナタリーとお茶を嗜んでいたところにアディがやって来た。最後に会ったとき、急に帰った彼女の様子が少しおかしかったので、何かあったのか心配していたのだ。私の問いかけに笑顔で答える彼女を見て、私は胸をなでおろした。
せっかくだからとアディをお茶に誘う。席についたアディがナタリーからもらったお茶を一口飲むと、静かに口を開いた。
「あのね、エリィ。…話があるの」
不意に向けられた真剣な眼差し。赤い瞳の奥で揺れる光が彼女の緊張を伝えてくる。ただならぬ彼女の様子に、私はゴクリと生唾を呑んだ。
「…私ね、エリィにずっと黙っていたことがあるの」
「え…?」
アディがずっと私に隠していたこと?…一体、なんだろうか。…もしや、ずっと彼氏はいないとか言っていたけど、実は彼氏ができていたとか?!
「まさか、彼氏ができた!?」
「…ふふ、彼氏はいないわよ。そういう話じゃないわ。もっと私の根本に関わる話」
「根本…?」
首を傾げる私に、アディはふっと憂いのある笑みを浮かべる。そして、覚悟を決めたように頷くと言葉を続けた。
「私ね、本当の名前はアデライト・ベルバッハと言うの。…行方不明のベルバッハ帝国の皇女は、この私なの」
「ええっ!?」
皇女!?アディがあの行方不明の皇女!?
まさかの告白に私の思考は止まる。どうしたらいいのか分からず、音も発せない口を何度も開け閉めした。私の後ろではガチャリと陶器がぶつかる音がする。流石のナタリーも動揺が隠せなかったらしい。私のために準備していたお茶をこぼしたようだ。
そんな私たちを他所にアディは淡々と説明を続ける。
「前に兄と喧嘩して家を出てきたってエリィに言ったでしょう?その兄がベルバッハの皇帝なの」
「じゃあ、その皇帝が探している皇女っていうのが…」
「ええ。私」
その言葉に私はガクリと項垂れた。何だろう、座って話を聞いているだけなのにどっと疲れた気がする。
「…まさか、アディが隣国の皇女だったなんて。…いや、とっても上品だし貴族教育を受けていた人なんだろうなとは思っていたのよ。きっと訳ありの貴族令嬢なのかなって。…だけど、流石に皇女様だとは思わなかったわ」
…でもなんか納得かも。平民に紛れるために質素なワンピースを身にまとっているアディ。でも、こうして席に座り、ティーカップを持つと隠しきれない気品がある。思わず見とれてしまうその綺麗な所作に、私は密かに憧れを抱いていた。一体どこで身に着けてきたんだろうと思ってはいたけど、皇女教育の賜物だったのね。…そりゃ、素晴らしいわけだ。国中の貴族令嬢の見本となるように教育されていたんだもの、私とは意識が違う。
「実は、お兄さまがこの国に戦争を仕掛けようとしていると貴方から聞いて、私、居ても立ってもいられなくなって、貴方と別れた後、急いで手紙を書いてお兄さまに送ったの。…そしたら、お兄様が私を迎えにこの国に来るって返事が返ってきて」
「ええ?!」
ベルバッハの皇帝がこの国に来る!?
「どうしよう。このままじゃこの国に迷惑がかかるわよね。流石にお兄さまもきちんと手順を踏んでからこっちに来るとは思うけど…。戦争になったら貴方のことを嫌いになりますって書いておいたし…」
おう…、流石アディ。自分の兄の扱い方をよく分かっている。…って、そうじゃないわ。早く王宮にベルバッハの皇女が居たことを伝えた方がいいわよね。
「とりあえず王宮の協力を得ましょう。貴方のお兄様には王宮に滞在してもらった方がいいわ。貴方がベルバッハの皇女であると伝えて、王宮で兄弟が再会する場を作ってもらいましょう。その方が色んな意味で安全だわ」
「そうよね。私もそれが一番だと思うわ。…正直、お兄様にはあまり動き回って欲しくないもの。行くところでトラブルになりそうだわ…」
アディのお兄さん、結構破天荒だものね。幼少期の話を聞きながら、アディは苦労してるなぁって思ったわ。皇帝としての能力は高いんだけど、シスコン拗らせてとある方面でちょっと箍が外れているのよね…。
「…でも、私が皇女だって信じてもらえるかしら?正直、皇女だって言えるもの何も持っていないのよ。全部、向こうに置いてきたから」
「大丈夫よ。アディの美しさと気品は3年前から変わっていないわ。ドレスを着れば誰も疑わないと思う。それに皇帝のシスコン度合いを知っていて、自分が皇女ですなんて嘘をつく人なんていないわよ。そんなのバレたらそっこう首を切られるじゃない」
「確かにそうね。お兄様ならやりかねないわ…」
神妙な顔でそう呟くアディ。私は一旦自分の心を落ち着けようとナタリーが注いでくれたお茶に口をつけた。
…とりあえず、アディには私が持っているドレスの中で一番上等なものを貸そう。着替えてもらう間に私はお父様に手紙を書いて鳥を飛ばそう。
「アディ。私は急ぎお父様に連絡を取るわ。直ぐに王宮へ移動することになると思うから、私が貸すドレスに着替えておいて」
「分かったわ。…ありがとう、エリィ。ずっと黙っててごめんなさい」
「謝る必要はないわ。大分驚いたけど、事情が事情だし言い出せないもの仕方がないと思う。それに私たちはイケオジを愛する絆で結ばれた同志。困ったときに助け合うのは当然だわ」
「ふふふ。そうね、同志だものね。…エリィみたいな人が友人で本当に良かったと思うわ」
微笑みながらそう言うアディに、私は少し照れくさく思いつつも微笑み返した。
「ナタリー。アディの着付けを手伝ってあげて」
「かしこまりました。アディ様、どうぞこちらへ」
「ええ」
ナタリーと共に部屋を出ていくアディを見送った私は、急ぎ引き出しから便箋を取りだし、お父様に手紙を書き始めるのだった。
王に呼び出された私は飛龍に乗って王宮まで急ぎ駆けつけた。王の執務室に足を運ぶと、そこには既に王とコンサーレ宰相がおり、何やら話合っているようだった。
2人のただならぬ様子に何があったのかと聞けば、隣国ベルバッハの皇帝から皇女を探すためにしばらくこの王宮に滞在したいと連絡があったのだという。思わぬ事態にエドゥアールは目を見開いた。
「皇女探しのため、といいますが実はこちらの内情の偵察という可能性は?この国に皇女がいるかどうかなど、まだ噂の域を超えていないはずです」
あれだけ国をあげて捜索をしているというのに、未だに皇女は見つからない。皇女目撃の証言もないことから、皇女がこの国にいるというのはただの噂の可能性が高い。
エドゥアールの言葉に王が神妙な顔で手元にあった報告書を示した。
「それがな、行方不明の皇女から皇帝宛に手紙が届いたそうなんだ。『ブランセント王国に滞在している。信頼できるところに身を置いているから自分は無事だ。この国には命の恩人であり親友でもある人がいるので、戦争をしないでほしい。戦争をしたら貴方を嫌いになる』と書かれていたらしい」
「重度の妹好きのベルバッハ皇帝にはこれが大分堪えたようで、慌ててこの国との友好関係を保つと発表をしたそうですよ。皇女殿下がご存命の限り、この国は安泰であるというわけですね」
なるほど。今、この国の命運を握っているのはベルバッハ皇帝ではなく、皇女というわけか。何としても、皇女を無事に皇帝のもとへ届けなければならないな。
「皇女の滞在先に宛は?」
「それが全く情報がなくてな。国中の貴族に触れは出しているんだが未だに報告がない」
「…もしかしたら皇女は滞在先で身分を隠しているのかもしれませんね」
姿絵すら自国で出回らないというベルバッハの皇女。当然ながら、皇女の顔を見たことがある者はこの国にいない。燃えるような紅い髪、たったそれだけの情報を頼りに捜索を行うのは困難を極めた。
「せめて顔が分かれば良かったものを…」
「ベルバッハの皇帝もまさか自分の愛が、皇女捜索の行く手を阻むことになるとは思わなかったでしょうね」
「紅い髪はさほど珍しくもないからな…。声をかけても違いますと言われればそれまでだ」
三人の要人は頭を抱えた。とりあえず皇女が安全なところにいてくれることを祈るしかない。
「兎に角、皇帝が来るとなれば警備の強化をしなければなりませんね。私は騎士団長に話をつけに行ってきます」
「ああ。頼む」
「私も国境の警備に皇帝が来ることを伝えに鳥を飛ばしてきます」
「そうだな。勘違いで戦争が起こされてはたまらん。確実に伝えてくれ」
「御意」
王に頭を下げ部屋を出た私は、国境にいる兵たちに伝言を伝えるため、鳥小屋へと急ぐのだった。
※※※
「アディ!心配してたのよ。大丈夫?」
「ええ。大丈夫よ」
レオと別れ、部屋でナタリーとお茶を嗜んでいたところにアディがやって来た。最後に会ったとき、急に帰った彼女の様子が少しおかしかったので、何かあったのか心配していたのだ。私の問いかけに笑顔で答える彼女を見て、私は胸をなでおろした。
せっかくだからとアディをお茶に誘う。席についたアディがナタリーからもらったお茶を一口飲むと、静かに口を開いた。
「あのね、エリィ。…話があるの」
不意に向けられた真剣な眼差し。赤い瞳の奥で揺れる光が彼女の緊張を伝えてくる。ただならぬ彼女の様子に、私はゴクリと生唾を呑んだ。
「…私ね、エリィにずっと黙っていたことがあるの」
「え…?」
アディがずっと私に隠していたこと?…一体、なんだろうか。…もしや、ずっと彼氏はいないとか言っていたけど、実は彼氏ができていたとか?!
「まさか、彼氏ができた!?」
「…ふふ、彼氏はいないわよ。そういう話じゃないわ。もっと私の根本に関わる話」
「根本…?」
首を傾げる私に、アディはふっと憂いのある笑みを浮かべる。そして、覚悟を決めたように頷くと言葉を続けた。
「私ね、本当の名前はアデライト・ベルバッハと言うの。…行方不明のベルバッハ帝国の皇女は、この私なの」
「ええっ!?」
皇女!?アディがあの行方不明の皇女!?
まさかの告白に私の思考は止まる。どうしたらいいのか分からず、音も発せない口を何度も開け閉めした。私の後ろではガチャリと陶器がぶつかる音がする。流石のナタリーも動揺が隠せなかったらしい。私のために準備していたお茶をこぼしたようだ。
そんな私たちを他所にアディは淡々と説明を続ける。
「前に兄と喧嘩して家を出てきたってエリィに言ったでしょう?その兄がベルバッハの皇帝なの」
「じゃあ、その皇帝が探している皇女っていうのが…」
「ええ。私」
その言葉に私はガクリと項垂れた。何だろう、座って話を聞いているだけなのにどっと疲れた気がする。
「…まさか、アディが隣国の皇女だったなんて。…いや、とっても上品だし貴族教育を受けていた人なんだろうなとは思っていたのよ。きっと訳ありの貴族令嬢なのかなって。…だけど、流石に皇女様だとは思わなかったわ」
…でもなんか納得かも。平民に紛れるために質素なワンピースを身にまとっているアディ。でも、こうして席に座り、ティーカップを持つと隠しきれない気品がある。思わず見とれてしまうその綺麗な所作に、私は密かに憧れを抱いていた。一体どこで身に着けてきたんだろうと思ってはいたけど、皇女教育の賜物だったのね。…そりゃ、素晴らしいわけだ。国中の貴族令嬢の見本となるように教育されていたんだもの、私とは意識が違う。
「実は、お兄さまがこの国に戦争を仕掛けようとしていると貴方から聞いて、私、居ても立ってもいられなくなって、貴方と別れた後、急いで手紙を書いてお兄さまに送ったの。…そしたら、お兄様が私を迎えにこの国に来るって返事が返ってきて」
「ええ?!」
ベルバッハの皇帝がこの国に来る!?
「どうしよう。このままじゃこの国に迷惑がかかるわよね。流石にお兄さまもきちんと手順を踏んでからこっちに来るとは思うけど…。戦争になったら貴方のことを嫌いになりますって書いておいたし…」
おう…、流石アディ。自分の兄の扱い方をよく分かっている。…って、そうじゃないわ。早く王宮にベルバッハの皇女が居たことを伝えた方がいいわよね。
「とりあえず王宮の協力を得ましょう。貴方のお兄様には王宮に滞在してもらった方がいいわ。貴方がベルバッハの皇女であると伝えて、王宮で兄弟が再会する場を作ってもらいましょう。その方が色んな意味で安全だわ」
「そうよね。私もそれが一番だと思うわ。…正直、お兄様にはあまり動き回って欲しくないもの。行くところでトラブルになりそうだわ…」
アディのお兄さん、結構破天荒だものね。幼少期の話を聞きながら、アディは苦労してるなぁって思ったわ。皇帝としての能力は高いんだけど、シスコン拗らせてとある方面でちょっと箍が外れているのよね…。
「…でも、私が皇女だって信じてもらえるかしら?正直、皇女だって言えるもの何も持っていないのよ。全部、向こうに置いてきたから」
「大丈夫よ。アディの美しさと気品は3年前から変わっていないわ。ドレスを着れば誰も疑わないと思う。それに皇帝のシスコン度合いを知っていて、自分が皇女ですなんて嘘をつく人なんていないわよ。そんなのバレたらそっこう首を切られるじゃない」
「確かにそうね。お兄様ならやりかねないわ…」
神妙な顔でそう呟くアディ。私は一旦自分の心を落ち着けようとナタリーが注いでくれたお茶に口をつけた。
…とりあえず、アディには私が持っているドレスの中で一番上等なものを貸そう。着替えてもらう間に私はお父様に手紙を書いて鳥を飛ばそう。
「アディ。私は急ぎお父様に連絡を取るわ。直ぐに王宮へ移動することになると思うから、私が貸すドレスに着替えておいて」
「分かったわ。…ありがとう、エリィ。ずっと黙っててごめんなさい」
「謝る必要はないわ。大分驚いたけど、事情が事情だし言い出せないもの仕方がないと思う。それに私たちはイケオジを愛する絆で結ばれた同志。困ったときに助け合うのは当然だわ」
「ふふふ。そうね、同志だものね。…エリィみたいな人が友人で本当に良かったと思うわ」
微笑みながらそう言うアディに、私は少し照れくさく思いつつも微笑み返した。
「ナタリー。アディの着付けを手伝ってあげて」
「かしこまりました。アディ様、どうぞこちらへ」
「ええ」
ナタリーと共に部屋を出ていくアディを見送った私は、急ぎ引き出しから便箋を取りだし、お父様に手紙を書き始めるのだった。
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