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いたって平凡な一日
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「キーン、コーン、カーン、コーン……」
そうこうしているうちに、二コマ目が始まってしまった。
「寮監こないと良いけどな」
隣の席の石井が面白くなさそうにキャスター付きの回転椅子に右膝を抱え込むように立てて、左足で床を蹴り、回転椅子を小刻みに揺らしながらルービックキューブをカチャカチャやっている。
石井一成は同じ二年生で、ルームメイトの一人だ。
俺とは違い、特進クラスに通っていて頭が良い。部活には入ってないから俺たちのフロアで一番帰りが早く、一コマ目の自習にも出ていたんだろう。
「あー、暇だ」
「おい、喋らず真面目にやれよ」
文庫本を小脇に抱えた川田寮監が自習監督の席に座る。
「川田寮監ならまだマシか」
石井は立て膝を直すも、ルービックキューブは音を立てないように回し続けながら呟く。
俺も鞄から、毎日書いている部活のノートを取り出すが、すぐには書かない。
なんとなくボーッとしていると、前の方に座っている一年生の二人がケータイで通信ゲームを始めるのが見えた。
そういえば、過去にポータブルゲームで一人が見つかったことにより、通信プレイしていた全員が一斉検挙される、という事件があったなぁ。
ゲームをしていた奴らが、ゲームキャラの名前を本名で登録していたことが見つかった理由だった。
これは最初に見つかった奴以外、完全にもらい事故であり、この日は自習室の持ち物検査まで行われた。
ちなみに、一度見つかったゲーム機類は二度と戻ってこないとか、退寮するまで戻ってこないとか、いろんな噂があるが、この件で没収されたゲームは未だに却ってきてないらしい……。
それはともかく、とりあえず部活ノートを書く。
横目で隣の席の石井を見ると、懸賞つきのクロスワードパズルを解いているのが見えた。
夢中になって三万円当たるページを解いている。
「え、なに? 解きたい?」
俺の視線に気づくと小声で聞いてくる。
「いや、いらね」
断ると、またパズルのページに顔を戻す。なんという暇人だろう。
あ、洗濯終わったかも。
「寮監、洗濯物干してきます」
俺がそう言うと、川田寮監が読んでいる本から顔を上げて頷く。
それを了承と受け取り、自習室を出て洗濯場へと向かう。
「おお、終わってる」
ちょっと早いかなぁ、と思っていたけど洗濯は終わっていた。
手早く洗濯物をかごに移すと、部活のユニホームや、制服なんかを干していく。
乾燥機もあるにはあるが、一回百円だから節約して、緊急時にしか使わないようにしている。
洗濯物を干し終わると部屋にかごを置きに行き、また自習室に戻る。
十分くらい静かに過ごしていると、寮監が立ち上がる気配が。
寮生の間に緊張が走る。巡回だろうか、と思ったが、俺たちの方にくることなく自習室を出て行った。
ケータイの時計を見ると、もう二コマ目も終わる時間。
寮監は休憩時間には事務室に戻る。
「ふーっ、二コマ目も終わりだ」
石井が出来上がったルービックキューブを放り投げながら笑った。
そうこうしているうちに、二コマ目が始まってしまった。
「寮監こないと良いけどな」
隣の席の石井が面白くなさそうにキャスター付きの回転椅子に右膝を抱え込むように立てて、左足で床を蹴り、回転椅子を小刻みに揺らしながらルービックキューブをカチャカチャやっている。
石井一成は同じ二年生で、ルームメイトの一人だ。
俺とは違い、特進クラスに通っていて頭が良い。部活には入ってないから俺たちのフロアで一番帰りが早く、一コマ目の自習にも出ていたんだろう。
「あー、暇だ」
「おい、喋らず真面目にやれよ」
文庫本を小脇に抱えた川田寮監が自習監督の席に座る。
「川田寮監ならまだマシか」
石井は立て膝を直すも、ルービックキューブは音を立てないように回し続けながら呟く。
俺も鞄から、毎日書いている部活のノートを取り出すが、すぐには書かない。
なんとなくボーッとしていると、前の方に座っている一年生の二人がケータイで通信ゲームを始めるのが見えた。
そういえば、過去にポータブルゲームで一人が見つかったことにより、通信プレイしていた全員が一斉検挙される、という事件があったなぁ。
ゲームをしていた奴らが、ゲームキャラの名前を本名で登録していたことが見つかった理由だった。
これは最初に見つかった奴以外、完全にもらい事故であり、この日は自習室の持ち物検査まで行われた。
ちなみに、一度見つかったゲーム機類は二度と戻ってこないとか、退寮するまで戻ってこないとか、いろんな噂があるが、この件で没収されたゲームは未だに却ってきてないらしい……。
それはともかく、とりあえず部活ノートを書く。
横目で隣の席の石井を見ると、懸賞つきのクロスワードパズルを解いているのが見えた。
夢中になって三万円当たるページを解いている。
「え、なに? 解きたい?」
俺の視線に気づくと小声で聞いてくる。
「いや、いらね」
断ると、またパズルのページに顔を戻す。なんという暇人だろう。
あ、洗濯終わったかも。
「寮監、洗濯物干してきます」
俺がそう言うと、川田寮監が読んでいる本から顔を上げて頷く。
それを了承と受け取り、自習室を出て洗濯場へと向かう。
「おお、終わってる」
ちょっと早いかなぁ、と思っていたけど洗濯は終わっていた。
手早く洗濯物をかごに移すと、部活のユニホームや、制服なんかを干していく。
乾燥機もあるにはあるが、一回百円だから節約して、緊急時にしか使わないようにしている。
洗濯物を干し終わると部屋にかごを置きに行き、また自習室に戻る。
十分くらい静かに過ごしていると、寮監が立ち上がる気配が。
寮生の間に緊張が走る。巡回だろうか、と思ったが、俺たちの方にくることなく自習室を出て行った。
ケータイの時計を見ると、もう二コマ目も終わる時間。
寮監は休憩時間には事務室に戻る。
「ふーっ、二コマ目も終わりだ」
石井が出来上がったルービックキューブを放り投げながら笑った。
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