地獄門前のお宿で女将修行はじめます

吉沢 月見

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 文子さんのときは嫌だって強く自分で思った。創ちゃんには思ってないよ。もう伝えられないのだろうけど。
 夢の中で、子どもの私と創ちゃんは川の傍らで遊んでいた。すると姉が来て、
「ここはだめよ。三途の川なんだから」
 と怖い顔で言う。
 姉のヒステリックな顔なんて珍しくて、美人が怒ると鬼みたいになるんだなと幼心に思った。

「目が覚めたか?」
 一心さんの部屋で気が付いた。
「一心さん? ここは、芯しん亭か。よかった」
「心角が連れ帰ってくれた」
「またやってしまいました」
 大好きな創ちゃんまで消してしまった。
「うちの警護が甘かったようで、すまない」
「いえ、私が油断しました」
「向かいの泊り客が忠告に来てくれた」
 たぶんタクシーの運転手さんだろう。
「すいません」
 くらくらする。お酒じゃないのかな。やけに喉が渇く。
「眠るか?」
「食べます。こってりしたものが食べたい」
 こういうときは体だけでも元気にしないと。
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