76 / 99
美しい花束
75
しおりを挟む
清しん亭の女将からもらう宝石が集まりつつあって、それに困っていたら、時計屋の石上さんがカットしてあるものなら時計にはめ込んでくれるという。格安で。
デザインはお任せした。
できあがったものはお店に置くことにした。高そうって思うのに、盗まれない。大きいからだろうか。かけ時計だから、まさか本物の宝石がついていると思わない? 私は好きだがルチツクォーツはさほど高価ではないからだろうか。アメジストにタンザナイト。煌びやかで高貴なイメージ。魔女っぽいと凌平くんは笑った。
当たり前だけれど、男の人がお客さんだとこちらも怖いので、防犯ブザーを幾つか見えないところに隠した。
人間界で営業するなら女性専用にすると思う。こっちに来た人はもう死に人だし、男性客はフットかハンドマッサージのみにした。死んでまで私のような女に手を出す人はいないが、死んだらもうどうでもいいって思う人がいなくもない。小窓をそれとなく開けておくようにして、それでも時間が長いと心角さんや蕪木さんがパトロールに来てくれたりした。
一人で生きている人もいるけれど、私は人に助けてもらってばかりだ。私に恐ろしい力があるとわかったら、あっちの世界では離れる人もいるのだろう。
大事な人ができる前にこの力をコントロールできるようにならねば。そのために一心さんを利用する。私は力を蓄えているところだ。
知らないうちに人を傷つけて、それでも地獄に落ちてしまう人もいるのだろう。
力がコントロールできるようになったら向こうに戻るのだろうか。
デザインはお任せした。
できあがったものはお店に置くことにした。高そうって思うのに、盗まれない。大きいからだろうか。かけ時計だから、まさか本物の宝石がついていると思わない? 私は好きだがルチツクォーツはさほど高価ではないからだろうか。アメジストにタンザナイト。煌びやかで高貴なイメージ。魔女っぽいと凌平くんは笑った。
当たり前だけれど、男の人がお客さんだとこちらも怖いので、防犯ブザーを幾つか見えないところに隠した。
人間界で営業するなら女性専用にすると思う。こっちに来た人はもう死に人だし、男性客はフットかハンドマッサージのみにした。死んでまで私のような女に手を出す人はいないが、死んだらもうどうでもいいって思う人がいなくもない。小窓をそれとなく開けておくようにして、それでも時間が長いと心角さんや蕪木さんがパトロールに来てくれたりした。
一人で生きている人もいるけれど、私は人に助けてもらってばかりだ。私に恐ろしい力があるとわかったら、あっちの世界では離れる人もいるのだろう。
大事な人ができる前にこの力をコントロールできるようにならねば。そのために一心さんを利用する。私は力を蓄えているところだ。
知らないうちに人を傷つけて、それでも地獄に落ちてしまう人もいるのだろう。
力がコントロールできるようになったら向こうに戻るのだろうか。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
久遠の呪祓師―― 怪異探偵犬神零の大正帝都アヤカシ奇譚
山岸マロニィ
キャラ文芸
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
第伍話 連載中
【持病悪化のため休載】
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
モダンガールを目指して上京した椎葉桜子が勤めだした仕事先は、奇妙な探偵社。
浮世離れした美貌の探偵・犬神零と、式神を使う生意気な居候・ハルアキと共に、不可解な事件の解決に奔走する。
◤ 大正 × 妖 × ミステリー ◢
大正ロマン溢れる帝都・東京の裏通りを舞台に、冒険活劇が幕を開ける!
【シリーズ詳細】
第壱話――扉(書籍・レンタルに収録)
第弐話――鴉揚羽(書籍・レンタルに収録)
第参話――九十九ノ段(完結・公開中)
第肆話――壺(完結・公開中)
第伍話――箪笥(連載準備中)
番外編・百合御殿ノ三姉妹(完結・別ページにて公開中)
※各話とも、単独でお楽しみ頂ける内容となっております。
【第4回 キャラ文芸大賞】
旧タイトル『犬神心霊探偵社 第壱話【扉】』が、奨励賞に選ばれました。
【備考(第壱話――扉)】
初稿 2010年 ブログ及びHPにて別名義で掲載
改稿① 2015年 小説家になろうにて別名義で掲載
改稿② 2020年 ノベルデイズ、ノベルアップ+にて掲載
※以上、現在は公開しておりません。
改稿③ 2021年 第4回 キャラ文芸大賞 奨励賞に選出
改稿④ 2021年
改稿⑤ 2022年 書籍化
完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています
オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。
◇◇◇◇◇◇◇
「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。
14回恋愛大賞奨励賞受賞しました!
これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。
ありがとうございました!
ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。
この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)
追放された偽物聖女は、辺境の村でひっそり暮らしている
黎
キャラ文芸
辺境の村で人々のために薬を作って暮らすリサは“聖女”と呼ばれている。その噂を聞きつけた騎士団の数人が現れ、あらゆる疾病を治療する万能の力を持つ聖女を連れて行くべく強引な手段に出ようとする中、騎士団長が割って入る──どうせ聖女のようだと称えられているに過ぎないと。ぶっきらぼうながらも親切な騎士団長に惹かれていくリサは、しかし実は数年前に“偽物聖女”と帝都を追われたクラリッサであった。
バツ印令嬢の癒し婚
澤谷弥(さわたに わたる)
キャラ文芸
鬼と対抗する霊力を持つ術師華族。
彼らは、その力を用いてこの国を鬼の手から守っている。
春那公爵家の娘、乃彩は高校3年であるにもかかわらず、離婚歴がすでに3回もあった。
また、彼女の力は『家族』にしか使えない。
そのため学校でも能なし令嬢と呼ばれ、肩身の狭い思いをしていた。
それに引き換え年子の妹、莉乃は将来を有望視される術師の卵。
乃彩と莉乃。姉妹なのに術師としての能力差は歴然としていた。
ある日、乃彩は学校の帰り道にとてつもなく強い呪いを受けている男性と出会う。
彼は冬賀公爵家当主の遼真。このまま放っておけば、この男は一か月以内に死ぬ。
それに気づいた乃彩は「わたしと結婚してください」と遼真に迫っていた。
鬼から強い呪いをかけられ命を奪われつつある遼真(24歳)&『家族』にしか能力を使えない能なし令嬢と呼ばれる乃彩(高3、18歳)
この結婚は遼真を助けるため、いや術師華族を守るための結婚だったはずなのに――
「一生、側にいろ。俺にはお前が必要だ」離婚前提の結婚から始まる現代風和風ファンタジー
お兄ちゃんの前世は猫である。その秘密を知っている私は……
ma-no
キャラ文芸
お兄ちゃんの前世が猫のせいで、私の生まれた家はハチャメチャ。鳴くわ走り回るわ引っ掻くわ……
このままでは立派な人間になれないと妹の私が奮闘するんだけど、私は私で前世の知識があるから問題を起こしてしまうんだよね~。
この物語は、私が体験した日々を綴る物語だ。
☆アルファポリス、小説家になろう、カクヨムで連載中です。
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
1日おきに1話更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる