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美しい花束

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 そんな考えもまた日々の業務に忙殺される。

 人間の世界で大事故があるとこっちは激務となる。それなのに閻魔様が来て、
「そなたの残り香が気に入った」
 と帰ってくれない。
「閻魔様がお仕事してくれませんと、どこもかしこも死人で溢れかえってしまいます」
 従者が半泣きで訴える。
「うちも忙しいので帰ってください」
 私は言った。
「手伝おう」
「困ります」
 と心角さんが制止する。
「ではまたデートをしよう」
 一心さんがいたら頷かずにすんだのだろうか。こういうときに限っていないのだ。仕事もあるのだろう。月の関係で体を休ませなければならないのかもしれない。
「はいはい、わかりました。あとで考えます」
 適当に答えたら、
「いいの?」
 と澪さんに問いただされる。そうだ、ここでは一心さんの婚約者ということになっているのだ。
「閻魔様って10人くらい妻がいるらしいわよ」
 と麻美さん。それで幾つも家を所有しているのだろうか。
「断らなかったら邪魔されるだけだもの」

「瑠莉さん、マッサージのお客様がまいりました」
 珠絵ちゃんから声がかかる。
「はーい」

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