包んで、重ねて ～歳の差夫婦の極甘新婚生活～

１０５

「ふう」
　と化粧を落とすと、途端によのぎさんはあどけない顔になる。

　さっきまでよのぎさんが使っていた湯船に浸かる。よのぎさん成分が肌に染み込むわけではない。よのぎさんに近い年齢だったらこんな気持ちにはならないのだろうか。

「七さん、お疲れ？　こんなところまできてなんですが、今日、排卵日っぽい」
　いつもの足上げストレッチをしながらよのぎさんが報告する。
「あ、はーい」
　そんな理由で抱いていいのかな。

　こんなにきれいな子を手なづけて、僕ってこんなに悪い奴だったっけ？　と思ったりする。イケオジでもないのに。

「よのぎさんはバスローブすら似合うね」
　紐を解く。
「不思議。自分で脱ぐときはなんとも思わないのにあなたに脱がされるときはドキドキする」
「慣れない？」
「慣れるの？」
「女の人のことはわからないけど」
「七さんは？　私に慣れた？」
　慣れてない。その長い手足の対処に困る。

「よのぎさん、もうちょっとお尻こっち」
　よのぎさんのほうが背が高いから膝に乗せると逆に包まれてるみたいだ。
　耳や肩にまでキスをしてくれる。そのよのぎさんをうつ伏せにする。
「やだ、こんなの」
「うちと違ってシーツが汚れてもいいだろう？」
　小さなお尻を揉み放題。

「七さんに抱き締めてほしい」
　足を抱えて、覆いかぶさる。
「重くない？」
「平気」
　不思議だ。どこに体重がかかっているのだろう。よのぎさんを潰さないように動く。

「不思議ね。裸のほうがあったかい」
　よのぎさんが目をつむる。こてんと寝てしまう妻に布団をかけて明日の講義の資料に目を通す。服を作ること、服飾を仕事にすること、会社経営について。なんとも大雑把。