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1話

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「ちょ、ちょっと待って、エリオット……!」
「だめ、待たない」

 屋敷の居間でソファの上に押し倒されながら、ローズマリーは必死に相手を押しのけようとしていた。
 目の前にいるのは、柔らかそうな金色の髪に、宝石のように青い目をした美しい青年。エリオットという名の彼はローズマリーの上に圧しかかり、両手両足を使って獲物を逃がすまいと絡め取っている。

「あの、少し冷静に……ヒャッ」

 それでもなんとか相手と対話を試みようと再び口を開いたローズマリーの首元に、エリオットが唇で触れる。柔らかく、温かく、少し湿った感触に思わず妙な声が零れてしまった。

「冷静に? なれるわけないだろう。君が、僕以外の男と結婚しようとしていたっていうのに、どうやって冷静になれって言うんだい?」

 そう。
 ローズマリーは今日、とある男性と夫婦になるはずだった。
 純白のドレスを身に着け、人々から祝福の言葉を受け、神の下で永遠の愛を誓うはずだった。

 それなのに司祭が教典の朗読を終え、形式通りに「ではこの結婚に異議のある者は――」と唱えた瞬間、「異議あり」の声が上がったことによって、結婚式はぶち壊しになってしまったのである。
 もちろん、異議を唱えたのは言うまでもなく、今絶賛ローズマリーに襲い掛かっているエリオットだ。
 
「どうして、わたしの結婚を邪魔するのよ……!」
「どうしてって、だって君は僕と結婚の約束を交わしたじゃないか」
「そんな覚えないわよ! だから放して――」
「駄目だよ」

 エリオットの声が一気に低くなり、その眼差しに暗い色が宿る。まるで暗い湖の底を覗き込んだ時のような、ぞっとするほど底知れぬ色をしていた。
 彼は凍り付いたローズマリーの髪をひと房掬うと、驚くほど恭しくその毛先に口づけを落とす。

「君は僕の、花嫁になるんだ。ずっと決めてたんだよ。そう……子供の頃から、ずっとね」


§


 何やら外が騒がしい。
 自室で家庭教師にピアノのレッスンをつけてもらっていたローズマリーは、思わず鍵盤を叩く指を止め、声のするほうへ意識を向けた。

「ローズマリーさま?」

 家庭教師の呼びかけを無視し、窓の側に駆け寄る。
 開いた窓から外を見下ろすと、ちょうど屋敷の門のすぐ外で、三人の少年がひとりの少年を取り囲んでいた。
 三人は、この近辺に住む農民や漁師の息子たちだ。それぞれ身体が大きい順に、テッド、ヒュー、ビリーと言う。

「やーい、エリオットの意気地無し!」
「こんな低い木にも上れないなんて、お前ホントに男かよ!」
「ズボン下ろして確かめてやろうか!」

 そして輪の中心でぶるぶると震えているのが、エリオット。ローズマリーの家で、居候として面倒を見ている少年だ。

「や、やめてよ……意地悪しないでよ……!」

 エリオットが弱々しい声と表情で、なんとか抵抗を試みる。
 しかしテッドたちは相変わらず意地の悪い表情で、「やめてよぉ」「意地悪しないでよぉ」などとエリオットのモノマネをして笑い合っていた。

(あの子たち、また……!)

 少年たちがエリオットを虐めるのは、何も今日が初めてではない。
 田舎ゆえの、よそ者を排除する風潮もてつだって、彼らはローズマリーが何度注意しても、こうしてたびたびエリオットを虐めるのだ。

 頭に血が上ったローズマリーは、家庭教師が呼び止めるのも構わず部屋を飛び出し、急いでエリオットの許へ向かった。

「こらーっ! テッド、ヒュー、ビリー! わたしの親友を虐めるなって言ったでしょ!?」
「げっ、マリー!」

 エリオットと少年たちの間に割って入ったローズマリーを見て、少年たちはあからさまにしまったという表情をしてみせる。
 権力を笠に着るつもりはないが、ローズマリーはこれでも、この地方一帯を治める領主、クロフトヴィル子爵の娘。父が大らかな人であるため交流を許されているが、本来なら平民は口もきけない相手なのである。
  
「げっ、じゃない! これで何度目なのよ!」
「だってそいつ、弱虫でイラつくんだよ」
「だからって虐めていいわけないでしょ! それに、エリーは弱虫なんじゃない。とっても優しい子なのよ」

 怯えきったエリオットは、ぴったりとローズマリーの背中に張り付いたまま離れようとしない。
 自分より更に小さく細い身体が小刻みに震えているのを背中で感じ、ローズマリーの胸がちくりと痛んだ。

(可哀想に、こんなに怯えて……)

 一体、こんな小さくてか弱い少年を虐めて何が楽しいのか。
 眦を釣り上げて少年たちを睨み付けると、彼らはあからさまにたじろいだ様子を見せた。
 さすがに、領主の娘相手にそれ以上やり合うつもりはないようだ。

「はいはい、わかったよ」
「騎士さまが助けにきてくれてよかったな、エリー・・・ちゃん・・・
「あっ、ちょっと! ちゃんとエリーに謝りなさいよ!」

 口々に不満を垂れながらその場を立ち去っていく少年たちを呼び止めたが、彼らが足を止めることはなかった。

「全く……。エリー、大丈夫?」

 彼らの姿が完全に見えなくなったのを確かめ、ローズマリーは改めてエリオットに向き直った。
 長い金色の睫毛に縁取られた青い目には、うっすらと涙が浮かんでいる。

「怖かったね。怪我してない?」
「うん、ちょっとだけ。でも、すぐにマリーが助けてくれたから大丈夫だよ……」

 弱々しく微笑むエリオットの手のひらに掠り傷ができているのを見て、ローズマリーは眉根を寄せた。きっと、少年たちに押されて転びでもした時に付いたのだろう。傷には血がうっすらと滲んでおり、見ている自分のほうが痛々しくなる。

「おうちに帰って手当てしましょう。ばいきんが入ったら大変だわ」
「うん……」

 素直に頷くエリオットの、怪我をしていないほうの手を引き、ローズマリーは自宅へ向かう。玄関扉をくぐるなり家庭教師が怖い顔をして出迎えたが、事情を説明するとなんとか赦してもらえた。

 メイドに救急箱を持ってくるようお願いし、エリオットを自室のソファに座らせる。
 メイドから受け取った救急箱から消毒液やらガーゼやらを取り出し、手早く傷跡の処置をする。エリオットはしょっちゅう虐められて傷を作ってくるため、ローズマリーの手つきも慣れたものだ。

「うん、これでよし。このくらいなら、きっとすぐに治るわ」
「ありがとう、マリー…」

 励ますように頭をわしゃわしゃと撫でると、エリオットが控えめに微笑む。
 あまりに愛らしい笑顔に、ローズマリーの胸の奥がきゅんと疼いた。本当に、なんて綺麗な子なのだろう。
 淡雪のように白い肌といい、たんぽぽの綿毛のようにふわふわした金色の髪といい、人形のように整った顔立ちといい、天使のようだ。

 エリオットがこのクロフトヴィル邸にやってきたのは、いまから二年前のこと。事情があって遠縁の子供を預かることになったと、父が連れてきたのだ。
 当時のエリオットは、お世辞にも綺麗な子供とは言えなかった。

 目は落ちくぼみ、血色は悪く、髪は薄汚れて砂のような色をしていた。身体も小さく、とてもローズマリーより二歳年上には見えなかった。
 屋敷で暮らし始めた頃、エリオットは全然笑わない子だった。常にすべてを諦めたような、うつろな目をしており、何を話しかけても興味のなさそうな顔をしていた。

 父からは、幼くして母親を亡くして以来、心を閉ざしてしまったのだと教えられた。
 ローズマリーは子供心にエリオットを気の毒に思い、何か自分にもできることがないかと考えた。大好物のお菓子を分けたり、一緒に朝の散歩に出かけたり、お気に入りのポニーを貸したり、ふたりで森を探検したりもした。

 エリオットからは何度も、放っておいてほしいと言われたが、それを無視して鬱陶しいほどに話しかけ続けた。そうした行動が功を奏したのか、エリオットは徐々にローズマリーに心を開き初め、屋敷に来て半年ほども経つ頃には笑顔を見せてくれるようになったのだ。

 嬉しかった。
 ローズマリーにはきょうだいがいない。そして領主の娘という立場もあり、これまで真に友人と呼べるような存在がいたこともなかった。
 そんなローズマリーにとって、エリオットは弟のように可愛い、大切な親友なのである。

(まあ、エリーのほうが年上なんだけど……。でも、エリーって小さくて可愛くて泣き虫で、守ってあげたくなるのよね)

 おてんばなローズマリーと違い、エリオットは引っ込み思案な性格で、放っておけばいつまでも本にかじりついて部屋から出てこないような子供だ。虫が部屋に出たと言っては泣き、怖い夢を見たと言ってはローズマリーの寝台に潜り込み、雷が怖いと言ってはぴったり張り付いて離れなかったり。
 だから、彼のことをどうしても放っておけないのだ。

「心配しないで、エリー。あの子たちがもしまたあなたを虐めても、わたしが助けてあげる。エリーのことは、わたしがずっと守るから」
「ずっと……ずっと一緒にいてくれるってこと?」 
「そうよ。わたしたちは大人になってもずっと、ずーっと一緒よ!」

 エリオットは軽く目を瞠ると、やがてぱぁっと花開くような笑みを浮かべた。そして恥じらうように頬を染め、おずおずと自身の右手をローズマリーの前に差し出した。

「それじゃ、指切りしてくれる……?」
「もちろん! わたしは、大人になってもエリオットとずーっと一緒よ」
「ぼ、僕も……! マリーとずっと一緒にいるって誓うよ」

 小指同士が絡み合い、強く結ばれる。
 ローズマリーは満面の笑みで、何度も何度も指切りしているほうの手をぶんぶんと上下に振った。正直なところ、自分ばかりがエリオットを振り回しているのではないかと考えたこともあった。それだけに、彼のほうもまた自分に強い友情を感じてくれていたことが、心の底から嬉しかったのだ。

 ――まさかそれから二ヶ月後、エリオットが突然いなくなってしまうとは考えもせずに。

 その日、ローズマリーは母や侍女と一緒に、町へ買い物に出かけていた。
 もうすぐエリオットの誕生日ということで、彼に何が欲しいか聞いたところ、手作りの組紐が欲しいと言われたのだ。

 当時淑女たちの間では、大切な相手に自分と揃いの組紐を贈るのが流行していた。元々はいわゆる幸運のお守りだったが、揃いのものを持つことで、互いを強い絆で結びつけるという新たなジンクスが生まれたのだ。
 確かに、友人同士にはぴったりの贈り物である。

 けれど、ローズマリーはすぐには頷かなかった。なぜなら去年も、エリオットの誕生日には手作りの組紐を贈ったから。

『他のもののほうがいいんじゃない?』

 念のため確認したけれど、エリオットは『マリーの作った組紐が欲しいんだ』と言って譲らなかった。

 手芸店へ赴いたローズマリーは、色とりどりの色糸を前にじっくりと思案する。
 去年は、青と金――エリオットの目と髪を意識した色糸で組紐を作ったけれど、今年は何色の糸を選ぼうか。

 悩んだ末、今回はローズマリーの髪と同じ、薔薇色の色糸に決めた。
 少し恥ずかしいけれど、エリオットがいつも『マリーの髪はとっても綺麗だね』と褒めてくれるからだ。

(そうだ、ビーズを編み込むのはどうかしら。きっと可愛くなるわ)

 組紐に編み込むためのビーズもいくつか選んだローズマリーは、浮かれきった気分で屋敷に戻った。
 早くこの色糸とビーズを使って、新しい組紐を作りたい。エリオットの喜ぶ反応を想像すると、それだけで心がワクワクした。
 しかしそんな彼女に父が告げたのは、思いも寄らぬ知らせだった。

「エリオット君はもういないよ。ここを出て行ったんだ」
 
 あまりに突然の話で、ローズマリーは初め、父が自分をからかっているのかと思った。けれど父の顔は真剣そのもので、これが嘘でも冗談でもないとすぐに気づく。

「どうして!? どうしてエリーはいなくなっちゃったの?」
「ご実家に……帰ることになったんだ。彼の父君から迎えがやってきてね」
「だったらどうして、わたしに何も言ってくれなかったの!?」
「急なことだったんだよ、マリー。君たちが買い物に行っている間のことで、エリオット君もとても残念がっていたが……」

 それでも、どうしてもエリオットがいなくなった事実を受け入れられなくて、ローズマリーは階段を駆け上がって彼の部屋へ向かった。
 だって、一生一緒にいると誓ったのだ。
 扉を開ければいつも通り彼はそこにいて、慌てて駆け込んだローズマリーを見て驚きながらも、優しく迎え入れてくれるはず。

『そんなに慌ててどうしたの、マリー? ほら、座って。深呼吸して』

 そう言いながら、いつも通りの優しい顔で微笑んでくれるはず。
 ――なのに。

「エリーッ!」

 勢いよくエリオットの部屋の扉を開ける。しかし、そこにエリオットはいなかった。

「エリー! エリー! どこにいるの!?」

 クローゼットの中から、浴室、寝台の下に至るまですべての場所を覗き込み、彼が隠れていないかを確かめる。
 けれど室内からはエリオットはおろか、彼の痕跡すらすっかり失われていた。まるでエリオットという少年など、初めからここにいなかったかのように。
 
 エリオットがいつもが読んでいた、ローズマリーには少し難しい本。
 お気に入りだった、白い帽子。
 去年の誕生日にローズマリーが贈った、青と金の色糸を使った組紐。

『腕につけなきゃ意味ないじゃない』

 ローズマリーはそう言ったけれど、エリオットは汚れてしまったらもったいないと、常にそれを机の上の一番目立つ場所に飾って眺めていた。

「どうして……」

 どうして、自分が帰るまで待ってくれなかったのか。
 どうして、別れの挨拶すらしてくれなかったのか。
 親友だと思っていたのは、自分だけだったのか。

(ずっと一緒にいるって……いったくせに……!)

 そんなものは八つ当たりだと、頭では理解していた。けれど幼い少女の心は、やるせない怒りや悲しみ、喪失感で張り裂けそうだった。
 その日、ローズマリーは突然やってきた親友との離別に、一生分とも思えるほどの涙を流したのだった。
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