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2話 再会と後悔と
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繁華街のその場所に足が向いたのは、単なる気まぐれだった。
もしかしたら、先日の女性が通りかかるかもしれない。また、会えるかもしれないと。
別に、深い意味があったわけではない。ただ、先日のドーナツの礼と、あれから変な輩に付きまとわれていないかということを聞こうと思っていただけだ。そう、ただそれだけだ。
――だというのに。
「あっ!」
弾けるような声が上がった。
ちょうど、ハニービー・ドーナツの前辺りを、それとなくうろついていた時だった。
若い女性五、六人の集団の中から、彼女がこちらを驚いたような顔をして見つめていたのは。
ぺこりと頭を下げた彼女は、友人たちに何か話しかけた後、小走りに静弥の許へとやってくる。
そして満面の笑みを浮かべて、再び頭を下げたのだった。
「あの、先日はどうもありがとうございました!」
「いや……その、ドーナツ旨かった。こちらこそありがとう」
そんな風にぎこちなく会話をしていると、彼女と先ほどまで一緒にいた女性たちの中から、からかうような声が上がる。
「ちょっとさやか~、誰よそのイケメン。知り合い?」
「さやかったら、いつの間に恋人作ったのよ」
「ちっ、違うよ! 変なこと言わないで!」
彼女は、友人たちを真っ赤になって振り返った。
初々しい反応から、彼女が純粋な性格であることが窺える。
「さやか、というのか」
静弥の言葉に、さやかと呼ばれた彼女は慌てて振り向き、照れくさそうに笑った。
「はい、上条清花と言います。清い花と書いて、さやかです」
「私は筧静弥だ。静寂の静に、弥勒菩薩の弥で静弥」
そう言えば、清花はどこかきょとんとした様子である。例え方が堅すぎたかと、静弥は慌てて言い直した。
「……弥生時代の弥だ」
「あぁ、なるほど! すみません、不勉強で……」
「いや、わかりにくい例えをして悪かった」
今時の若い女性に「弥勒菩薩」という例えはなかったなと、静弥は内心で苦笑する。
すると清花は、そういえば、と前置きしてこのようなことを口にした。
「夕食はまだですか? わたしたち、これからここで食事する予定なんです。もし良かったら、先日のお礼にご飯を奢らせてください」
「いや、先日の礼なら、もうドーナツを……」
「あの時は早く追いかけないとと思って、適当なものを急いで買ったんですけど、ドーナツ二つだけじゃ心苦しくて……。ご迷惑じゃなければ、ぜひ」
そこまで言われれば、断るのも申し訳なくなってくる。
静弥は清花にうながされるままに、ハニービー・ドーナツの扉を潜った。
さすがに日本に進出してきたばかりとあって、食事時を少し過ぎているにもかかわらず、店内はごった返している。
幸いにもテイクアウト客が多いためか、席はそこそこ空いていた。
「煙草吸われますか?」
「ああ、いや……」
静弥は非喫煙者だ。軽く手を振り、二人用の席に腰掛ける。
清花の友人たちは、少し離れた六人用の席を陣取ったようだ。
「友達と一緒じゃなくて良かったのか?」
「友達とはいつでも来られますから。あ、わたし、注文してきますね。パスタとか、ホットサンドもあるんですけど、適当に頼んできていいですか?」
「ありがとう。それじゃあ、頼む」
清花を見送り、静弥はふぅとため息を吐いた。
店内を見渡すと、若い女性やカップル、子連れの家族が多く、スーツ姿の静弥は明らかに浮いている。
早く清花が戻ってこないだろうかとそわそわしていると、彼女の友人の内、席取りをしていた二人がそそくさと静弥のほうに寄ってきた。
「あの、すいません。あなたが、この間清花が変な男に絡まれてるのを助けてくれたっていう方ですか?」
「そうだが……」
首肯すると、弾けるような声が上がった。
「きゃーっ、やっぱり!」
「そうじゃないかって思ってたんです! 清花の言っていたとおり、すっごく素敵な人!」
「す、素敵……?」
「ええ。とっても素敵な人に助けてもらったって、あの子嬉しそうに皆に話してたんですよ!」
清花が、自分のことをそんなふうに言っていたなんて。
きゅん、と心臓が跳ねて、妙に頬が熱くなってしまう。
すると、番号札を持って戻ってきた清花が、慌てたように友人たちを窘めた。
「ちょっと、変な話しないで! 筧さんが困ってるでしょ!?」
「だって本当のことじゃない。あんなに素敵な人初めてみた~って、うっとりして言ってたでしょ」
「も、もう! いいからあっち行って!」
からかわれたのが相当恥ずかしかったのか、清花は顔を赤くしながら彼女たちの背をぐいぐいと押し、その場から追いやる。
「ご、ごめんなさい筧さん……。友人たちが、悪のりしちゃって……」
「い、いや。別に構わない」
静弥はしどろもどろになりながら、緩みそうになる口元を片手で隠した。
こんな年下の娘相手に、じぶんは一体何を動揺しているのだろう。これがあの有名企業、宮間商事の専務とは、我ながら情けないことである
とにかく、大人の男性らしく余裕を見せねば。
静弥は微笑を浮かべつつ、清花に話しかけた。
「君は、大学生かな?」
「は、はい。リリアン女学院大学の二年生です」
ということは、十九か二十歳ということか。
それにしてもリリアン女学院といえば、小中高一貫教育の、ミッション系女子校だ。
学費が高いことで有名で、良家の子女が多く通う。
挨拶は「ごきげんよう」であり、修道院や礼拝堂など、まさに漫画に出てくるようなお嬢様学校だ。
ちなみに余談だが、高校の制服である白いワンピースは、マニアたちの間で高値で取引されているとも聞いたことがある。
清楚な清花のイメージはリリアン女学院にぴったりで、彼女が学び舎で白い制服を着ているところを否応なく想像させた。
……うん、この上なく似合っている。
「――さんは」
「えっ?」
妄想に励んでいた静弥は、慌てて虚空から清花に視線を戻す。
「筧さんは、会社員ですか?」
「あ、ああ……。一応、会社勤めをしている」
無意味にネクタイの位置を直しながら、静弥はつい癖で名刺を取り出した。
女子大生に名刺なんて渡してどうする、と思った時にはすでに、それは清花の手に渡っていた。
しかも、会話を聞いていた友人たちに、瞬く間に取り上げられてしまっている。
「えっ、宮間商事の専務さん!?」
「すごい! わたし、ここの時計持ってる!」
「わたしもこの指輪、Miyamaジュエリーで買ったヤツだよ! それに化粧品も!」
「み、みんな、お客さんが見てるからっ!」
大声で姦しく騒ぐ女子大生たちを、他の客たちが遠巻きに見ている。
それをおろおろと窘めながら、清花は名刺を取り返し、友人たちを再び元の席へ追いやった。
「本当にごめんなさい、騒がしくて……! こんなことなら、別のお店にしておけば良かった」
それは、二人きりで食事をということなのだろうか。
彼女に他意はないと分かっていても、何か深い意味でもあるのだろうかと期待してしまう。
だから、つい渋面になってしまった。
「君は……、そういうことを、あまり男に言わないほうがいい」
「え?」
「二人きりで食事なんて、若い女性が軽々しくそんな言葉を口にするな」
そんな静弥の厳しい口調に、清花は目に見えて落ち込んだ。
「あ……、ご、ごめんなさい。そうですよね……」
無理をして微笑んだ後、視線を下に落とし、ぎゅっと唇を噛みしめている。
もしかして、泣かせた……?
静弥は頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。今まで、女を啼かせたことはあっても、泣かせたことなど一度もないというのに。
傷つけるつもりはなかったのだ。
ただ、自衛も大事だと言おうとしただけなのに、どうしてあのような厳しい言い方をしてしまったのか。
彼女はお礼をしようとしてくれていただけなのに。
何とかフォローをしようと思っているうちに、店員が注文した商品を運んできた。
「お待たせいたしました。ナポリタンにBLTホットサンド、レモンシュガードーナツにチョコレートホイップ、それからお飲み物の珈琲と紅茶です。お熱くなっておりますので、お気をつけ下さいませ」
明るい軽やかな声が、この重い空気にあまりにそぐわなすぎて、白々しく響いてしまう。
その後、黙々と食事をとった静弥は、店の前で清花やその友人たちと別れた。
別れ際、清花は友人たちに聞こえないよう、心底申し訳なさそうに静弥に謝罪した。
「今日は、不愉快にさせてごめんなさい……」
不愉快になどなっていない、と言おうとしたが、それは彼女の友人たちの「さやかー、早く行くよー」という言葉に邪魔されて伝えられなかった。
それからの帰り道は、正直どうやって家に帰り着いたのかも分からないほどに、打ちのめされていた。
もしかしたら、先日の女性が通りかかるかもしれない。また、会えるかもしれないと。
別に、深い意味があったわけではない。ただ、先日のドーナツの礼と、あれから変な輩に付きまとわれていないかということを聞こうと思っていただけだ。そう、ただそれだけだ。
――だというのに。
「あっ!」
弾けるような声が上がった。
ちょうど、ハニービー・ドーナツの前辺りを、それとなくうろついていた時だった。
若い女性五、六人の集団の中から、彼女がこちらを驚いたような顔をして見つめていたのは。
ぺこりと頭を下げた彼女は、友人たちに何か話しかけた後、小走りに静弥の許へとやってくる。
そして満面の笑みを浮かべて、再び頭を下げたのだった。
「あの、先日はどうもありがとうございました!」
「いや……その、ドーナツ旨かった。こちらこそありがとう」
そんな風にぎこちなく会話をしていると、彼女と先ほどまで一緒にいた女性たちの中から、からかうような声が上がる。
「ちょっとさやか~、誰よそのイケメン。知り合い?」
「さやかったら、いつの間に恋人作ったのよ」
「ちっ、違うよ! 変なこと言わないで!」
彼女は、友人たちを真っ赤になって振り返った。
初々しい反応から、彼女が純粋な性格であることが窺える。
「さやか、というのか」
静弥の言葉に、さやかと呼ばれた彼女は慌てて振り向き、照れくさそうに笑った。
「はい、上条清花と言います。清い花と書いて、さやかです」
「私は筧静弥だ。静寂の静に、弥勒菩薩の弥で静弥」
そう言えば、清花はどこかきょとんとした様子である。例え方が堅すぎたかと、静弥は慌てて言い直した。
「……弥生時代の弥だ」
「あぁ、なるほど! すみません、不勉強で……」
「いや、わかりにくい例えをして悪かった」
今時の若い女性に「弥勒菩薩」という例えはなかったなと、静弥は内心で苦笑する。
すると清花は、そういえば、と前置きしてこのようなことを口にした。
「夕食はまだですか? わたしたち、これからここで食事する予定なんです。もし良かったら、先日のお礼にご飯を奢らせてください」
「いや、先日の礼なら、もうドーナツを……」
「あの時は早く追いかけないとと思って、適当なものを急いで買ったんですけど、ドーナツ二つだけじゃ心苦しくて……。ご迷惑じゃなければ、ぜひ」
そこまで言われれば、断るのも申し訳なくなってくる。
静弥は清花にうながされるままに、ハニービー・ドーナツの扉を潜った。
さすがに日本に進出してきたばかりとあって、食事時を少し過ぎているにもかかわらず、店内はごった返している。
幸いにもテイクアウト客が多いためか、席はそこそこ空いていた。
「煙草吸われますか?」
「ああ、いや……」
静弥は非喫煙者だ。軽く手を振り、二人用の席に腰掛ける。
清花の友人たちは、少し離れた六人用の席を陣取ったようだ。
「友達と一緒じゃなくて良かったのか?」
「友達とはいつでも来られますから。あ、わたし、注文してきますね。パスタとか、ホットサンドもあるんですけど、適当に頼んできていいですか?」
「ありがとう。それじゃあ、頼む」
清花を見送り、静弥はふぅとため息を吐いた。
店内を見渡すと、若い女性やカップル、子連れの家族が多く、スーツ姿の静弥は明らかに浮いている。
早く清花が戻ってこないだろうかとそわそわしていると、彼女の友人の内、席取りをしていた二人がそそくさと静弥のほうに寄ってきた。
「あの、すいません。あなたが、この間清花が変な男に絡まれてるのを助けてくれたっていう方ですか?」
「そうだが……」
首肯すると、弾けるような声が上がった。
「きゃーっ、やっぱり!」
「そうじゃないかって思ってたんです! 清花の言っていたとおり、すっごく素敵な人!」
「す、素敵……?」
「ええ。とっても素敵な人に助けてもらったって、あの子嬉しそうに皆に話してたんですよ!」
清花が、自分のことをそんなふうに言っていたなんて。
きゅん、と心臓が跳ねて、妙に頬が熱くなってしまう。
すると、番号札を持って戻ってきた清花が、慌てたように友人たちを窘めた。
「ちょっと、変な話しないで! 筧さんが困ってるでしょ!?」
「だって本当のことじゃない。あんなに素敵な人初めてみた~って、うっとりして言ってたでしょ」
「も、もう! いいからあっち行って!」
からかわれたのが相当恥ずかしかったのか、清花は顔を赤くしながら彼女たちの背をぐいぐいと押し、その場から追いやる。
「ご、ごめんなさい筧さん……。友人たちが、悪のりしちゃって……」
「い、いや。別に構わない」
静弥はしどろもどろになりながら、緩みそうになる口元を片手で隠した。
こんな年下の娘相手に、じぶんは一体何を動揺しているのだろう。これがあの有名企業、宮間商事の専務とは、我ながら情けないことである
とにかく、大人の男性らしく余裕を見せねば。
静弥は微笑を浮かべつつ、清花に話しかけた。
「君は、大学生かな?」
「は、はい。リリアン女学院大学の二年生です」
ということは、十九か二十歳ということか。
それにしてもリリアン女学院といえば、小中高一貫教育の、ミッション系女子校だ。
学費が高いことで有名で、良家の子女が多く通う。
挨拶は「ごきげんよう」であり、修道院や礼拝堂など、まさに漫画に出てくるようなお嬢様学校だ。
ちなみに余談だが、高校の制服である白いワンピースは、マニアたちの間で高値で取引されているとも聞いたことがある。
清楚な清花のイメージはリリアン女学院にぴったりで、彼女が学び舎で白い制服を着ているところを否応なく想像させた。
……うん、この上なく似合っている。
「――さんは」
「えっ?」
妄想に励んでいた静弥は、慌てて虚空から清花に視線を戻す。
「筧さんは、会社員ですか?」
「あ、ああ……。一応、会社勤めをしている」
無意味にネクタイの位置を直しながら、静弥はつい癖で名刺を取り出した。
女子大生に名刺なんて渡してどうする、と思った時にはすでに、それは清花の手に渡っていた。
しかも、会話を聞いていた友人たちに、瞬く間に取り上げられてしまっている。
「えっ、宮間商事の専務さん!?」
「すごい! わたし、ここの時計持ってる!」
「わたしもこの指輪、Miyamaジュエリーで買ったヤツだよ! それに化粧品も!」
「み、みんな、お客さんが見てるからっ!」
大声で姦しく騒ぐ女子大生たちを、他の客たちが遠巻きに見ている。
それをおろおろと窘めながら、清花は名刺を取り返し、友人たちを再び元の席へ追いやった。
「本当にごめんなさい、騒がしくて……! こんなことなら、別のお店にしておけば良かった」
それは、二人きりで食事をということなのだろうか。
彼女に他意はないと分かっていても、何か深い意味でもあるのだろうかと期待してしまう。
だから、つい渋面になってしまった。
「君は……、そういうことを、あまり男に言わないほうがいい」
「え?」
「二人きりで食事なんて、若い女性が軽々しくそんな言葉を口にするな」
そんな静弥の厳しい口調に、清花は目に見えて落ち込んだ。
「あ……、ご、ごめんなさい。そうですよね……」
無理をして微笑んだ後、視線を下に落とし、ぎゅっと唇を噛みしめている。
もしかして、泣かせた……?
静弥は頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。今まで、女を啼かせたことはあっても、泣かせたことなど一度もないというのに。
傷つけるつもりはなかったのだ。
ただ、自衛も大事だと言おうとしただけなのに、どうしてあのような厳しい言い方をしてしまったのか。
彼女はお礼をしようとしてくれていただけなのに。
何とかフォローをしようと思っているうちに、店員が注文した商品を運んできた。
「お待たせいたしました。ナポリタンにBLTホットサンド、レモンシュガードーナツにチョコレートホイップ、それからお飲み物の珈琲と紅茶です。お熱くなっておりますので、お気をつけ下さいませ」
明るい軽やかな声が、この重い空気にあまりにそぐわなすぎて、白々しく響いてしまう。
その後、黙々と食事をとった静弥は、店の前で清花やその友人たちと別れた。
別れ際、清花は友人たちに聞こえないよう、心底申し訳なさそうに静弥に謝罪した。
「今日は、不愉快にさせてごめんなさい……」
不愉快になどなっていない、と言おうとしたが、それは彼女の友人たちの「さやかー、早く行くよー」という言葉に邪魔されて伝えられなかった。
それからの帰り道は、正直どうやって家に帰り着いたのかも分からないほどに、打ちのめされていた。
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