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3 敵の動きを探るために
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「アルフレット殿下は、わざと隙をつくったのでは…」
「そう、見えるかね」
「はい」
あきれ顔のフィーナに、アルフレットは完全にとぼけていた。アルフレットはフィーナと話をするため、人払いをしていたのだ。当然、アルフレットの正規の護衛も含めてである。
これでは、いつでも自分の命を狙ってくれてかまわないと言っているようなものだ…。
「フィーナ嬢が傍にいてくれたじゃないか。私は何も心配はしていなかったよ」
邪気のない笑顔で言われ、フィーナは不覚にも頬を赤くする。
「冗談は…これくらいにしてください…」
「本当にそう思っていたよ。でも、私が動くよりフィーナの方が早かった。…自分が不甲斐なく…残念だよ」
「…?」
フィーナがその言葉を疑問に思うより先に、アルフレットは真剣な表情になると話題を変える。
「そんなことより、これでもう一人の暗殺者――いや、見張り役とでもいうべきか。そいつの足取りも掴めるはずだ」
「そうですね。建物の陰に…たしかにもう一人潜んでいました。間違いなく、そいつはアルフレット殿下の暗殺の失敗と、私がただの令嬢でないことを雇い主に報告に向かうはずです」
「フィーナ嬢は、ずいぶんと落ち着いているんだな」
「私の一族の者がそいつを今、尾行しています。信頼に足る人物ですので、私の情報が漏れることは絶対にないでしょう。彼の腕は確かですから。それに上手くいけば雇い主の尻尾だって掴んでくれますよ」
「……。信頼しているのだな」
「私の護衛として、今日に限っては万が一のことがあっては困るからと、半ば強引について来てくれたんです。…相当な心配性ですよね。本当に、いつまでも小さな子ども扱いで私としては困っているんですが」
「そうか」
アルフレットは非常に面白くないという顔をしていたが、フィーナはそのことに気づいていなかった。
「ああ、そうだ。一つ言い忘れていたよ。仮にも私たちは婚約者となるのだから、今度からフィーナと呼ぶことにする。フィーナもそのつもりでいてくれ」
「……」
フィーナは呆然としていたが、その表情を見てアルフレットはどこか満足そうな顔をしていたのだ。
「そう、見えるかね」
「はい」
あきれ顔のフィーナに、アルフレットは完全にとぼけていた。アルフレットはフィーナと話をするため、人払いをしていたのだ。当然、アルフレットの正規の護衛も含めてである。
これでは、いつでも自分の命を狙ってくれてかまわないと言っているようなものだ…。
「フィーナ嬢が傍にいてくれたじゃないか。私は何も心配はしていなかったよ」
邪気のない笑顔で言われ、フィーナは不覚にも頬を赤くする。
「冗談は…これくらいにしてください…」
「本当にそう思っていたよ。でも、私が動くよりフィーナの方が早かった。…自分が不甲斐なく…残念だよ」
「…?」
フィーナがその言葉を疑問に思うより先に、アルフレットは真剣な表情になると話題を変える。
「そんなことより、これでもう一人の暗殺者――いや、見張り役とでもいうべきか。そいつの足取りも掴めるはずだ」
「そうですね。建物の陰に…たしかにもう一人潜んでいました。間違いなく、そいつはアルフレット殿下の暗殺の失敗と、私がただの令嬢でないことを雇い主に報告に向かうはずです」
「フィーナ嬢は、ずいぶんと落ち着いているんだな」
「私の一族の者がそいつを今、尾行しています。信頼に足る人物ですので、私の情報が漏れることは絶対にないでしょう。彼の腕は確かですから。それに上手くいけば雇い主の尻尾だって掴んでくれますよ」
「……。信頼しているのだな」
「私の護衛として、今日に限っては万が一のことがあっては困るからと、半ば強引について来てくれたんです。…相当な心配性ですよね。本当に、いつまでも小さな子ども扱いで私としては困っているんですが」
「そうか」
アルフレットは非常に面白くないという顔をしていたが、フィーナはそのことに気づいていなかった。
「ああ、そうだ。一つ言い忘れていたよ。仮にも私たちは婚約者となるのだから、今度からフィーナと呼ぶことにする。フィーナもそのつもりでいてくれ」
「……」
フィーナは呆然としていたが、その表情を見てアルフレットはどこか満足そうな顔をしていたのだ。
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