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パパラッチフィーバー!
パパラッチフィーバー!⑦2
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おれは敦士を待ってる間に適当に作ったつまみ、『玉ねぎとベーコンとポテトチップスの炒め物』と『無限キャベツ』と果物やチーズをローテーブルに並べる。
この、ポテチベーコンは創作つまみながらなかなか簡単で美味いのだ。
グラスを準備すると敦士のグラスにビールを注ぐ。
「あ、やべ。全然泡立たなかった。悪い」
「いえ、ありがとうございます」
そう言うと、敦士もおれのグラスにビールを注いだ。
おれは敦士の横のソファに移動するとスマホを構える。
「敦士笑って!」
「え!またですか!」
「敦士が言ったんだぞ!」
おれはビールを持った二人の写真を撮ると、ツイッターにあげる。
「マネージャーとご飯からのうち飲み。台湾ビール。おつまみはお手製。……送信。さ、飲もうぜ!」
「まったく、あなたって人は……凛さんとおれとでは顔面偏差値が違いすぎるんですから、並べられる身にもなってくださいよ……」
「え、そんなことないじゃん。敦士イケメンじゃん?」
「凛さんがそれを言います?……まあ、褒め言葉として受け取っておきます」
敦士は諦めたように笑う。
「敦士、乾杯!」
「はい、乾杯」
「くー!美味い!」
「本当に美味しいですね」
敦士はそう言うと爽やかに笑った。
その笑顔に、おれはまたもやドキッとする。
おれは心臓の高鳴りを悟られないように、ビールを飲んだ。
ビールを一気に飲み、おれはなんとなくいい気分になりちょっとハイになる。
「敦士ー。ツマミもちょっと食べてみて?おれの自信作だから」
「いつの間に作ったんですか?」
「敦士がおれがシャワー出たのも気がつかず、仕事に夢中になってる間ですー」
「……なんですか、その拗ねたみたいな言い方は」
「バレたー?折角うちに来たのに仕事してるからちょっと拗ねた!ははっ」
おれの言葉に、敦士は目を見開く。
そのまま口元を押さえて視線を逸らした。
「そんな事……」
「わかってるよ、仕事だから仕方ないよな?」
「そうじゃなくて」
敦士は視線をおれに戻すと、じっとおれの目を見つめる。
「なんで、そんなかわいい事言うんですか……」
「へっ?!」
敦士はおれの方に身体を向けると、ビールのグラスを置く。
「だいたい……凛さん、あなたは警戒心がなさすぎます。言ったでしょ、おれはあなたを……口説き落とす気でいるんですからね」
そう言うと、敦士はその指でおれの頬を撫でる。
「あ、敦士……」
敦士の言葉に、おれは破裂しそうなくらい心臓をドキドキさせると敦士の瞳を見つめる。
その真剣な瞳に、おれの心臓は一際大きく高鳴った。
敦士の顔が近づいてきて、おれは思わず目をギュッと閉じる。
敦士の唇がおれの額に触れ、そのまますぐに離れた。
「ーーキス、されると思いました?」
「ーー?!」
敦士の言葉に、おれは顔を真っ赤に火照らせて目を開けると、悪戯っぽく笑う敦士の顔がある。
その顔は妙に大人っぽくて格好良くて、おれはまるで金魚のように口をパクパクとさせた。
「ちょっと、残念って思ってくれました?」
敦士の言葉に、おれの顔はこれ以上無いくらい赤くなる。
それはまるで敦士の言葉に無言ながら肯定をしたみたいで、おれは内心でめちゃくちゃ焦っていた。
残念?
おれが?
キスされなくて?
心の奥底に、ほんの少しそう思ってる自分を見つけて、おれは口元を手で押さえる。
「凛さん……可愛すぎます」
敦士は微笑みながらおれの手を退けると、今度こそその唇をおれの唇に重ねた。
優しく何度も唇を啄まれ、おれは脳内がジンジンと痺れたように甘く溶け出す。
敦士はひょいとおれの身体を抱え上げ、リビングに隣接する寝室のベッドに下ろした。
そのままおれの上に覆い被さると、先ほどまでとは打って変わって激しいキスをする。
口内に舌を差し入れ、おれの舌と絡めると、何度も吸い上げ甘噛みをした。
「んん…っふ…っ」
自分の口から漏れる甘い声に、羞恥心を煽られ余計に身体に力が入らない。
敦士は最後にチュッと音をさせて唇を離すと、おれをベッドに縫いつけたまま見下ろす。
「んーーー………っ!」
そして、気合を入れるように突然唸ると、おれの上から身体を離した。
「……これ以上先は……正規の手段を踏んでからにします」
せ、正規の手段って……。
敦士はおれを起こすと、そっと抱きしめた。
「だから……あんまりかわいい事言って、おれを煽らないでください……」
おれはなんと言っていいか分からず、敦士の背中に手を回した。
敦士はおれを抱きしめたままベッドに横になる。
「でも……これくらいは許してください……」
そのまま、歯を磨いた後もまるで敦士の抱き枕のような状態で一夜を明かしたおれたちであった……。
この、ポテチベーコンは創作つまみながらなかなか簡単で美味いのだ。
グラスを準備すると敦士のグラスにビールを注ぐ。
「あ、やべ。全然泡立たなかった。悪い」
「いえ、ありがとうございます」
そう言うと、敦士もおれのグラスにビールを注いだ。
おれは敦士の横のソファに移動するとスマホを構える。
「敦士笑って!」
「え!またですか!」
「敦士が言ったんだぞ!」
おれはビールを持った二人の写真を撮ると、ツイッターにあげる。
「マネージャーとご飯からのうち飲み。台湾ビール。おつまみはお手製。……送信。さ、飲もうぜ!」
「まったく、あなたって人は……凛さんとおれとでは顔面偏差値が違いすぎるんですから、並べられる身にもなってくださいよ……」
「え、そんなことないじゃん。敦士イケメンじゃん?」
「凛さんがそれを言います?……まあ、褒め言葉として受け取っておきます」
敦士は諦めたように笑う。
「敦士、乾杯!」
「はい、乾杯」
「くー!美味い!」
「本当に美味しいですね」
敦士はそう言うと爽やかに笑った。
その笑顔に、おれはまたもやドキッとする。
おれは心臓の高鳴りを悟られないように、ビールを飲んだ。
ビールを一気に飲み、おれはなんとなくいい気分になりちょっとハイになる。
「敦士ー。ツマミもちょっと食べてみて?おれの自信作だから」
「いつの間に作ったんですか?」
「敦士がおれがシャワー出たのも気がつかず、仕事に夢中になってる間ですー」
「……なんですか、その拗ねたみたいな言い方は」
「バレたー?折角うちに来たのに仕事してるからちょっと拗ねた!ははっ」
おれの言葉に、敦士は目を見開く。
そのまま口元を押さえて視線を逸らした。
「そんな事……」
「わかってるよ、仕事だから仕方ないよな?」
「そうじゃなくて」
敦士は視線をおれに戻すと、じっとおれの目を見つめる。
「なんで、そんなかわいい事言うんですか……」
「へっ?!」
敦士はおれの方に身体を向けると、ビールのグラスを置く。
「だいたい……凛さん、あなたは警戒心がなさすぎます。言ったでしょ、おれはあなたを……口説き落とす気でいるんですからね」
そう言うと、敦士はその指でおれの頬を撫でる。
「あ、敦士……」
敦士の言葉に、おれは破裂しそうなくらい心臓をドキドキさせると敦士の瞳を見つめる。
その真剣な瞳に、おれの心臓は一際大きく高鳴った。
敦士の顔が近づいてきて、おれは思わず目をギュッと閉じる。
敦士の唇がおれの額に触れ、そのまますぐに離れた。
「ーーキス、されると思いました?」
「ーー?!」
敦士の言葉に、おれは顔を真っ赤に火照らせて目を開けると、悪戯っぽく笑う敦士の顔がある。
その顔は妙に大人っぽくて格好良くて、おれはまるで金魚のように口をパクパクとさせた。
「ちょっと、残念って思ってくれました?」
敦士の言葉に、おれの顔はこれ以上無いくらい赤くなる。
それはまるで敦士の言葉に無言ながら肯定をしたみたいで、おれは内心でめちゃくちゃ焦っていた。
残念?
おれが?
キスされなくて?
心の奥底に、ほんの少しそう思ってる自分を見つけて、おれは口元を手で押さえる。
「凛さん……可愛すぎます」
敦士は微笑みながらおれの手を退けると、今度こそその唇をおれの唇に重ねた。
優しく何度も唇を啄まれ、おれは脳内がジンジンと痺れたように甘く溶け出す。
敦士はひょいとおれの身体を抱え上げ、リビングに隣接する寝室のベッドに下ろした。
そのままおれの上に覆い被さると、先ほどまでとは打って変わって激しいキスをする。
口内に舌を差し入れ、おれの舌と絡めると、何度も吸い上げ甘噛みをした。
「んん…っふ…っ」
自分の口から漏れる甘い声に、羞恥心を煽られ余計に身体に力が入らない。
敦士は最後にチュッと音をさせて唇を離すと、おれをベッドに縫いつけたまま見下ろす。
「んーーー………っ!」
そして、気合を入れるように突然唸ると、おれの上から身体を離した。
「……これ以上先は……正規の手段を踏んでからにします」
せ、正規の手段って……。
敦士はおれを起こすと、そっと抱きしめた。
「だから……あんまりかわいい事言って、おれを煽らないでください……」
おれはなんと言っていいか分からず、敦士の背中に手を回した。
敦士はおれを抱きしめたままベッドに横になる。
「でも……これくらいは許してください……」
そのまま、歯を磨いた後もまるで敦士の抱き枕のような状態で一夜を明かしたおれたちであった……。
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