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パパラッチフィーバー!

パパラッチフィーバー!④3

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プラネタリウムが終わると、おれたちはまた一哉の車で移動をする。
着いたのは超一流ホテル、リッツ・カールトン東京。
ここでディナーを予約していると言う。
普通のやつがやると嫌味になるようなキザなことも、一哉がやると全て絵になって似合うから悔しい。
さすが『現代の王子様』なんて言われる男。
一哉は顔パスでチェックインをすると、専任バトラーに伴われてエレベーターに乗る。
おれはフレンチダイニングのアジュールにでも行くのかと思ったのだが、案内されたのはまさかのザ・リッツ・カールトン スイート……客室だった。
「ルームダイニングの方が落ち着いて食事できるだろ」
そんなことを言いながら慣れた様子で部屋に入る。
おれはドキドキしながら一哉に続くと、手招きされて一哉の向いのソファに座った。
「何か飲めないものがあるか?」
アルコールメニューを開きながら、一哉がそう問う。
アルコールを飲む気……と言うことは今日はここに泊まる気か!
「いや……特に何もない」
「じゃあ、適当におれのおすすめで頼むぞ」
そう言うと、バトラーに何事かを伝えて退出させた。
しばらくすると、いくつかの果物やチーズ、生ハムなどのお洒落な軽食とともにシャンパン(多分)が運ばれてくる。
バトラーがシャンパンのコルクを抜くと、一哉とおれのグラスに液体を注いだ。
そのまま、頭を下げるとバトラーは部屋を退出した。
一哉はおれにグラスの片方を渡すと、軽く香りを楽しんだ。
くっ……そんな仕草まで様になっている。
「じゃ、乾杯」
そう言って一哉はシャンパンに口をつけた。
おれもそれに倣ってシャンパンを口に含む。
め……めちゃくちゃ美味い!
おれは驚いてシャンパンのラベルを見る。
「これ、めちゃくちゃ美味いんだけど!」
「おれのおすすめが不味いわけないだろ」
さっきバトラーがシャンパンの説明をしてた時、ちゃんと真面目に聞いとくんだった!
「あ、でも口当たりがいいからって調子に乗って飲むなよ。アルコール度数はそれなりにあるからな」
一哉はそう注意する。
そう、おれはざるの他のメンバーと違ってそんなに飲める方ではないのだ。
下戸でもないけど、ある程度飲むと潰れてしまう。
案の定、おれは二杯目を飲み終わった時点でフワフワと良い気分になりつつあった。
「……だから言ったろうが……」
一哉は小さくため息をつくと、ヘラヘラと笑っているおれのそばにきてグラスを取り上げる。
そして、そのままおれの真横に座った。
「だって……美味しかったんだもん……」
「……あのな」
一哉はその青い目を細めると、おれの目をじっと見つめる。
「……あんまり可愛いことしてると、食事の前に食っちまうぞ」
そう言うと、一哉はおれの頬をするりと撫で、おれの顔を上に向かせた。
そのまま一哉の唇でおれの唇が塞がれる。
「……んんっ」
角度を変えて何度も口づけを重ねられ、おれの頭はとろとろに蕩かされた。
「……っは…」
侵入してきた舌が口内を余すことなく這い回ると、おれの身体中から力が抜ける。
おれは、いつのまにかソファに組み敷かれる形でキスを受けていた。
五分にも及ぶ長いキスの果てに舌を引き抜かれ唇を離されると、一哉は「はぁ」とため息をつく。
「……くそ。このまま食っちまいたいが……酔ったやつを抱くのはおれの主義に反する」
そう言うと、一哉はおれの上から身体をどかした。
そして、そのままおれの身体を軽々と抱き上げると、ベッドに寝かせる。
「おれはシャワーを浴びてくる。おまえは少し酔いを覚ましてろ」
そう言うと、一哉はバスルームへと消えていった。
おれは、それを見ながら、後からじわじわと迫り来る羞恥心に顔を真っ赤にすると、頭を枕に埋めた。
危なかった……あのままキスされてたら……おれは思わず絆されていたかもしれない。
おれはバンバンとベッドに頭を打ち付ける。
実は、おれは一哉が思うほど酔ってはいなかった。
シャンパンが美味しかったのと、一哉との時間が楽しかったのと、ホテルの雰囲気で舞い上がっていただけなのだ。
そんなことを考えていたら、おれはいつのまにか顔を枕に埋めたままウトウトと眠りに落ちていっていた。
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