61 / 106
パパラッチフィーバー!
パパラッチフィーバー!③1
しおりを挟む
side A
今日はおれたちA’sの冠番組『A’sの MUSICバラエティ』略して『AMV』の収録の日だ。
今日のゲストはおれたちと人気を分け合うダンスヴォーカルグループAshurA。
言わずと知れたおれの親友、凛のグループだ。
おれは内心ワクワクしながら収録スタジオに向かう。
おれたちもAshurAも忙しいため、リハーサルは最低限で済ませてある。
しかし、この一発撮り感がリアルだとウケているのだ。
おれはメイクとヘアセットを済ませてスタジオに入ると、丁度AshurAのメンバーもスタジオ入りしてきた。
「よー凛!」
「はよ、秋生!」
おれたちは挨拶を済ませると、早速雑談を始める。
「なあ凛、スタバの新作飲んだ?」
「あ、アップルシナモンだろ?飲んだ!めっちゃ美味かった!」
「だよなー!!」
ん?
心なしかAshurAのメンバーからの視線が痛いぞ。
めっちゃ見られてる。
不意に言葉を止めたおれに、凛はおれにこそっと耳打ちした。
「……なあ、おれ、おまえのところの嘉神にめっちゃ見られてるんだけど……おれなんかした?」
え?
おまえもか!
「……それ言うなら、おれだっておまえのところのメンバーにめっちゃ睨まれてるぞ」
「………」
「………」
おれは頭をかきながら凛に謝る。
「あー……悪い。うちの駄犬、相方愛が強すぎてな、自分より他の誰かがおれと仲良くなるのが嫌みたいで……拗ねてるんだ。すまんな」
おれの言葉に、凛は苦笑いをする。
「……どこも似たようなもんだな。うちもそんなようなもんだ」
おれは小さくため息をつく。
「お互い苦労するなぁ」
「ははは……」
おれの言葉に、凛は乾いた笑いを浮かべた。
でも、おれはだからって凛との友情をおざなりにする気はないぞ。
折角出会えたんだ!
「ところで秋生。今やってる映画『友達以上。』見に行った?」
あー!
あの伝説のボーイズラブ映画か……!
深夜枠のドラマで放映されて、大人気で映画化が決まった作品だ。
まだ見に行ってないんだよ……行きたいんだよなー!
「まだ行ってない……凛は行った?」
「おれもまだなんだよ……てかさ、一緒に行かね?」
「まじで?!行く!」
映画に一人で行くのはいい。
そんなのは簡単だ。
でも……この作品は観た後絶対誰かと語りたくなる!
だから一人で行くのを躊躇っていたのだ。
凛が一緒に行ってくれるなら大歓迎だ!
「映画の後感想会しような?」
「勿論だ!くぅー!楽しみすぎる!」
おれは凛のありがたい申し出にテンションが爆上がりすると、鼻歌まじりに収録が始まるのを待った。
今日はおれたちA’sの冠番組『A’sの MUSICバラエティ』略して『AMV』の収録の日だ。
今日のゲストはおれたちと人気を分け合うダンスヴォーカルグループAshurA。
言わずと知れたおれの親友、凛のグループだ。
おれは内心ワクワクしながら収録スタジオに向かう。
おれたちもAshurAも忙しいため、リハーサルは最低限で済ませてある。
しかし、この一発撮り感がリアルだとウケているのだ。
おれはメイクとヘアセットを済ませてスタジオに入ると、丁度AshurAのメンバーもスタジオ入りしてきた。
「よー凛!」
「はよ、秋生!」
おれたちは挨拶を済ませると、早速雑談を始める。
「なあ凛、スタバの新作飲んだ?」
「あ、アップルシナモンだろ?飲んだ!めっちゃ美味かった!」
「だよなー!!」
ん?
心なしかAshurAのメンバーからの視線が痛いぞ。
めっちゃ見られてる。
不意に言葉を止めたおれに、凛はおれにこそっと耳打ちした。
「……なあ、おれ、おまえのところの嘉神にめっちゃ見られてるんだけど……おれなんかした?」
え?
おまえもか!
「……それ言うなら、おれだっておまえのところのメンバーにめっちゃ睨まれてるぞ」
「………」
「………」
おれは頭をかきながら凛に謝る。
「あー……悪い。うちの駄犬、相方愛が強すぎてな、自分より他の誰かがおれと仲良くなるのが嫌みたいで……拗ねてるんだ。すまんな」
おれの言葉に、凛は苦笑いをする。
「……どこも似たようなもんだな。うちもそんなようなもんだ」
おれは小さくため息をつく。
「お互い苦労するなぁ」
「ははは……」
おれの言葉に、凛は乾いた笑いを浮かべた。
でも、おれはだからって凛との友情をおざなりにする気はないぞ。
折角出会えたんだ!
「ところで秋生。今やってる映画『友達以上。』見に行った?」
あー!
あの伝説のボーイズラブ映画か……!
深夜枠のドラマで放映されて、大人気で映画化が決まった作品だ。
まだ見に行ってないんだよ……行きたいんだよなー!
「まだ行ってない……凛は行った?」
「おれもまだなんだよ……てかさ、一緒に行かね?」
「まじで?!行く!」
映画に一人で行くのはいい。
そんなのは簡単だ。
でも……この作品は観た後絶対誰かと語りたくなる!
だから一人で行くのを躊躇っていたのだ。
凛が一緒に行ってくれるなら大歓迎だ!
「映画の後感想会しような?」
「勿論だ!くぅー!楽しみすぎる!」
おれは凛のありがたい申し出にテンションが爆上がりすると、鼻歌まじりに収録が始まるのを待った。
13
お気に入りに追加
1,852
あなたにおすすめの小説

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜
・話の流れが遅い
・作者が話の進行悩み過ぎてる

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話
みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。
数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが
五右衛門
BL
月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。
しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──
憤怒のアーティファクト~伝説のおっさん、娘を探すために現役に復帰し無双する~
ゆる弥
ファンタジー
溺愛していた娘は五年前に探索者として家を出た。
毎日無事を祈っていたが、まさかこんな事になるとは。
消息不明になった娘は俺が探し出す。
現役時代、伝説の探索者であったおっさんの愛娘を捜索する旅が始まる。

異世界転移して戻ってきたけど、疲れきったおじさんになっちゃった元勇者が子連れで再召喚されたら総愛されになってしまった件について
鳥海あおい
BL
勇者「クロエ」として異世界転移し、任を終えて普通に暮らしていた黒江光太郎はバツイチ、ブラック企業勤務、父子家庭。育児に家事疲れで、すっかり疲れ切ったおじさんになっていた。
だがそんなある日息子の律と再召喚される。
勇者として!ではなく、異世界でかつて魔王を倒したクロエはなんとアイドル的存在になっていたうえに、パーティーのメンバーから総愛されの逆ハーレム状態になってしまう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる