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君最!シリーズ日常編
敦士編②
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「凛さん……人にも犬にもモテすぎです」
そう言うと、スマホで犬と戯れ合うおれの写真を撮ってくれる。
……あれ、何枚撮るの?
撮りすぎじゃね?
「可愛すぎるのが悪いんですよ」
「まあ、確かにかわいいな!」
「いや、犬もですけど主に凛さんが……」
「おれ?!」
こんな天使たちを前に、なんてことを言うんだ敦士!
そんな会話をしていると、スタッフさんの一人が近づいてきてお二人で写真をお取りしましょうか?と聞いてくれる。
おれは二つ返事で頷くと、二人で犬を抱っこして写真に収まる。
うん、犬もおれたちも良い笑顔だ。
「敦士、この写真いる?」
「送ってもらえますか?」
「オーケー」
おれは敦士に写真を送ると、敦士は真剣な顔をして写真を眺めている。
「……凛さん」
「あれ?写真気に入らない?もう一回撮ってもらう?」
「いえ、そうじゃなくて……この写真、スマホの壁紙にしていいですか?」
「へ?あ、ああ、いいけど……なら、犬とお前だけで撮ってやろうか?」
「いや!これがいいんです!」
敦士はそう言うと、素早くスマホの壁紙にした。
よく分からんけど、楽しそうだからいいか。
おれは、ジャレついてきたポメラニアンを抱きかかえると、よしよしと撫でる。
ああ、可愛い。
可愛すぎる。
癒されすぎる。
「はあ、めちゃくちゃ癒されますね」
「本当だな!」
敦士の言葉に頷くと、敦士は真剣な表情で写真を撮っている。
いや、だから撮りすぎじゃね?
「天使と天使のコラボレーションの破壊力と言ったら……」
いやいや、何言ってるの敦士大丈夫?
おれは、普段見ることのできない敦士のはっちゃけた姿に思わず笑いが込み上げる。
「敦士でもこうやって、はしゃぐことがあるんだな!」
おれの言葉に敦士は目を丸くした。
「おれだって人間ですからね。プライベートの時間はそれなりに気を抜きますよ」
なんだか敦士の素に触れたみたいで、おれはちょっと嬉しくなる。
「なんか、敦士の別の一面見えたみたいで嬉しい」
「……凛さん」
心なしか敦士の頬が赤い。
「狡いです、可愛すぎます……」
いやいや、今の言葉のどこにかわいい要素があるんだよ。
可愛い犬たちに囲まれて感覚おかしくなったんじゃないの?
おれは苦笑いをすると抱いているポメラニアンに話しかける。
「このお兄ちゃん変な事言ってまちゅねー」
すると、敦士も抱いていたチワワに向かって話しかけた。
「このお兄ちゃんが無自覚なのが悪いんでしゅよねー」
無自覚って。
何に対して無自覚だって言うんだ。
おれたちは満足いくまで犬と触れ合った後、園内併設のドッグカフェへ向かう。
猫カフェと迷ったが、今回は犬にした。
さっき触れ合ったワンちゃんたちが可愛すぎたからだ。
おれたちはそれぞれ飲み物とフードと犬用おやつを頼むと、お気に入りの子達を膝に乗せて撫でる。
おれは頭を撫でながら、犬用おやつの鳥ささみを小さくちぎってあげた。
ハグハグと食べる豆柴ちゃんの可愛い事!
敦士の膝の上にはポメラニアンが乗っている。
同じようにおやつをあげるとその顔を敦士に擦り寄せた。
ああ、幸せだ……。
「敦士、ポメラニアン好きなの?」
おれが何気なく聞くと、敦士が一瞬頬を染める。
「えと……この子、なんだか凛さんに似てるような気がして……」
確かに毛色とか似てるな。
敦士の膝の上のポメラニアンは、それを知ってか知らずか小さく欠伸をした。
おれたちはカフェでゆっくりとした時間を過ごすと、そろそろ閉園時間になった。
「今日はありがとな!めっちゃ楽しかった!」
おれは、敦士の車に乗り込むと、大満足でそう言う。
「いえ、おれこそ楽しかったです」
「動物って可愛いとは思ってたけど、実際触れ合うとヤバいくらい可愛いのな」
おれの言葉に、敦士は嬉しそうに目を細める。
「はい。その……もし良ければまたドッグカフェとか猫カフェ行きませんか」
「え!また一緒に行ってくれるの?!サンキュー!」
おれが喜ぶと、敦士は少し笑っておれの手を取る。
「はい、是非」
そういって、まるで王子様がお姫様にやるように、おれの指先にそっと口付けた。
おれは思わず顔を赤くすると、敦士は少し笑う。
そのまま帰りの車の中も、おれはずっと手を取られ繋いだまま帰ったのは……秘密の話。
そう言うと、スマホで犬と戯れ合うおれの写真を撮ってくれる。
……あれ、何枚撮るの?
撮りすぎじゃね?
「可愛すぎるのが悪いんですよ」
「まあ、確かにかわいいな!」
「いや、犬もですけど主に凛さんが……」
「おれ?!」
こんな天使たちを前に、なんてことを言うんだ敦士!
そんな会話をしていると、スタッフさんの一人が近づいてきてお二人で写真をお取りしましょうか?と聞いてくれる。
おれは二つ返事で頷くと、二人で犬を抱っこして写真に収まる。
うん、犬もおれたちも良い笑顔だ。
「敦士、この写真いる?」
「送ってもらえますか?」
「オーケー」
おれは敦士に写真を送ると、敦士は真剣な顔をして写真を眺めている。
「……凛さん」
「あれ?写真気に入らない?もう一回撮ってもらう?」
「いえ、そうじゃなくて……この写真、スマホの壁紙にしていいですか?」
「へ?あ、ああ、いいけど……なら、犬とお前だけで撮ってやろうか?」
「いや!これがいいんです!」
敦士はそう言うと、素早くスマホの壁紙にした。
よく分からんけど、楽しそうだからいいか。
おれは、ジャレついてきたポメラニアンを抱きかかえると、よしよしと撫でる。
ああ、可愛い。
可愛すぎる。
癒されすぎる。
「はあ、めちゃくちゃ癒されますね」
「本当だな!」
敦士の言葉に頷くと、敦士は真剣な表情で写真を撮っている。
いや、だから撮りすぎじゃね?
「天使と天使のコラボレーションの破壊力と言ったら……」
いやいや、何言ってるの敦士大丈夫?
おれは、普段見ることのできない敦士のはっちゃけた姿に思わず笑いが込み上げる。
「敦士でもこうやって、はしゃぐことがあるんだな!」
おれの言葉に敦士は目を丸くした。
「おれだって人間ですからね。プライベートの時間はそれなりに気を抜きますよ」
なんだか敦士の素に触れたみたいで、おれはちょっと嬉しくなる。
「なんか、敦士の別の一面見えたみたいで嬉しい」
「……凛さん」
心なしか敦士の頬が赤い。
「狡いです、可愛すぎます……」
いやいや、今の言葉のどこにかわいい要素があるんだよ。
可愛い犬たちに囲まれて感覚おかしくなったんじゃないの?
おれは苦笑いをすると抱いているポメラニアンに話しかける。
「このお兄ちゃん変な事言ってまちゅねー」
すると、敦士も抱いていたチワワに向かって話しかけた。
「このお兄ちゃんが無自覚なのが悪いんでしゅよねー」
無自覚って。
何に対して無自覚だって言うんだ。
おれたちは満足いくまで犬と触れ合った後、園内併設のドッグカフェへ向かう。
猫カフェと迷ったが、今回は犬にした。
さっき触れ合ったワンちゃんたちが可愛すぎたからだ。
おれたちはそれぞれ飲み物とフードと犬用おやつを頼むと、お気に入りの子達を膝に乗せて撫でる。
おれは頭を撫でながら、犬用おやつの鳥ささみを小さくちぎってあげた。
ハグハグと食べる豆柴ちゃんの可愛い事!
敦士の膝の上にはポメラニアンが乗っている。
同じようにおやつをあげるとその顔を敦士に擦り寄せた。
ああ、幸せだ……。
「敦士、ポメラニアン好きなの?」
おれが何気なく聞くと、敦士が一瞬頬を染める。
「えと……この子、なんだか凛さんに似てるような気がして……」
確かに毛色とか似てるな。
敦士の膝の上のポメラニアンは、それを知ってか知らずか小さく欠伸をした。
おれたちはカフェでゆっくりとした時間を過ごすと、そろそろ閉園時間になった。
「今日はありがとな!めっちゃ楽しかった!」
おれは、敦士の車に乗り込むと、大満足でそう言う。
「いえ、おれこそ楽しかったです」
「動物って可愛いとは思ってたけど、実際触れ合うとヤバいくらい可愛いのな」
おれの言葉に、敦士は嬉しそうに目を細める。
「はい。その……もし良ければまたドッグカフェとか猫カフェ行きませんか」
「え!また一緒に行ってくれるの?!サンキュー!」
おれが喜ぶと、敦士は少し笑っておれの手を取る。
「はい、是非」
そういって、まるで王子様がお姫様にやるように、おれの指先にそっと口付けた。
おれは思わず顔を赤くすると、敦士は少し笑う。
そのまま帰りの車の中も、おれはずっと手を取られ繋いだまま帰ったのは……秘密の話。
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