転生したらBLゲームの攻略キャラになってたんですけど!

朝比奈歩

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君最!シリーズ日常編

清十郎編②

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「さあ、焼けたぞ」
「ピザも焼けた!」
おれたちはテラス席に座ると、湖畔に沈む夕日を眺めながら食事を開始した。
「清十郎、ワイン飲む?」
「そうだな、少し貰おうか」
おれたちは互いのグラスにワインを注ぐと、乾杯をする。
うん、美味い。
肉も野菜もピザもワインも全部美味い!
ロケーションも良いんだろうな。
おれはほろ酔いになると、いい感じに焼けた肉を頬張る。
うん、清十郎肉焼くの天才。
幸せに目尻が緩むのを感じる。
ふと隣を見れば、清十郎が笑いながらこちらを見ていた。
「……気に入ってもらえたか?」
「めちゃくちゃ気に入った!」
おれがそう言うと、清十郎は嬉しそうに微笑んでワインを傾けた。
ワインっていうと一哉のイメージがあるけど、清十郎も似合う。
ていうか、イケメンは何しても似合うんだよな……。
おれたちは腹一杯食事をすると、さっと後片付けをし、テラスのリクライニングソファに寝転がる。
このソファは所謂カップルシートのように二人掛けになっていて、二人で寝そべって夜空を眺めることができるようになっていた。
おれたちは並んで満天の星空を見上げる。
うっわー……めちゃくちゃ綺麗……。
おれは星空が見やすいよう部屋の電気を消したため、薄暗い中隣の清十郎を見つめた。
うん、暗闇でもイケメンだ。
不意に清十郎がこちらを見る。
「……?なんだ?」
「いや、相変わらずイケメンだなーって思って」
おれがそう言うと、清十郎は吐息だけで笑う。
そんな仕草も色っぽく見えるから不思議だ。
清十郎は腕を伸ばし、おれを腕枕すると顔を寄せる。
「おまえはかわいいな」
「何度も言うけど、おれそんな可愛く無いと思う」
「いいんだ。お前がどう思おうと、おれがそう思ってるんだから」
そう言うと、その唇をおれの額に寄せる。
清十郎の吐息が顔にかかってくすぐったい。
おれは清十郎を見つめると、清十郎もおれを見つめている。
不意に視線が絡み、清十郎の顔がおれに近づくと、突如として清十郎がその動きを止める。
その直後、おれにもその理由がわかった。
隣のコテージから声が聞こえるのだ。
その、真っ最中の声が。
いや、コテージ同士それなりに距離は離れてると思うのに、これだけ聞こえると言うことは……おそらくおれたちと同じ状況……つまりテラスでいたしているということだ。
清十郎は眉を顰めると、近づけていた顔を離す。
「……せっかくの星空だが……ここはその……あまりロケーションが良く無いな」
「ん……そうだな。部屋に入ろう」
おれたちはすごすごと部屋に入ると、サッとシャワーを浴びる。
キャンプに来てるのにこんな綺麗なシャワーを浴びられるなんて、最近の施設はすごいなぁ。
おれは髪を拭きながらシャワーを出ると、珍しく清十郎がソファでうたた寝をしていた。
運転が疲れたのかな。
良い機会だから、おれはマジマジと清十郎の男前な顔を見つめる。
……鼻筋綺麗に通ってるな!
眉毛も凛々しい!
少し開いた唇はめっちゃ色っぽい……!
おれは清十郎が寝ているのをいいことに、イケメンを観察しまくる。
と、不意に背中に手を回され抱き寄せられると、おれはドサリと清十郎の腕の中に倒れ込んだ。
「うっわ!」
「……おれの寝顔は満足に見えたか?」
珍しく、清十郎が意地悪そうな笑顔でおれを見る。
「お、起きてたのかよ!」
「途中からな」
清十郎はそう言って笑うと、おれの頬にキスを落とす。
「起きてたなら言えよ!」
「真剣におれを見てる凛が可愛くてな」
フッと笑うと、清十郎はおれを腕の中から解放する。
「あんまりかわいいことしてると、狼に食べられるぞ」
「お、狼って誰だよ!」
「おれだな」
そう言って笑うと、清十郎はシャワーへと消えてゆく。
し、心臓に悪い。
当然のことながら、その日もシャワーを出た清十郎に、まるで抱き枕かのように抱きすくめられて寝たのは内緒だ。
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