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脅迫状パニック!
脅迫状パニック!⑱-1
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今日はドラマ撮影の最終日。
いよいよ拓海さんとのベッドシーンの撮影がある。
おれは口から心臓が飛び出しそうなほどドキドキと緊張しながら出番を待った。
「……凛君、緊張してる?」
「め……めちゃくちゃしてます……」
「はは、まあそうだよね。普通、男が男に組み敷かれるなんて無いもんなぁ」
「ーーと、いうか。男女関係なくそういう経験がないので……」
「えっ?」
なんか、緊張のあまりいらん事を言った気がするが、言ってしまったものは取り消せない。
おれはシャツ一枚の上に羽織っているパーカーの前を合わせると、ポカンとしている拓海さんを見上げる。
「ーーお、おかしいですか?」
「い、いや……。ちょっと意外ではあったけど」
拓海さんは照れたようにそう言うと、おれを見下ろす。
てか、背が高い。
同じく薄着の拓海さんを見ると、その鍛えられた肉体に惚れ惚れする。
スタイルまで色気がある……。
「はい、じゃあ久我さんとLINさんスタンバイお願いします」
スタッフの声に、おれは思わずビクッと身体を固める。
「凛くん、大丈夫。おれがリードするから、おれに任せて」
拓海さんはおれの耳元でそう囁くと、その色気のある笑みを深くする。
くっ……美声が耳にくる……。
おれは腰が砕けそうになると、拓海さんはクスリと笑った。
おれはすでにヘロヘロになりながら、着ていたパーカーを脱いでベッドに腰を下ろす。
拓海さんはおれの上に覆い被さるように四つんばいになった。
拓海さんの端正な顔が目の前にある。
そういえば、この人おれのこと好きなんだよな……。
おれは口から飛び出しそうな心臓を無理矢理唾と一緒に飲み込むと、深呼吸をした。
「……では、シーン158……スタート!」
『……瑞樹……』
『橘堂さん……』
『ーー春人。春人って呼んでくれないか』
『はる、とさん……』
おれの言葉に、堪らなくなったと言った表情で、春人がおれに口付ける。
ねっとりと舌がおれの口内へ侵入し、激しく歯列をなぞる。
「……っん」
思わず演技じゃなくて声が出た。
さすがリードすると言っただけあって、キスが上手い……。
『瑞樹……っ』
そのまま春人はおれのシャツのボタンを器用にスルスルと外すと、あっという間にシャツを脱がせた。
おれの耳朶を甘噛みし、首筋に舌を這わせる。
「……っあ……」
またも台詞ではない声が漏れる。
おれはぞくりと背中に甘い電流が走るのを感じた。
『瑞樹……愛してる』
そう言って春人は鎖骨から胸元にキスを降らせる。
「……はい、カット!!」
カットがかかり、拓海さんが起き上がる。
心なしか拓海さんの顔が赤い。
「……凛君……色っぽすぎるよ……」
口元を押さえてそう言う拓海さんだが、それあなたが言います?
あなたのエロい触り方で声が出ちゃうだけなんですけど……。
「じゃあそのまま引き続きシーン159いきます」
拓海さんはその声に自分の着ていたシャツを脱ぎ、ベッドのシーツを捲る。
うわ、やっぱり脱いでも凄いんですね……。
「ほら、凛君」
おれはベッドの中に促され、上半身裸の状態でベッドで組み敷かれる。
二人とも下半身は勿論服を着ているが、シーン的には一糸纏わぬ姿の設定だ。
「では、シーン159……スタート!」
『瑞樹……っ』
春人は何度も何度も唇を重ねて、口内を貪るようにキスをする。
身体中を撫で、その唇を這わせた。
「…っは…あ…」
そのまま、布団の中でおれの足を抱えると、服を着たままのおれの下半身と自分の下半身を重ね合わせた。
ーー?!
拓海さんのものが立ち上がっているのが、服の上からでもわかる。
おれは思わずピクリと身体を硬直させると、拓海さんを見上げた。
拓海さんーー春人は熱に浮かされたような瞳でおれを見下ろしている。
『瑞樹、力を抜いて』
『あ……春人さ……』
ゴリ、と拓海さんの固く立ち上がったものが、おれの臀部に押しつけられる。
「……っ!」
『瑞樹…っ……瑞樹!』
拓海さんはおれの臀部に自分のものを押し付けたまま、ゆさゆさと腰を揺さぶる。
『……っあ……はぁ…っあ…』
『瑞樹っ……愛してる…っ』
『春人さ……おれも…っ』
「………はい!カット!」
ーー。
カットがかかったのに、拓海さんがおれの上から動かない。
ていうか、この状況では動けないか……。
「すまない、凛君…ちょっとだけ待って……」
「あ……はい」
監督も事態を把握したようで、苦笑しながら見守っている。
「……ふーっ。うん……ごめん、大丈夫だ」
そう言うと、拓海さんは漸くおれの上から退いた。
いよいよ拓海さんとのベッドシーンの撮影がある。
おれは口から心臓が飛び出しそうなほどドキドキと緊張しながら出番を待った。
「……凛君、緊張してる?」
「め……めちゃくちゃしてます……」
「はは、まあそうだよね。普通、男が男に組み敷かれるなんて無いもんなぁ」
「ーーと、いうか。男女関係なくそういう経験がないので……」
「えっ?」
なんか、緊張のあまりいらん事を言った気がするが、言ってしまったものは取り消せない。
おれはシャツ一枚の上に羽織っているパーカーの前を合わせると、ポカンとしている拓海さんを見上げる。
「ーーお、おかしいですか?」
「い、いや……。ちょっと意外ではあったけど」
拓海さんは照れたようにそう言うと、おれを見下ろす。
てか、背が高い。
同じく薄着の拓海さんを見ると、その鍛えられた肉体に惚れ惚れする。
スタイルまで色気がある……。
「はい、じゃあ久我さんとLINさんスタンバイお願いします」
スタッフの声に、おれは思わずビクッと身体を固める。
「凛くん、大丈夫。おれがリードするから、おれに任せて」
拓海さんはおれの耳元でそう囁くと、その色気のある笑みを深くする。
くっ……美声が耳にくる……。
おれは腰が砕けそうになると、拓海さんはクスリと笑った。
おれはすでにヘロヘロになりながら、着ていたパーカーを脱いでベッドに腰を下ろす。
拓海さんはおれの上に覆い被さるように四つんばいになった。
拓海さんの端正な顔が目の前にある。
そういえば、この人おれのこと好きなんだよな……。
おれは口から飛び出しそうな心臓を無理矢理唾と一緒に飲み込むと、深呼吸をした。
「……では、シーン158……スタート!」
『……瑞樹……』
『橘堂さん……』
『ーー春人。春人って呼んでくれないか』
『はる、とさん……』
おれの言葉に、堪らなくなったと言った表情で、春人がおれに口付ける。
ねっとりと舌がおれの口内へ侵入し、激しく歯列をなぞる。
「……っん」
思わず演技じゃなくて声が出た。
さすがリードすると言っただけあって、キスが上手い……。
『瑞樹……っ』
そのまま春人はおれのシャツのボタンを器用にスルスルと外すと、あっという間にシャツを脱がせた。
おれの耳朶を甘噛みし、首筋に舌を這わせる。
「……っあ……」
またも台詞ではない声が漏れる。
おれはぞくりと背中に甘い電流が走るのを感じた。
『瑞樹……愛してる』
そう言って春人は鎖骨から胸元にキスを降らせる。
「……はい、カット!!」
カットがかかり、拓海さんが起き上がる。
心なしか拓海さんの顔が赤い。
「……凛君……色っぽすぎるよ……」
口元を押さえてそう言う拓海さんだが、それあなたが言います?
あなたのエロい触り方で声が出ちゃうだけなんですけど……。
「じゃあそのまま引き続きシーン159いきます」
拓海さんはその声に自分の着ていたシャツを脱ぎ、ベッドのシーツを捲る。
うわ、やっぱり脱いでも凄いんですね……。
「ほら、凛君」
おれはベッドの中に促され、上半身裸の状態でベッドで組み敷かれる。
二人とも下半身は勿論服を着ているが、シーン的には一糸纏わぬ姿の設定だ。
「では、シーン159……スタート!」
『瑞樹……っ』
春人は何度も何度も唇を重ねて、口内を貪るようにキスをする。
身体中を撫で、その唇を這わせた。
「…っは…あ…」
そのまま、布団の中でおれの足を抱えると、服を着たままのおれの下半身と自分の下半身を重ね合わせた。
ーー?!
拓海さんのものが立ち上がっているのが、服の上からでもわかる。
おれは思わずピクリと身体を硬直させると、拓海さんを見上げた。
拓海さんーー春人は熱に浮かされたような瞳でおれを見下ろしている。
『瑞樹、力を抜いて』
『あ……春人さ……』
ゴリ、と拓海さんの固く立ち上がったものが、おれの臀部に押しつけられる。
「……っ!」
『瑞樹…っ……瑞樹!』
拓海さんはおれの臀部に自分のものを押し付けたまま、ゆさゆさと腰を揺さぶる。
『……っあ……はぁ…っあ…』
『瑞樹っ……愛してる…っ』
『春人さ……おれも…っ』
「………はい!カット!」
ーー。
カットがかかったのに、拓海さんがおれの上から動かない。
ていうか、この状況では動けないか……。
「すまない、凛君…ちょっとだけ待って……」
「あ……はい」
監督も事態を把握したようで、苦笑しながら見守っている。
「……ふーっ。うん……ごめん、大丈夫だ」
そう言うと、拓海さんは漸くおれの上から退いた。
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