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脅迫状パニック!
脅迫状パニック!⑧-2
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おれは目を瞑って冷やしながら天井を向くと、歌を口ずさむ。
『出会った頃は
こんな風に君のことを想うなんて思わなかった
いつのまにか
ぼくの心の一番深い部分に君が入り込んでいたよ
君の笑顔が
君の笑い声が
ぼくを幸せにする
君の瞳が
君の吐息がぼくを人間にする
たった一人のぼくの大切な君』
「………誰かを想って書いた詩か?」
清十郎の言葉に、おれは少し笑う。
「いや、好きな人ができたらこんな感じなのかなって思って書いた歌」
ーー正確には、おれが最推しの西園寺凛に向けて書いた歌だけどな!
「凛にそんな風に想われるのって、誰なんだろうね」
優の言葉に、おれは苦笑いをする。
「……どうだろうな。正直、今彼女とか欲しいと思ったことない」
こんなイケメンに囲まれて、おれ自身イケメンに生まれて、もうそれだけで大満足なんですよね。
それに、このメンバーより好きになれる女の子って、相当好きにならないと無理なんじゃないかな……。
う、おれ根っからの腐男子……。
「おれ、皆と居られる今が一番楽しいんだよなあ」
おれの言葉に皆の時が止まったように、シンと部屋が静まり返る。
え、なんかおれ間違えた?
まさか、皆はもう彼女とかいて、こんな事思ってるのおれだけだったりするの?
え、だとしたら死ぬ程恥ずかしいんですけど!
そういややたらとキスも上手かったし、彼女の一人や二人(……はまずいか)は居てもおかしくないよね?
こいつ、彼女も作らないで男友達と連んで楽しいとかガキか!って思われてたりする?!
おれは恐る恐るアイスノンの下から皆の様子を伺う。
皆それぞれ下を向いたり、上を向いたり、口を押さえたり、額を抑えたり、頭を抱えたりしている。
これは、どう解釈したら良いんだ!
おれは、何も気が付かなかった事にして、この話題を打ち切る事にした。
「さ、さっきの歌だけどさ。今度のドラマの挿入歌なんだ。それで書き下ろした」
「……へえ、そうなんだ」
よし、話は逸れたな。
主題歌のhappinessは作者が書き下ろした歌だけど、挿入歌は二曲共おれが書き下ろしてるのだ。
「でもまあAshurA名義じゃないからレコード化はされないんだよなー」
「え?happinessは?」
「わかんない」
まあ、もしかしたらA面happiness、B面挿入歌二曲とかで配信されたりはするかもしれないけど……。
「わかんないって…勿体なくない?」
「んー……おれさ、音楽活動はAshurAありきで考えてるから……ソロ活動とかあんまり考えてないんだよな」
「……」
「……」
「……」
「……」
「え、なにこの間?!」
おれ、今のに関しては変なこと言ってないよな?
「あー…一番ソロ活動でも出来そうなやつがそれを言うかー!」
「え?!」
「あのね、凛。AshurAの正真正銘エースはおまえなの。歌もダンスも抜群。作詞作曲もできる」
「ハッキリ言って、おれは歳をとればダンスは今のクオリティを保つのは難しくなる。しかし、おまえのヴォーカルは違うだろう?」
「おれのラップだって、メインヴォーカルあってこそで、ラップだけじゃなかなか厳しいのよー?」
「おれのダンスだって清十郎と同じだよ」
え、あれ?
皆そんなこと思ってたの?
おれはあまりの事にポカンとしてしまった。
「だってさ……優だって作曲も編曲も出来るじゃん?優の編曲無しじゃ曲は成り立たないよ。清十郎のダンスだって、マイケル・ジャクソンの年齢まで後何年ある?まだまだ全然先じゃん?翔太のラップだって、今ドンドンきてるじゃん!その中でピカイチの実力なんだから自信持てよ!一哉はもう誰が見たって王子様のダンスにモデル、二足の草鞋履きこなしてるじゃん?おれが一人で大丈夫なんてそんなこと言うなよ。おれはずっとこのメンバーでやっていきたいよ」
おれは一気に言いたいことを言い切ると、ふうと息をついた。
「おまえって本当……」
「天性のたらしだな」
「たらしって言うな!」
「違うのかよ」
「全然ちがう!おれはな、おまえたち全員のファン一号なんだよ!誰よりも、どのファンよりもおれはおまえたちが好きなんだよ!」
クソ恥ずかしいセリフだけど、言ってやった。
言われた方も恥ずかしいと見えて、皆後ろを向いて顔を隠している。
へん、ざまあみろ。
おれのこと除け者にしようとするからだ。
言っておくけどな、おれは前世からおまえたちのファンなんだからな!
古参なめんな!
「……っふ!ふははは」
突如、敦士が笑い出す。
「さすが、凛さん!その言い切りっぷり、凄いです!」
「……ふっ」
「……っはは」
「あはっ」
「にゃはっ!」
敦士につられて、皆が笑い出す。
そう、この空間がおれは好きなんだ。
だから……脅迫犯がこの空間を壊すのだとしたら、おれはそれを許さない。
断固として立ち向かって見せる。
おれは、拳を握りしめると、強く決意をした。
脅迫犯なんかに、おれは、負けない!
『出会った頃は
こんな風に君のことを想うなんて思わなかった
いつのまにか
ぼくの心の一番深い部分に君が入り込んでいたよ
君の笑顔が
君の笑い声が
ぼくを幸せにする
君の瞳が
君の吐息がぼくを人間にする
たった一人のぼくの大切な君』
「………誰かを想って書いた詩か?」
清十郎の言葉に、おれは少し笑う。
「いや、好きな人ができたらこんな感じなのかなって思って書いた歌」
ーー正確には、おれが最推しの西園寺凛に向けて書いた歌だけどな!
「凛にそんな風に想われるのって、誰なんだろうね」
優の言葉に、おれは苦笑いをする。
「……どうだろうな。正直、今彼女とか欲しいと思ったことない」
こんなイケメンに囲まれて、おれ自身イケメンに生まれて、もうそれだけで大満足なんですよね。
それに、このメンバーより好きになれる女の子って、相当好きにならないと無理なんじゃないかな……。
う、おれ根っからの腐男子……。
「おれ、皆と居られる今が一番楽しいんだよなあ」
おれの言葉に皆の時が止まったように、シンと部屋が静まり返る。
え、なんかおれ間違えた?
まさか、皆はもう彼女とかいて、こんな事思ってるのおれだけだったりするの?
え、だとしたら死ぬ程恥ずかしいんですけど!
そういややたらとキスも上手かったし、彼女の一人や二人(……はまずいか)は居てもおかしくないよね?
こいつ、彼女も作らないで男友達と連んで楽しいとかガキか!って思われてたりする?!
おれは恐る恐るアイスノンの下から皆の様子を伺う。
皆それぞれ下を向いたり、上を向いたり、口を押さえたり、額を抑えたり、頭を抱えたりしている。
これは、どう解釈したら良いんだ!
おれは、何も気が付かなかった事にして、この話題を打ち切る事にした。
「さ、さっきの歌だけどさ。今度のドラマの挿入歌なんだ。それで書き下ろした」
「……へえ、そうなんだ」
よし、話は逸れたな。
主題歌のhappinessは作者が書き下ろした歌だけど、挿入歌は二曲共おれが書き下ろしてるのだ。
「でもまあAshurA名義じゃないからレコード化はされないんだよなー」
「え?happinessは?」
「わかんない」
まあ、もしかしたらA面happiness、B面挿入歌二曲とかで配信されたりはするかもしれないけど……。
「わかんないって…勿体なくない?」
「んー……おれさ、音楽活動はAshurAありきで考えてるから……ソロ活動とかあんまり考えてないんだよな」
「……」
「……」
「……」
「……」
「え、なにこの間?!」
おれ、今のに関しては変なこと言ってないよな?
「あー…一番ソロ活動でも出来そうなやつがそれを言うかー!」
「え?!」
「あのね、凛。AshurAの正真正銘エースはおまえなの。歌もダンスも抜群。作詞作曲もできる」
「ハッキリ言って、おれは歳をとればダンスは今のクオリティを保つのは難しくなる。しかし、おまえのヴォーカルは違うだろう?」
「おれのラップだって、メインヴォーカルあってこそで、ラップだけじゃなかなか厳しいのよー?」
「おれのダンスだって清十郎と同じだよ」
え、あれ?
皆そんなこと思ってたの?
おれはあまりの事にポカンとしてしまった。
「だってさ……優だって作曲も編曲も出来るじゃん?優の編曲無しじゃ曲は成り立たないよ。清十郎のダンスだって、マイケル・ジャクソンの年齢まで後何年ある?まだまだ全然先じゃん?翔太のラップだって、今ドンドンきてるじゃん!その中でピカイチの実力なんだから自信持てよ!一哉はもう誰が見たって王子様のダンスにモデル、二足の草鞋履きこなしてるじゃん?おれが一人で大丈夫なんてそんなこと言うなよ。おれはずっとこのメンバーでやっていきたいよ」
おれは一気に言いたいことを言い切ると、ふうと息をついた。
「おまえって本当……」
「天性のたらしだな」
「たらしって言うな!」
「違うのかよ」
「全然ちがう!おれはな、おまえたち全員のファン一号なんだよ!誰よりも、どのファンよりもおれはおまえたちが好きなんだよ!」
クソ恥ずかしいセリフだけど、言ってやった。
言われた方も恥ずかしいと見えて、皆後ろを向いて顔を隠している。
へん、ざまあみろ。
おれのこと除け者にしようとするからだ。
言っておくけどな、おれは前世からおまえたちのファンなんだからな!
古参なめんな!
「……っふ!ふははは」
突如、敦士が笑い出す。
「さすが、凛さん!その言い切りっぷり、凄いです!」
「……ふっ」
「……っはは」
「あはっ」
「にゃはっ!」
敦士につられて、皆が笑い出す。
そう、この空間がおれは好きなんだ。
だから……脅迫犯がこの空間を壊すのだとしたら、おれはそれを許さない。
断固として立ち向かって見せる。
おれは、拳を握りしめると、強く決意をした。
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