ぼくと、猫のいたずら ―きゃっちみー・いふゆーにゃん！🐾―

家に帰るぼく

　ふう。
　家の近所で足を止めた。だいぶ走ったからもう大丈夫なはず。それにしても四本足って早く走れていいな。運動会でも一番になったりして。
　でも。

　不安になった。このまま戻れなかったらどうしよう。そしたら宿題どころじゃない。遊んだり給食食べたりできない。
　うう。心細くなってきた。

　涙が出そうになったけど「ぐう」とお腹が鳴って、ぼくは「にゃ」と鳴いた。
　ひとまず家に帰ろう。なにか食べたら元気も出て、いい考えが浮かぶかも。

　切り替えがはやいのがぼくのいいところ。

　とてとて、と家まで走った。
　庭からリビングの窓にまわる。お母さんがぼくに気づいて、近寄ってくる。
「あら、かわいい猫ちゃん」
「にゃ」
　お母さん！たすけて！
　ふみ出した足がとまる。