1 / 12
おいかけるぼく
しおりを挟む
「かえして! かえしてよ!!」
ぼくの声なんか聞こえやしない、って感じで真っ白な猫が通学路を走っていく。
二本足で、ぼくの宿題を持って。
ぼくはひっしで追いかける。
明日から夏休み!
ぼくは朝顔の鉢も、引き出しの中の荷物も持ち帰って、今日は軽い荷物ですむはずだった。
いつも長い休み前はうんうん言いながらたくさんの荷物を持って帰る。イヤだなーと思ってたらこのあいだ、いい考えが浮かんだ。
まとめてじゃなくて、ちょっとずつ運べばいいんだ!
隣の席の木村君にも話したら「いいな!おれもやる!」と言われた。おまけの話だけど、ぼくは家ではぼくって言うけど学校では「おれ」って言う。木村君もそう。「おれ」って言うと強くなった気がする。
「健太、天才じゃん?」と言われて浮かれてたら、後ろの席の佐藤さんに「当たり前じゃない、私いつもそうしてるわ」なんて言うから気分がしらけた。佐藤さんはいつも頭いいですって感じですましてる。実際頭良くてテストで勝てたことがない。
でも、そんな言い方しなくてもいいのにな。
とにかく。
終業式は身軽なはずで、うきうきしてたんだけど帰る前に先生が宿題をまとめて渡してきた。バラバラに渡すとなくす子がいるからまとめたんだって。チェックシートまである。
うげー。
軽いけど気が重い。
そんで、帰り道で木村君と文句言いながらいつもの角で別れたらすぐ、なにかがぶつかってきた。
「わっ!」
ランドセルが地面に転がって中身がちらばる。ぼくはあわてて教科書を拾おうとして、宿題を取り上げる猫の手に気づいた。
しかも二本足で立っている!ギョッとした。
で、今追いかけてるってわけ。
ぼくの声なんか聞こえやしない、って感じで真っ白な猫が通学路を走っていく。
二本足で、ぼくの宿題を持って。
ぼくはひっしで追いかける。
明日から夏休み!
ぼくは朝顔の鉢も、引き出しの中の荷物も持ち帰って、今日は軽い荷物ですむはずだった。
いつも長い休み前はうんうん言いながらたくさんの荷物を持って帰る。イヤだなーと思ってたらこのあいだ、いい考えが浮かんだ。
まとめてじゃなくて、ちょっとずつ運べばいいんだ!
隣の席の木村君にも話したら「いいな!おれもやる!」と言われた。おまけの話だけど、ぼくは家ではぼくって言うけど学校では「おれ」って言う。木村君もそう。「おれ」って言うと強くなった気がする。
「健太、天才じゃん?」と言われて浮かれてたら、後ろの席の佐藤さんに「当たり前じゃない、私いつもそうしてるわ」なんて言うから気分がしらけた。佐藤さんはいつも頭いいですって感じですましてる。実際頭良くてテストで勝てたことがない。
でも、そんな言い方しなくてもいいのにな。
とにかく。
終業式は身軽なはずで、うきうきしてたんだけど帰る前に先生が宿題をまとめて渡してきた。バラバラに渡すとなくす子がいるからまとめたんだって。チェックシートまである。
うげー。
軽いけど気が重い。
そんで、帰り道で木村君と文句言いながらいつもの角で別れたらすぐ、なにかがぶつかってきた。
「わっ!」
ランドセルが地面に転がって中身がちらばる。ぼくはあわてて教科書を拾おうとして、宿題を取り上げる猫の手に気づいた。
しかも二本足で立っている!ギョッとした。
で、今追いかけてるってわけ。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
化け猫ミッケと黒い天使
ひろみ透夏
児童書・童話
運命の人と出会える逢生橋――。
そんな言い伝えのある橋の上で、化け猫《ミッケ》が出会ったのは、幽霊やお化けが見える小学五年生の少女《黒崎美玲》。
彼女の家に居候したミッケは、やがて美玲の親友《七海萌》や、内気な級友《蜂谷優斗》、怪奇クラブ部長《綾小路薫》らに巻き込まれて、様々な怪奇現象を体験する。
次々と怪奇現象を解決する《美玲》。しかし《七海萌》の暴走により、取り返しのつかない深刻な事態に……。
そこに現れたのは、妖しい能力を持った青年《四聖進》。彼に出会った事で、物語は急展開していく。
【完結】壺(つぼ)から出てきて さあたいへん | 現代版 河童徳利伝説 | 湘南の昔話
駒良瀬 洋
児童書・童話
小学生の女の子・エリーとユウが体験する、湘南 河童(かっぱ)伝説の現代版。
本作品の元となった「河童徳利(かっぱどっくり)」はテレビアニメ「まんが日本昔ばなし」で放映されたこともあり、全国各地にある河童伝承の中でも特に有名なものです。
【怪奇プロフィール】
◇発祥の地:小出川(旧・間門川)
◇場所:神奈川県茅ヶ崎市および高座郡寒川町
◇関連施設:河童徳利ひろば
イエナリショウヤの事件簿
寝る犬
児童書・童話
小学5年生の藤村詩音(しおん)は、ある日事件に遭遇する。
それを解決したのは、ちょっと変な同級生の男の子だった。
日常の小さな謎を科学の知識で解決する、小学生探偵家成翔哉(しょうや)の事件簿。
ほんのとびら
田古みゆう
児童書・童話
ある問題を解決してほしくて、森でふくろうを探していた、子ザルのもん吉。
そんなもん吉の前に、小さな車に乗って、リスのリーさんが現れた。
物知りなふくろうを探しているのだが、知らないかともん吉が尋ねると、そのふくろうは、リーさんの先生だと言う。
しかし、先生は、年老いてしまったので力になれない。代わりに、自分が力になると、リーさんは言う。
そして彼は、もん吉に、3冊の本を薦めてきた。
しかし、もん吉は、本を全く読んだことがない。
興味がないからと断るが、リーさんは、「絶対に気に入るはずだから」と言い切る。
果たして、もん吉は、本を気にいるのか? そして、問題はリーさんによって解決されるのか?
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
Vicky!
大秦頼太
児童書・童話
時計職人のお爺さんの勘違いで生まれた人形ヴィッキーが、いたずら妖精のおかげで命を持つ。
ヴィッキーはお爺さんの孫娘マーゴットの心を開き、彼女の友だちとなり、人と触れ合う大切さを教えてくれる。
けれどそんなヴィッキーにも悩みがあった。
「どうしたら人間になれるのだろう」と言う悩みが。
知識を詰め込むだけでは何の意味も無い。そこに心が無ければ、学んだことを役に立たせることは出来ない。
そんな思いを込めました。
※海部守は脚本用のPNです。ブログなどですでに公開済みです。脚本形式なので読みにくいかなと思いますが、せっかくなので色んな人に読んでいただきたいと思い公開します。
・ミュージカル版→ロングバージョン。
・ショートバージョン
の2種類があります。登場人物が少し違うのとショートバージョンには歌がほぼありません。ミュージカル版を作るときの素といった感じです。あと指示も書いてないです。
ミューカル版の歌についてはhttps://youtu.be/UPPr4GVl4Fsで聞けますが伴奏なんかはないので参考程度にしかならないと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる