高卒サラリーマンが脱サラして田舎でスローライフするだけの話

高卒サラリーマンである喜多孝文(きたたかふみ)に、昇格のチャンスがやってきた。
ただ前年度の成果発表をするだけではあったが、相手は社長や本部長といった会社の幹部連中。相手が相手なだけに緊張してしまったが、大丈夫だ。準備はしっかりしてきた。ビシっと決めて、昇格してやる!——そう思っていたが。
孝文に待ち受けていたのは、壮絶な理不尽。どう足掻いても、どうしようもない現実だった。
孝文は、ひどく絶望した。自分のやってきたことがたったの数分で無意味と評価されたのだから当然だろう。
そんな茫然自失していた孝文を見かねて上司である清水さんは言う。
「自分のために生きなさい。何かやりたい事があれば、それをやってみろ。そして、可能であればやってみたい事、楽しい事、好きな事を仕事にしろ。そうすれば、辛いことがあっても立ち直れるし、また歩き出せるだろう」
孝文はその言葉に感銘を受け、それを機に仕事を辞めて自分のやりたい事を叶えるために孝文は奔走する。
土地を探し、家を買い、土を耕し、動物を飼ったり……時には恋をして。
これは高卒サラリーマンだった男が脱サラして自分のやりたい事を叶えるために動き出す物語。
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