マギアクエスト!

友坂 悠

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油断。

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 あたしの体の周囲に集まった光の球が一斉に爆発し、周囲に拡散していった。
 そのまま爆散する光の圧力に吹っ飛ばされた三人は、あたしの周りで円を描くように地面に落ちた。

 うん。命を奪うほどの力ではないはず。
 この三人の身体能力の高さなら、きっと防御力もある程度高そうだから。
 このくらいなら。

 そう思いながらもちょっと心配しながら、そうとは見せないように立つあたし。

 周囲をグネんと目ねつける。
 ぐぐ、っとちょっと苦しそうにしながらも、三人とも体を起こそうとしているところを見ると、まだ大丈夫そうだ。
 あたしももういい加減疲れが出てるからこれくらいで終わりにできると嬉しいんだけどな。そんなふうに思って。
 もう完全に、この勝負勝った気で、ちょっと気持ちも緩んで。

「まだやる気?」

 あたしはそう三人に向かって言う。

 完全に挑発も入ってる?
 まあ彼らのやる気がまだ続くのならもう少し頑張らないとなんだけど。

「なぜ、我らにとどめを刺さない」

 正面のソユーズが頭を少しもたげ、苦しそうにそう言った。

 身体強化はしているものの、今の爆裂は流石に体に堪えているようだ。

 本来だったら仲間の回復魔法がすぐに飛んでくるのだろうな。そういう意味でもすごく悔しそうにそう吐き出すソユーズに、あたしは告げた。

「んー。あんたたち殺してもあたしはちっとも嬉しくならないんだもの」

「だからこうしていたぶるだけいたぶる、と? 趣味が悪いな」

「あなたたちがノワールにしたことを考えたら、まだ優しい方だと思うけど?」

「ふん! 俺たちには俺たちの使命がある。遊び半分のお前とは違うのだよ!」

 そういうと、ばっと飛び起き駿動でこちらに迫るソユーズ。

 あらあらまだそんなに元気があったのか。
 というか余計なこと話してる間に回復した!?
 ううん、誰からも魔力の熾りは感知しなかった!
 なんで!


「あんたは! ベラベラ喋りすぎたんだよ!」

「そういうこと!」

 え?

 背後のサイレンとラプラスも急加速でこちらに迫る!?

 避けなきゃ。

 そう思ったあたしの足首が何かにぎゅっと掴まれた。

「ラプラス、離すなよ!」

 嘘! これ、見えざる手? ああ、マナの手、見えざる手だ。

 ソユーズが上段に構える。

 あ、やばい?

 剣に纏ったのは次元魔法。

「次元振動刃!」

 あたしは右手に持ったグラムスレイヤーでソユーズの聖剣を防ぐ。

「もらった!」

 背後からはサイレン。

 ああ、魔力が熾る。
 放たれたのは無数のカマイタチ。
 空間魔法。
 空間そのものを引き裂く魔法。

 あたしのアウラクリムゾンが迎撃に出るも、引き裂かれて。







 マキナ! 

 魂の奥底で、あたしはノワの声を聞いた気がした。
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