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アウラの砲塔。
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(重力魔法はブラドの得意技だったっけ)
ギア・ブラドの化身は厄災竜と呼ばれた黒竜ブラド。彼も確かに漆黒の魔素を自身のエネルギーとしていたからあの魔人と同系統ではあるけれど……
(でも、こんなもの! ブラドには到底及ばないわ!)
魔女エメラであった当時、黒竜ブラドとはよく争った。
人間など歯牙にもかけず、人の街を破壊し尽くす厄災竜であった彼は、大抵の他の使徒とも諍いが絶えなかったというのもあったけれど。
セラフィーナは大気中に浮かぶギア・アウラを呼び、自らの周囲を覆った。
そして、自身のガワにもう一枚アウラのレイヤーを纏う。
あの魔人と同じって言われるのは癪だけど、ちょっと真似させてもらう。
アウラによるもう一枚のレイヤーは、セラフィーナとその世界との境界を微妙にずらす。
それによって、魔人の放つ重力魔法の効果から逃れることに成功した。
(でも、これだけじゃ埒が明かないわね……)
お互いに存在値を少しだけずらすことで、もう物理攻撃を当てることは不可能になった。
鏡に映るようにお互いの姿は見えているけれど、それでもそれは互いにズレて。
「おや? これではもうお遊びはおしまいでしょうか。あなたが逃げてしまうんじゃ、しょうがないですねぇ」
「何よ! あんただってズレてるでしょ?」
「ワタシのこれは元々デスから。そもそもこの世界の存在ではありませんからね」
「ふん、だからって、このまま見逃すわけにもいかないんだから!」
極大魔法を使えば多少の次元のズレとか関係なく彼を屠ることもできなくはない。けれど、今のセラフィーナには不安もある。
(だけど、やらなくっちゃ、ルークヴァルト様を助けに行けない!)
アウラの魔法陣を重ね、伸ばした左手に纏う。
砲塔のようになったその中心に、キュルキュルとマナが落ちていった。
ギア・ブラドの化身は厄災竜と呼ばれた黒竜ブラド。彼も確かに漆黒の魔素を自身のエネルギーとしていたからあの魔人と同系統ではあるけれど……
(でも、こんなもの! ブラドには到底及ばないわ!)
魔女エメラであった当時、黒竜ブラドとはよく争った。
人間など歯牙にもかけず、人の街を破壊し尽くす厄災竜であった彼は、大抵の他の使徒とも諍いが絶えなかったというのもあったけれど。
セラフィーナは大気中に浮かぶギア・アウラを呼び、自らの周囲を覆った。
そして、自身のガワにもう一枚アウラのレイヤーを纏う。
あの魔人と同じって言われるのは癪だけど、ちょっと真似させてもらう。
アウラによるもう一枚のレイヤーは、セラフィーナとその世界との境界を微妙にずらす。
それによって、魔人の放つ重力魔法の効果から逃れることに成功した。
(でも、これだけじゃ埒が明かないわね……)
お互いに存在値を少しだけずらすことで、もう物理攻撃を当てることは不可能になった。
鏡に映るようにお互いの姿は見えているけれど、それでもそれは互いにズレて。
「おや? これではもうお遊びはおしまいでしょうか。あなたが逃げてしまうんじゃ、しょうがないですねぇ」
「何よ! あんただってズレてるでしょ?」
「ワタシのこれは元々デスから。そもそもこの世界の存在ではありませんからね」
「ふん、だからって、このまま見逃すわけにもいかないんだから!」
極大魔法を使えば多少の次元のズレとか関係なく彼を屠ることもできなくはない。けれど、今のセラフィーナには不安もある。
(だけど、やらなくっちゃ、ルークヴァルト様を助けに行けない!)
アウラの魔法陣を重ね、伸ばした左手に纏う。
砲塔のようになったその中心に、キュルキュルとマナが落ちていった。
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