49 / 74
この笑顔がずっと続いてくれたら。
しおりを挟む
「いらっしゃいませ!」
「やぁセレナさん、今日も元気だね」
にっこり微笑みながら来店したのはハントンさん。最近お店に来てくれるようになった常連さんで、商業ギルドの職員さんをしているらしい。
こうしてお昼のお食事の後で食後のデザートの代わりにドーナツと紅茶で一服していってくれるのだ。
秋も深まり、じきに冬も訪れるだろう。お外がちょっぴり寒くなって、あったかい紅茶が美味しい季節になっている。
ミルクをたっぷり入れたホットミルクティーと、生クリームたっぷりのクリームドーナツの組み合わせはこんな肌寒い日にはピッタリで、かなり多くのファンを掴むことに成功していた。
以前だったらアイスティーなんて飲み物は出していなかったけど、あたしが自前で賄い用に作ってるのを見たアランさんにせがまれあげたら翌日からメニューにちゃんと載っていた。
まあメニューはあたし考案の文字とイラスト入りのもの。それも黒板を使ってるから簡単に書き変えができるようになっている。
その影響で温かい紅茶はホットティー。冷たい紅茶はアイスティー。そう呼び分けるようにもなって。
「ハントンさん、今日は何にされますか?」
「そうだね、ホットミルクティーとシナモンリングにするよ。後でアランにも話があるから、仕事が一区切りついたら呼んでくれないかい?」
「わかりました。それではご用意しますのでお席でお待ちくださいませ」
慣れた手つきでミルクティーを用意し、アランさんにも声をかけなきゃ。
「アランさん、商業ギルドのハントンさんがお話があるそうですよ。お仕事一段落したら来てくださいって」
「おう、ハントンは何飲んでる?」
「ホットミルクティーです」
「ならもう少しはいいか。やつは猫舌だからな。飲むのにも時間がかかる。だが……。おいジャン、いい加減な測り方するなよ。ドーナツの生地は出来上がりの温度が全てなんだ。今は気温も粉の温度も低くなってるんだから、卵液と水温、そいつの温度をしっかり計算してやらないとダメなんだからな。サボるなよ!」
「はい、先輩」
「ああ、いい返事だ。じゃぁ任せたからな。オレはハントンのところに行ってくる」
キッチンを出てそのまま自分用のアイスティーを持ってイートイン席で待っているハントンさんの所に行くアランさん。
キッチンに残ったジャンはといえば……。
えらく真面目な顔をして真摯にドーナツ作りに取り組んでいた。
変われば変わるもんだなぁなんて思いつつ、それでももしかしたらこれが彼の本当の姿なのかもしれないな、なんてそんなふうにも考えて。
新メニューだったふわふわリングたちにはシナモンシュガーもラインナップに加わった。
そして、ジャムに生クリーム、カスタードクリームに、なんとカカオ入りのクリームまでもがラインナップに加わって、順調に利益が出るようになっていた。
っていうか、新メニューで頑張って利益が出るようになって、おまけにドーナツをジャンに差し出す代わりに借金と相殺、アランさんはそうやって真面目に借金も返して行くつもりだったのだけれど、その前に王都のジャンのお店が潰れてしまったからしょうがない。
潰れそうだって噂が本当になった形。
ドーナツを食べた男爵令嬢がお腹を壊したとかいう噂が広まって、貴族の怒りを恐れたジャン、大急ぎでお店を畳んでガウディに逃げ帰ってきていたのだった。
モーリス・ロックは元々地下社会にも顔の効くやり手の大商人って話だったけれど、ジャンといえばそんな祖父ほどの度量もなかったのだろう。
元々悪評が立っていたお店、貴族に目をつけられ逃げ道を塞がれる前に、と、自ら畳んでこの街に戻ってきて。
その後、モーリスさんのカミナリが落ちてアランさんを交えて話し合った結果、このミスターマロンで一から修行する事になったジャン。
その話し合いでどんな会話があったのかはあたしは知らない。
アランさんも言わなかったしあたしがしつこく聞くのもちょっと違う気がして。
でも。
彼が、心を入れ替える、そんな言葉があったのだろうということだけはわかる。
ジャンが最初にお店に訪れた時とは表情がぜんぜん違うもの。
それだけは、信じてあげてもいいのじゃないかってそんな風に思うのだ。
今でも当時のジャンの振る舞いには怒ってるし、あのショーケースを粉々にした悪いやつらの事も怒ってる。
それでもね。
アランさんが許したのだったらそこに口を挟むのは無粋だってそう思う。
ううん。
もしかしたらアランさんは最初っからジャンのことを許していたのかもしれない。
じゃなかったらモックパンのことを「潰れて欲しくないんだ」だなんて言い方しないし、モーリスさんにガツンと言ってもらわなきゃだなんて言わないと思うんだ。
今でも、その指導はきついけど、その奥には愛情があるんだろうなってそうも思う。
ジャンもそれがわかってるから、こんなにも真摯に向き合ってるのかも。
ジャンは子供の頃はアランさんに懐いていたって聞いた。
ここからはあたしの想像。
もしかしたらジャンはアランさんのことがずっと好きだったのかな。(家族愛の意味でね? BL的な意味じゃなくて。って、BL的な気持ちがあったかどうかは定かじゃないからここでは言及しないけど)
で、同時にすごく嫉妬していたのかもしれない。
商売の後を継がなきゃって思うのと同時に、自分よりも才能があってお祖父さんにもかわいがられているアランさんに。
嫉妬と、愛情の裏返し。
アランさんが欲しかったっていうのは、ジャンの本当の気持ちだったのかもってそうも思ったんだ。
「なあ、ちょっと相談があるんだ」
ハントンさんが帰ったあと、アランさんが神妙な顔をして話しかけてきた。
「なんでしょう? アランさん」
「来週あたりから人を一人雇う事になった。まだ15になったばっかりの女の子だそうだ。悪いけどその子の面倒を見てもらえないか?」
「ええ。それはもちろん。でも、どうしたんですか急に」
利益は出るようになったはず。あたしにもちゃんとお給料出してもらえるようになってるし。
たしかに売り子さんの一人や二人増やしても大丈夫そうではあるけど。
「商業ギルドからの斡旋だよ。オレら商売人には儲けに応じて人を雇う義務がある。じゃなきゃあぶれた人間がどんどん地下に流れていっちまうからな。モーリスのじいさんなんかはそっちにも支援の手を伸ばしてたりしてたんだがオレみたいな弱小じゃ人を少し雇うくらいしかできないが」
そう言って頭を掻くアランさん。
「ええ。任せてください。あたしがその子を一人前に育てて見せます!!」
あは。後輩ができるって、なんだか嬉しい。
どんな子だろう。すごく楽しみだ。
あたしは二つ返事で応える。アランさんの顔もパッと明るくなった。
「ああ、ほんとありがとうな。セレナちゃんには助けて貰ってばっかりだ。感謝してるよ」
そう、ニカって笑ったアランさん。
この笑顔がずっと続いてくれたらいいな。
このお店がずっとこうして明るく優しいお店であってほしい。そう願って。
「やぁセレナさん、今日も元気だね」
にっこり微笑みながら来店したのはハントンさん。最近お店に来てくれるようになった常連さんで、商業ギルドの職員さんをしているらしい。
こうしてお昼のお食事の後で食後のデザートの代わりにドーナツと紅茶で一服していってくれるのだ。
秋も深まり、じきに冬も訪れるだろう。お外がちょっぴり寒くなって、あったかい紅茶が美味しい季節になっている。
ミルクをたっぷり入れたホットミルクティーと、生クリームたっぷりのクリームドーナツの組み合わせはこんな肌寒い日にはピッタリで、かなり多くのファンを掴むことに成功していた。
以前だったらアイスティーなんて飲み物は出していなかったけど、あたしが自前で賄い用に作ってるのを見たアランさんにせがまれあげたら翌日からメニューにちゃんと載っていた。
まあメニューはあたし考案の文字とイラスト入りのもの。それも黒板を使ってるから簡単に書き変えができるようになっている。
その影響で温かい紅茶はホットティー。冷たい紅茶はアイスティー。そう呼び分けるようにもなって。
「ハントンさん、今日は何にされますか?」
「そうだね、ホットミルクティーとシナモンリングにするよ。後でアランにも話があるから、仕事が一区切りついたら呼んでくれないかい?」
「わかりました。それではご用意しますのでお席でお待ちくださいませ」
慣れた手つきでミルクティーを用意し、アランさんにも声をかけなきゃ。
「アランさん、商業ギルドのハントンさんがお話があるそうですよ。お仕事一段落したら来てくださいって」
「おう、ハントンは何飲んでる?」
「ホットミルクティーです」
「ならもう少しはいいか。やつは猫舌だからな。飲むのにも時間がかかる。だが……。おいジャン、いい加減な測り方するなよ。ドーナツの生地は出来上がりの温度が全てなんだ。今は気温も粉の温度も低くなってるんだから、卵液と水温、そいつの温度をしっかり計算してやらないとダメなんだからな。サボるなよ!」
「はい、先輩」
「ああ、いい返事だ。じゃぁ任せたからな。オレはハントンのところに行ってくる」
キッチンを出てそのまま自分用のアイスティーを持ってイートイン席で待っているハントンさんの所に行くアランさん。
キッチンに残ったジャンはといえば……。
えらく真面目な顔をして真摯にドーナツ作りに取り組んでいた。
変われば変わるもんだなぁなんて思いつつ、それでももしかしたらこれが彼の本当の姿なのかもしれないな、なんてそんなふうにも考えて。
新メニューだったふわふわリングたちにはシナモンシュガーもラインナップに加わった。
そして、ジャムに生クリーム、カスタードクリームに、なんとカカオ入りのクリームまでもがラインナップに加わって、順調に利益が出るようになっていた。
っていうか、新メニューで頑張って利益が出るようになって、おまけにドーナツをジャンに差し出す代わりに借金と相殺、アランさんはそうやって真面目に借金も返して行くつもりだったのだけれど、その前に王都のジャンのお店が潰れてしまったからしょうがない。
潰れそうだって噂が本当になった形。
ドーナツを食べた男爵令嬢がお腹を壊したとかいう噂が広まって、貴族の怒りを恐れたジャン、大急ぎでお店を畳んでガウディに逃げ帰ってきていたのだった。
モーリス・ロックは元々地下社会にも顔の効くやり手の大商人って話だったけれど、ジャンといえばそんな祖父ほどの度量もなかったのだろう。
元々悪評が立っていたお店、貴族に目をつけられ逃げ道を塞がれる前に、と、自ら畳んでこの街に戻ってきて。
その後、モーリスさんのカミナリが落ちてアランさんを交えて話し合った結果、このミスターマロンで一から修行する事になったジャン。
その話し合いでどんな会話があったのかはあたしは知らない。
アランさんも言わなかったしあたしがしつこく聞くのもちょっと違う気がして。
でも。
彼が、心を入れ替える、そんな言葉があったのだろうということだけはわかる。
ジャンが最初にお店に訪れた時とは表情がぜんぜん違うもの。
それだけは、信じてあげてもいいのじゃないかってそんな風に思うのだ。
今でも当時のジャンの振る舞いには怒ってるし、あのショーケースを粉々にした悪いやつらの事も怒ってる。
それでもね。
アランさんが許したのだったらそこに口を挟むのは無粋だってそう思う。
ううん。
もしかしたらアランさんは最初っからジャンのことを許していたのかもしれない。
じゃなかったらモックパンのことを「潰れて欲しくないんだ」だなんて言い方しないし、モーリスさんにガツンと言ってもらわなきゃだなんて言わないと思うんだ。
今でも、その指導はきついけど、その奥には愛情があるんだろうなってそうも思う。
ジャンもそれがわかってるから、こんなにも真摯に向き合ってるのかも。
ジャンは子供の頃はアランさんに懐いていたって聞いた。
ここからはあたしの想像。
もしかしたらジャンはアランさんのことがずっと好きだったのかな。(家族愛の意味でね? BL的な意味じゃなくて。って、BL的な気持ちがあったかどうかは定かじゃないからここでは言及しないけど)
で、同時にすごく嫉妬していたのかもしれない。
商売の後を継がなきゃって思うのと同時に、自分よりも才能があってお祖父さんにもかわいがられているアランさんに。
嫉妬と、愛情の裏返し。
アランさんが欲しかったっていうのは、ジャンの本当の気持ちだったのかもってそうも思ったんだ。
「なあ、ちょっと相談があるんだ」
ハントンさんが帰ったあと、アランさんが神妙な顔をして話しかけてきた。
「なんでしょう? アランさん」
「来週あたりから人を一人雇う事になった。まだ15になったばっかりの女の子だそうだ。悪いけどその子の面倒を見てもらえないか?」
「ええ。それはもちろん。でも、どうしたんですか急に」
利益は出るようになったはず。あたしにもちゃんとお給料出してもらえるようになってるし。
たしかに売り子さんの一人や二人増やしても大丈夫そうではあるけど。
「商業ギルドからの斡旋だよ。オレら商売人には儲けに応じて人を雇う義務がある。じゃなきゃあぶれた人間がどんどん地下に流れていっちまうからな。モーリスのじいさんなんかはそっちにも支援の手を伸ばしてたりしてたんだがオレみたいな弱小じゃ人を少し雇うくらいしかできないが」
そう言って頭を掻くアランさん。
「ええ。任せてください。あたしがその子を一人前に育てて見せます!!」
あは。後輩ができるって、なんだか嬉しい。
どんな子だろう。すごく楽しみだ。
あたしは二つ返事で応える。アランさんの顔もパッと明るくなった。
「ああ、ほんとありがとうな。セレナちゃんには助けて貰ってばっかりだ。感謝してるよ」
そう、ニカって笑ったアランさん。
この笑顔がずっと続いてくれたらいいな。
このお店がずっとこうして明るく優しいお店であってほしい。そう願って。
231
お気に入りに追加
2,858
あなたにおすすめの小説

忘却令嬢〜そう言われましても記憶にございません〜【完】
雪乃
恋愛
ほんの一瞬、躊躇ってしまった手。
誰よりも愛していた彼女なのに傷付けてしまった。
ずっと傷付けていると理解っていたのに、振り払ってしまった。
彼女は深い碧色に絶望を映しながら微笑んだ。
※読んでくださりありがとうございます。
ゆるふわ設定です。タグをころころ変えてます。何でも許せる方向け。

【完結】もう辛い片想いは卒業して結婚相手を探そうと思います
ユユ
恋愛
大家族で大富豪の伯爵家に産まれた令嬢には
好きな人がいた。
彼からすれば誰にでも向ける微笑みだったが
令嬢はそれで恋に落ちてしまった。
だけど彼は私を利用するだけで
振り向いてはくれない。
ある日、薬の過剰摂取をして
彼から離れようとした令嬢の話。
* 完結保証付き
* 3万文字未満
* 暇つぶしにご利用下さい
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる