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再会。
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従者にはばあやをお願いしたかったんだけれどお年もいってるばあやには少し荷が重いかもと思い、侍女のレイアに一緒にきてもらうことにした。
お姉様と同年代のレイアはおっとりしていて口数も少なくて。ばあやに言われるままにお仕事をこなす、そんな少女だった。
赤茶の髪を後ろで纏めたおとなしめな容姿の彼女はお父様に厳命されているのか、とくに何も聞かずわたくしの行くところについてくるようになっていたからまあちょうど良かったのもある。
森に行くのは朝の日課にした。早起きして準備を終えて廊下に出ると、そこにはレイアが待っていた。
「ありがとうレイア。ごめんなさいね付き合わせて」
「いえ。私はお嬢様に付き従うのが仕事なので」
そう、無表情に答えるレイア。
服装は侍女のお仕着せのままだったけれど、足元は動きやすいように編み上げのブーツを履いている。
山歩きだしね。
それくらいの格好じゃないと。
扉をぬけるとすぐ緑の樹々が目に映る。
ところどころの隙間から朝日が差し込みあたりを照らしていた。
レイアはわたくしの斜め後ろをしずしずとついてくる。わたくしの行動に何か言うわけでもなく、ただただ見守ってくれている感じ。
咲いている花を見て、森の空気をいっぱいに吸って、なんだかとってもいい気持ちになってきたところで、あの子、あの黄色の子猫を見つけた場所まで辿り着いた。
あの子、どうなっちゃったんだろう……。
少なくともあの場から離れているのは間違いないし、うずくまって動けなかったところから少しは回復してくれていればいいんだけど。そう思いながら辺りを見渡してみた。
「うーん。やっぱりわかんないかなぁ」
思わずそう声が漏れる。
ちょこっと諦めが混じったため息を漏らしたところで、ものすごく明るい、喜びに溢れた感情がこもった意識がわたくしをみているのに気がついた。
「あ、猫ちゃん、いた!」
黄色い毛玉。藪の隙間からクリンクリンの目を見開きこちらをみている。
後ろにいるレイアを警戒している?
時々レイアに対しそんな意識を向けている。
それでも。
「ああ、良かった。猫ちゃん、元気になったのね」
そう安堵して子猫を見つめると、子猫の方も嬉しいって気持ちが溢れてくるように見えて。
我慢ができない、といったようにわたくしに飛びついてきた。
「危ない!」
レイアがわたくしを庇うように前に出るのを掻い潜り、わたくしに抱きついてきたその子猫。
「良かった。良かった。ふふふ。ほんと元気になったのね。はは、くすぐったいわ。もう、しょうがないなぁ」
わたくしに抱きつき頭を擦り付けるその子猫。
「レイア。ごめんね。このこは危なくないから大丈夫よ」
まだ困惑の表情を隠さないレイアに、わたくしはそう笑顔を向ける。
「しかしお嬢様。この森には肉食獣はいない筈なのです。それなのに猫科の動物がいるだなんて」
「そう、ね。どこから来たのかしら。この間見た時はとっても弱ってうずくまっていたのよ」
「これは陛下にご報告しなければ……」
「待って、レイア。この子のことはわたくしからお父様にお話しするわ。先日わたくしこの子に出会っているのよ。それも踏まえてお話しするから。というかこの子、王宮に連れて行こうと思うの」
「まあ。ここに放置して行くわけにもいきませんし……」
「でしょう? それこそここにいるわけがない猫をこの森に置いておくわけにもいかないわよね」
きゅうんと、わたくしの胸の中で小さく鳴く子猫に。
「ごめんね猫ちゃん。あなたをこんなとこに置いて帰るなんてできないから、わたくしと一緒にきてくれる?」
そう頬擦りしながら聞いてみる。
「にゃぁ」
小さくそう答えてわたくしのほおをぺろんと舐めた子猫。
それはわたくしの言葉が分かったかのように、そんなふうに思えた。
少なくともわたくしがこうして抱いているのを嫌がってはいない。それは確信して。
お姉様と同年代のレイアはおっとりしていて口数も少なくて。ばあやに言われるままにお仕事をこなす、そんな少女だった。
赤茶の髪を後ろで纏めたおとなしめな容姿の彼女はお父様に厳命されているのか、とくに何も聞かずわたくしの行くところについてくるようになっていたからまあちょうど良かったのもある。
森に行くのは朝の日課にした。早起きして準備を終えて廊下に出ると、そこにはレイアが待っていた。
「ありがとうレイア。ごめんなさいね付き合わせて」
「いえ。私はお嬢様に付き従うのが仕事なので」
そう、無表情に答えるレイア。
服装は侍女のお仕着せのままだったけれど、足元は動きやすいように編み上げのブーツを履いている。
山歩きだしね。
それくらいの格好じゃないと。
扉をぬけるとすぐ緑の樹々が目に映る。
ところどころの隙間から朝日が差し込みあたりを照らしていた。
レイアはわたくしの斜め後ろをしずしずとついてくる。わたくしの行動に何か言うわけでもなく、ただただ見守ってくれている感じ。
咲いている花を見て、森の空気をいっぱいに吸って、なんだかとってもいい気持ちになってきたところで、あの子、あの黄色の子猫を見つけた場所まで辿り着いた。
あの子、どうなっちゃったんだろう……。
少なくともあの場から離れているのは間違いないし、うずくまって動けなかったところから少しは回復してくれていればいいんだけど。そう思いながら辺りを見渡してみた。
「うーん。やっぱりわかんないかなぁ」
思わずそう声が漏れる。
ちょこっと諦めが混じったため息を漏らしたところで、ものすごく明るい、喜びに溢れた感情がこもった意識がわたくしをみているのに気がついた。
「あ、猫ちゃん、いた!」
黄色い毛玉。藪の隙間からクリンクリンの目を見開きこちらをみている。
後ろにいるレイアを警戒している?
時々レイアに対しそんな意識を向けている。
それでも。
「ああ、良かった。猫ちゃん、元気になったのね」
そう安堵して子猫を見つめると、子猫の方も嬉しいって気持ちが溢れてくるように見えて。
我慢ができない、といったようにわたくしに飛びついてきた。
「危ない!」
レイアがわたくしを庇うように前に出るのを掻い潜り、わたくしに抱きついてきたその子猫。
「良かった。良かった。ふふふ。ほんと元気になったのね。はは、くすぐったいわ。もう、しょうがないなぁ」
わたくしに抱きつき頭を擦り付けるその子猫。
「レイア。ごめんね。このこは危なくないから大丈夫よ」
まだ困惑の表情を隠さないレイアに、わたくしはそう笑顔を向ける。
「しかしお嬢様。この森には肉食獣はいない筈なのです。それなのに猫科の動物がいるだなんて」
「そう、ね。どこから来たのかしら。この間見た時はとっても弱ってうずくまっていたのよ」
「これは陛下にご報告しなければ……」
「待って、レイア。この子のことはわたくしからお父様にお話しするわ。先日わたくしこの子に出会っているのよ。それも踏まえてお話しするから。というかこの子、王宮に連れて行こうと思うの」
「まあ。ここに放置して行くわけにもいきませんし……」
「でしょう? それこそここにいるわけがない猫をこの森に置いておくわけにもいかないわよね」
きゅうんと、わたくしの胸の中で小さく鳴く子猫に。
「ごめんね猫ちゃん。あなたをこんなとこに置いて帰るなんてできないから、わたくしと一緒にきてくれる?」
そう頬擦りしながら聞いてみる。
「にゃぁ」
小さくそう答えてわたくしのほおをぺろんと舐めた子猫。
それはわたくしの言葉が分かったかのように、そんなふうに思えた。
少なくともわたくしがこうして抱いているのを嫌がってはいない。それは確信して。
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