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ゲート。
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春の雪解けが終わり緑の葉が芽吹き出した初夏の日差しがやんわりとあたたかいそんな朝だった。
この三回目の人生で目が覚めた時から、わたくしの心の奥には一つの疑問が浮かびそれがこびりついてどうしようもなくなって。
何をするにしてもいつもそのことに意識が向いてしまっていた。
何故、こんなループが起きるのだろう。と。
二回目の人生の時には、一回目の人生が予知夢か何かのもので実際には今の人生が本当の人生なのじゃないかとそんなふうに考えたこともあった。
でも、三度目がきたことで、これが本当に人生をループしているのだと。
それも全く同じとは限らないのだと、わかって。
だから、だったら、後悔をしない人生を歩みたい。
そう思うようになったのだった。
獣帝への生贄にと姉が選ばれ、わたくしが身代わりになる。
そのことについては逃れる術があるようにも思えない。
それに、わたくしが拒否をしたせいで姉様が犠牲になることも、人類域全てが厄災に見舞われるのも、絶対に避けたい。
それだけは絶対にだめだ。そんな思いも強くて。
それと。
この、「何故」が解決されない限りこの繰り返しから逃れられないのではないか。
そんな悪夢も頭をよぎって離れない。
もう何をしても無駄なんじゃないだろうか。
って弱音も吐きたくなる。
諦めきれないけど、諦めきれないからなんとか弱い心に負けないでいられたけど、それもどこまで続けていられるか自信も持てなかった。
細い糸のような気持ち。それがいつプツンときれてしまうかわからない。
そんな弱い自分を奮い立たせてこれたのも、あの子が居たからだったかもしれないと今ならそう思うのだ。
ノームの森には魔獣は出ないから危険は少ないとはいえまだ5歳だったわたくしが一人で行くのはほんとうだったら難しい。
でも今なら過去二回分の記憶があるし精神年齢的にはもう大人なのだもの。
きっと大丈夫。
そう思うとけっこう大胆になれた。
王宮最深部とノームの森は不思議なゲートでつながっていた。
聖都北に位置するノームの森は周囲を魔術的な結界で覆い、物理的にも一般人が森に入れないようになっている。
このゲートはどうやら大昔からある物で、この王宮最深部の部屋とノームの森の真ん中とをどういう仕組みかわからないけれどとにかく繋いで通れるようにしているらしい。
王族と、その王族が指名した随行者だけが通ることができるそんなゲート。
朝の早い時間にこっそり森への扉の部屋に向かう。
とにかく修行? だ。
そんな焦りがわたくしを駆り立てていた。
この三回目の人生で目が覚めた時から、わたくしの心の奥には一つの疑問が浮かびそれがこびりついてどうしようもなくなって。
何をするにしてもいつもそのことに意識が向いてしまっていた。
何故、こんなループが起きるのだろう。と。
二回目の人生の時には、一回目の人生が予知夢か何かのもので実際には今の人生が本当の人生なのじゃないかとそんなふうに考えたこともあった。
でも、三度目がきたことで、これが本当に人生をループしているのだと。
それも全く同じとは限らないのだと、わかって。
だから、だったら、後悔をしない人生を歩みたい。
そう思うようになったのだった。
獣帝への生贄にと姉が選ばれ、わたくしが身代わりになる。
そのことについては逃れる術があるようにも思えない。
それに、わたくしが拒否をしたせいで姉様が犠牲になることも、人類域全てが厄災に見舞われるのも、絶対に避けたい。
それだけは絶対にだめだ。そんな思いも強くて。
それと。
この、「何故」が解決されない限りこの繰り返しから逃れられないのではないか。
そんな悪夢も頭をよぎって離れない。
もう何をしても無駄なんじゃないだろうか。
って弱音も吐きたくなる。
諦めきれないけど、諦めきれないからなんとか弱い心に負けないでいられたけど、それもどこまで続けていられるか自信も持てなかった。
細い糸のような気持ち。それがいつプツンときれてしまうかわからない。
そんな弱い自分を奮い立たせてこれたのも、あの子が居たからだったかもしれないと今ならそう思うのだ。
ノームの森には魔獣は出ないから危険は少ないとはいえまだ5歳だったわたくしが一人で行くのはほんとうだったら難しい。
でも今なら過去二回分の記憶があるし精神年齢的にはもう大人なのだもの。
きっと大丈夫。
そう思うとけっこう大胆になれた。
王宮最深部とノームの森は不思議なゲートでつながっていた。
聖都北に位置するノームの森は周囲を魔術的な結界で覆い、物理的にも一般人が森に入れないようになっている。
このゲートはどうやら大昔からある物で、この王宮最深部の部屋とノームの森の真ん中とをどういう仕組みかわからないけれどとにかく繋いで通れるようにしているらしい。
王族と、その王族が指名した随行者だけが通ることができるそんなゲート。
朝の早い時間にこっそり森への扉の部屋に向かう。
とにかく修行? だ。
そんな焦りがわたくしを駆り立てていた。
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