100 / 102
転生したら悪役令嬢だったから黒猫と一緒にドラゴンと戦います! ほんとは聖女で主人公でした? そんなの今更遅いです。
黒猫のドラコ。
しおりを挟む
黒い弾丸のようなものが目の前を飛んで行った。
え? っと思ったけど、その弾丸はベビーハウンドを弾き飛ばして、そしてそのまま跳ね返るようにわたしの目の前まで飛んできた。
ちらっとこちらをみたそれは、どう見ても猫?
黒いもふもふな毛皮の上にちょんもりとかわいい耳がのっている。
弾き飛ばされたベビーハウンドが体勢を持ち直しこちらを睨む。
はう。どう見てもベビーハウンドの方ががっしりしてる。同じような小ささだけどやっぱり猫と狼じゃ狼の方が強いのかも。そう思ってちょっとハラハラしていると、しばらく睨み合ったのちにベビーハウンドの尻尾が垂れた。
きゅううん
そう鳴いて逃げていくベビーハウンド。
胸を撫で下ろし目の前の猫をよく見てみると、耳の間に小さいツノ見たいのが見える?
ってことはこれ、普通の猫じゃ、ないの?
「ドラこー!」
がさがさっと音がして女の人がやってきた。この猫の飼い主? かなぁ。
後ろからついてくるのは騎士様。ということはこの女性は聖女様かな? なんだかそんな感じ。
騎士様は男性一人に女性がふたり。っていうかこの男性騎士様、なんだかマクシミリアンに似てる? マクシミリアンをもう少し美男子っぽくした感じ
「にゃー」
ってその黒猫がその女性の聖女様に飛びついた。はう。もふもふと撫でられて気持ちよさそうだ。
「お怪我はないですか? お嬢さん方」
男性騎士様がそうわたしたちを気遣って声をかけてくれた。
「いえ、あの黒猫の子が助けてくれましたから。ありがとうございます」
「おにいさん、ありがとうございました」
わたしとカリナがそうお礼を言うとその騎士様、「えらいね、怖くなかったかい?」と、カリナの頭を撫でてくれた。
濃い茶色? そんなこの辺りだと珍しい黒っぽい髪の聖女様もこちらを見て。で、何かに驚いたように目を丸くして。
「クローディアお姉様!」
そう叫んだ。
☆☆☆☆☆
え? え?
この子、わたしのこと知ってるの!?
今のわたしはクローディアをしていた時とはかなり違って見えるはず。
髪も洗い晒しだし着ているものも町娘風のエプロンドレスだ。
シスターたちみたいに黒づくめじゃないけどそれでもとてもじゃないけど貴族には見えないだろうって容姿なはず。
一応公爵令嬢していた時は髪もしっかりセットして巻紙縦ロールに整えてたし、人前に出る時は必ず薄くでも化粧をしていたから。
こんなスッピンざんばら髪でわたしだと見抜くなんて普通の知り合いには無理なはず!?
そう思っていたのに!
「貴女、誰?」
思わずそう口走ってた。
「そっか、あたしのことわからないか。そうだよねごめんね」
その聖女様、なんだかそんな訳のわからないことを呟いたと思ったら、
「ちょっとこっちに来てお姉様。そこの木陰まで」
そうわたしの手を引っ張って、人目をはばかるように少し離れた場所まで行こうと言う。
わたしも。
カリナにはわたしが公爵令嬢だなんて聞かせたくないかな。そう思ってその場は大人しくその聖女様に手を引かれるまま、ついて行くことにした。
え? っと思ったけど、その弾丸はベビーハウンドを弾き飛ばして、そしてそのまま跳ね返るようにわたしの目の前まで飛んできた。
ちらっとこちらをみたそれは、どう見ても猫?
黒いもふもふな毛皮の上にちょんもりとかわいい耳がのっている。
弾き飛ばされたベビーハウンドが体勢を持ち直しこちらを睨む。
はう。どう見てもベビーハウンドの方ががっしりしてる。同じような小ささだけどやっぱり猫と狼じゃ狼の方が強いのかも。そう思ってちょっとハラハラしていると、しばらく睨み合ったのちにベビーハウンドの尻尾が垂れた。
きゅううん
そう鳴いて逃げていくベビーハウンド。
胸を撫で下ろし目の前の猫をよく見てみると、耳の間に小さいツノ見たいのが見える?
ってことはこれ、普通の猫じゃ、ないの?
「ドラこー!」
がさがさっと音がして女の人がやってきた。この猫の飼い主? かなぁ。
後ろからついてくるのは騎士様。ということはこの女性は聖女様かな? なんだかそんな感じ。
騎士様は男性一人に女性がふたり。っていうかこの男性騎士様、なんだかマクシミリアンに似てる? マクシミリアンをもう少し美男子っぽくした感じ
「にゃー」
ってその黒猫がその女性の聖女様に飛びついた。はう。もふもふと撫でられて気持ちよさそうだ。
「お怪我はないですか? お嬢さん方」
男性騎士様がそうわたしたちを気遣って声をかけてくれた。
「いえ、あの黒猫の子が助けてくれましたから。ありがとうございます」
「おにいさん、ありがとうございました」
わたしとカリナがそうお礼を言うとその騎士様、「えらいね、怖くなかったかい?」と、カリナの頭を撫でてくれた。
濃い茶色? そんなこの辺りだと珍しい黒っぽい髪の聖女様もこちらを見て。で、何かに驚いたように目を丸くして。
「クローディアお姉様!」
そう叫んだ。
☆☆☆☆☆
え? え?
この子、わたしのこと知ってるの!?
今のわたしはクローディアをしていた時とはかなり違って見えるはず。
髪も洗い晒しだし着ているものも町娘風のエプロンドレスだ。
シスターたちみたいに黒づくめじゃないけどそれでもとてもじゃないけど貴族には見えないだろうって容姿なはず。
一応公爵令嬢していた時は髪もしっかりセットして巻紙縦ロールに整えてたし、人前に出る時は必ず薄くでも化粧をしていたから。
こんなスッピンざんばら髪でわたしだと見抜くなんて普通の知り合いには無理なはず!?
そう思っていたのに!
「貴女、誰?」
思わずそう口走ってた。
「そっか、あたしのことわからないか。そうだよねごめんね」
その聖女様、なんだかそんな訳のわからないことを呟いたと思ったら、
「ちょっとこっちに来てお姉様。そこの木陰まで」
そうわたしの手を引っ張って、人目をはばかるように少し離れた場所まで行こうと言う。
わたしも。
カリナにはわたしが公爵令嬢だなんて聞かせたくないかな。そう思ってその場は大人しくその聖女様に手を引かれるまま、ついて行くことにした。
0
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
選ばれたのは私以外でした 白い結婚、上等です!
凛蓮月
恋愛
【第16回恋愛小説大賞特別賞を頂き、書籍化されました。
紙、電子にて好評発売中です。よろしくお願いします(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾】
婚約者だった王太子は、聖女を選んだ。
王命で結婚した相手には、愛する人がいた。
お飾りの妻としている間に出会った人は、そもそも女を否定した。
──私は選ばれない。
って思っていたら。
「改めてきみに求婚するよ」
そう言ってきたのは騎士団長。
きみの力が必要だ? 王都が不穏だから守らせてくれ?
でもしばらくは白い結婚?
……分かりました、白い結婚、上等です!
【恋愛大賞(最終日確認)大賞pt別二位で終了できました。投票頂いた皆様、ありがとうございます(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾応援ありがとうございました!
ホトラン入り、エール、投票もありがとうございました!】
※なんてあらすじですが、作者の脳内の魔法のある異世界のお話です。
※ヒーローとの本格的な恋愛は、中盤くらいからです。
※恋愛大賞参加作品なので、感想欄を開きます。
よろしければお寄せ下さい。当作品への感想は全て承認します。
※登場人物への口撃は可ですが、他の読者様への口撃は作者からの吹き矢が飛んできます。ご注意下さい。
※鋭い感想ありがとうございます。返信はネタバレしないよう気を付けます。すぐネタバレペロリーナが発動しそうになります(汗)
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる