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命懸けの自宅警備

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「そうでした! 私、ついつい二次元みたいな容姿の方を見つけると饒舌になっちゃうんです」

「ははは。僕も分かります」

 推しがその辺に同意している?! 後で、事実確認しなければ。

「ここは今までいた世界じゃないんだなって思ったのは、をこの目で見られたからなんです」

「ショウとメイ?」

「はい。私たちの肩の上にはそれぞれ、具生神くじょうじんという二柱ふたはしら一組の神様がいるんです。同生天どうしょうてん同名天どうみょうてん

 この情報も初耳だなんて口が裂けても言えない。

「具生神は今までの行いを伝える役目がありますから、秦広王の御前ごぜんで初めてご覧になる方が多いようです」

「「そうなんですね」」

しまった。冬月さんと同じリアクションをしてしまった。

「何年か前にはなるんですけれど、自分の暮らしを見守ってくれている小さな神様がいたら可愛いなって思って調べたんです。同生天を男の子の神様でショウ、同名天を女の子の神様でメイにして、キャラクターを作りました」

「想像していた姿で現れたんですね?」

「そうなんです! そういうものなんですか」

「ええ。各々のイメージが反映されるらしくて、姿形すがたかたちは十人十色らしいですよ」

 そうなんだ……。
 今度は心の中に言葉をとどめておけた。私にも、ササヤマさんにも、ショウとメイがいるのだろうか。

「ショウとメイ……可愛かったんだけどなぁ。記録したSDカードみたいなものを秦広王に渡していたんです。そしたら、アナログ筆記かと思った閻魔帳がぶわって分厚くなって。結論から言っちゃうと、激流を渡ったんですぅ……」

 驚きを表情に出さないように、閻魔帳のページをめくっていく。本当だ。猪や鹿の文字がやたらと目に入る。

「勿論、人を殺めたことなんてないんですけど、獣を狩るのが趣味で。遺された家さえなければ、山深い田舎に引っ越したんですけどね」

「人もそうですが、殺生そのものを裁かれますからね」

「そうなんですね。たとえば鹿って山の中でものすごく増えちゃうんです。人の暮らしに害を及ぼすようになっちゃうんですよ。狩った後も血さえ捨てることなくジビエ料理にして食したりとか、ただスーパーで食品を買っている人たちに比べたら、生き死にに向き合っていると思うんですけどね」

またもや、ササヤマさんの手だけがご意見等受付書を探している。
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