異世界トリップしたら女神(見習い)でしたが一般人として自由に生きていこうと思います

瑞多美音

文字の大きさ
上 下
102 / 120
第8章

102.女神見習い、釣りに挑戦する

しおりを挟む

 「あー、魚が食べたい……」
 「ん」

 というのも、アルさんのお土産で食べて以降久しぶりの魚に感動したことが原因。
 アルさんもそのお土産を最後に天界へ戻ってしまったので頼むこともできない。
 時々、神様は泊まりに来るけど、ほとんど顔を合わすことなく代金を置いていってしまう。
 アルさんやメルさんなら頼むこともできるけど、流石に顔も知らない神様に頼むのはおこがましいし……

 海は遠いらしく、街でも新鮮な魚は手に入りにくいという……どっかの海辺の街に瞬間移動すればいいんだろうけど、それはそれで面倒だな……


 「あ、そうだ!そこの湖でなんか釣れないかな?」

 そうと決まれば感謝ポイントで釣り道具セット【初級:作業服(撥水)、ブーツ(撥水)、竹の竿、バケツ、???の餌、ただの餌】を交換した。

 「よし、これでいける」

 作業服に着替えブーツを履いて手には竹の竿とバケツを持つ……目の前に湖があるのだ。とりあえずやってみよう……それがたとえ引きずり込まれそうな不気味な湖だとしても……

 「ん、一緒に行く」
 「ありがとう……ブラン念のため見張りよろしくね?」
 「ん、任せておけって」

 ブランが見張りをしてくれるなら釣りに集中できる。
 まずはただの餌をつけ糸を垂らす……待つこと数時間……

 「……まったく反応ないな」
 「……ん」
 「餌変えてみるかぁ」

 ???の餌につけかえ糸を垂らすと

 「うぉっ……かかった!」
 「ん、頑張って」

 餌を変えた途端にかかるなんて、ラッキー!

 「やばい……竿が……」

 竿が大きくしなり、判断を間違えればすぐに折れてしまいそうだ。それに竿にはリールなんかない。糸を手で手繰りよせようにも竿から手は離せないし、リディにさせるには危ない。糸を巻くかわりにじわじわと湖から離れる。

 格闘することしばらく……

 「つ、釣れた……」

 地面に上がってもまだビッタンビッタンと跳ねている。でも釣り上げてしばらくすると勝手に生き絶えた。
 ただ、竿が犠牲になってしまった。流石に重さに耐えきれず折れてしまった。

 「これ、魔物かな?」
 「ん、多分……」
 「食べられるかな?」
 「……ん、わかんない」

 案の定釣れたのは魔物。体長1メートル超えの大物だ。トゲトゲした背びれ、鋭い歯をしていて硬い鱗に覆われているみたい。この歯ガブリとされたらひとたまりもないだろうなぁ。
 でも……この湖にはもっと大きな魔物がいそうな気がする。
 解体は素材全部と食べられる部分に設定。
 大量の鱗と骨(歯含む)背びれと切り身ゲット。
 鑑定すると切り身は食用可となっていたけど、背びれは毒針になっているため取扱注意だな。

 「切り身は食べられるみたい。ユリスさんにお願いしよっか」
 「ん……楽しみ」

 リディのユリスさんへの信頼が厚い……切り身の色は紫がかってて不気味だというのにユリスさんなら美味しくしてくれると信じてる……え?わたし?料理に関してはまったく信用されていませんが何か。

 さすが生は怖いので火を通してもらった。料理代は鱗と骨でいいって……加工して使えるらしい。
 もちろん、キュリエルとユリスさんも一緒に食べたよ?
 切り身の色は紫がかってて不気味だったけどめちゃくちゃ美味しかった。いつか海鮮丼とか食べたい……お米はないけどね……はぁ。


 「はー、美味しかった!」
 「ん」
 「よかったです」
 「そうだ!ユリスさん、頑丈な釣り竿作れます?」
 「ええ、多分……専門ではないので試行錯誤するかもしれませんが」
 「さっきの釣りで竿折れちゃたんで、作ってくださいっ」
 「ん、お願い」
 「つまり、ユリスが竿を作らないと魚が食べられないってこと?」
 「そうなるね」

 じー……

 「わかりました。なるべく早く作りますね」
 「お願いしますっ。必要なものがあれば買ってください!お金は私が払うので!」
 「わかりました。頑張ります……一応折れた竿もお借りしていいですか?」
 「あ、どうぞどうそっ」
 「ねえねえ、エナ……もちろん釣ったらお裾分けしてくれるんだよね?」
 「そうだねー……料理作れるのユリスさんだけだし……」
 「ん、わたしも料理手伝うよ?」
 「そっか、そうだね!」
 「ということでお願いしますねー」
 「はい」
 
 数日後には手元に真新しい竿が届き、美味しいお魚に舌鼓を打つのであった。
 あ、やっぱりただの餌では釣れなかった。???の餌って魔物用ってことかな……竿も折れなかったし、ユリスさんに頼んでよかったー。


◆ ◆ ◆ 

【ステータス】  

 種族:女神(見習い)/人族
 氏名:エナ・ハヅキ
 状態:通常
 体力:400/400
 魔力:55500/55500
 運:75
 冒険者ランク:C
 商業ランク:☆

 スキル 
 ・火属性魔法レベル3
 ・水属性魔法レベル3
 ・風属性魔法レベル3
 ・地属性魔法レベル3
 ・光属性魔法レベル3
 ・回復魔法レベル3
 ・状態異常無効レベル4
 ・接触防衛レベル3
 ・火属性耐性レベル2
 ・水属性耐性レベル2
 ・風属性耐性レベル2
 ・地属性耐性レベル2
 ・光属性耐性レベル2
 ・闇属性耐性レベル2
 ・体力自動回復(中)
 ・魔力自動回復(大)
 ・成長経験値上昇(大)
 ・精霊魔法 レベル2
 ・瞬間移動 レベル3
 ・料理レベル2
 ・栽培レベル3
 ・解体レベル2
 ・修繕レベル3
 ・世界地図レベル3
 ・採掘レベル2

 特殊スキル
 ・女神の祝福レベル4
 ・女神の浄化レベル3
 ・女神の調合レベル3
 ・女神の心眼レベル4
 ・女神の聖域レベル4
 ・言語翻訳
 ・感謝ポイント〈90927ポイント〉累計〈127427ポイント〉

 ー称号ー
 巻き込まれし者・当選者・女神見習い・中堅冒険者・ギルド公認ポーション職人・神様の宿屋主人

 ー加護ー
 慈悲の女神フィラの加護・慈悲の女神の部下コルドの憐憫・大地神アルネルディの加護・愛の女神メルディーナの加護・精霊キュリエルの友誼・調和の神モニークの加護・秩序の神オルドルの加護・狩猟の神テミの加護・鍛治の神ウルカスの加護


 その他機能【交信】【履歴】

◆ ◆ ◆

【ステータス】 

 種族:人族
 氏名:リディア
 状態:通常/忘我の呪い[942012]
 体力:400/400
 魔力:700/700
 運:5(ー62)
 冒険者ランク:E

スキル 
 ・火魔法レベル3
 ・水魔法レベル3
 ・風魔法レベル3
 ・闇魔法レベル1
 ・闇属性耐性レベル1
 ・隠密レベル3
 ・気配察知レベル3
 ・状態異常耐性レベル3

 ー称号ー
 呪われた少女・新人冒険者・神様の宿屋看板娘

 ー加護ー
 献身の騎士の守護・慈悲の女神(見習い)の加護・大地神アルネルディの加護・精霊キュリエルの友誼・調和の神モニークの加護・秩序の神オルドルの加護・狩猟の神テミの加護・鍛治の神ウルカスの加護


◆ ◆ ◆

【ステータス】 

 種族:キラーバード
 氏名:ブラン/?????
 状態:通常
 体力:470/470 
 魔力:350/350
 運:28 

スキル 
 ・風魔法レベル3
 ・状態異常耐性レベル4
 ・隠密レベル5
 ・気配察知レベル3

 ー称号ー
 献身の騎士・リディの従魔・神様の宿屋用心棒

 ー加護ー
 ????の加護・慈悲の女神(見習い)の加護・大地神アルネルディの加護・精霊キュリエルの友誼・調和の神モニークの加護・秩序の神オルドルの加護・狩猟の神テミの興味・鍛治の神ウルカスの加護

◆ ◆ ◆
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~

藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――  子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。  彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。 「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」  四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。  そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。  文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!? じれじれ両片思いです。 ※他サイトでも掲載しています。 イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

契約結婚のはずが、気づけば王族すら跪いていました

言諮 アイ
ファンタジー
――名ばかりの妻のはずだった。 貧乏貴族の娘であるリリアは、家の借金を返すため、冷酷と名高い辺境伯アレクシスと契約結婚を結ぶことに。 「ただの形式だけの結婚だ。お互い干渉せず、適当にやってくれ」 それが彼の第一声だった。愛の欠片もない契約。そう、リリアはただの「飾り」のはずだった。 だが、彼女には誰もが知らぬ “ある力” があった。 それは、神代より伝わる失われた魔法【王威の審判】。 それは“本来、王にのみ宿る力”であり、王族すら彼女の前に跪く絶対的な力――。 気づけばリリアは貴族社会を塗り替え、辺境伯すら翻弄し、王すら頭を垂れる存在へ。 「これは……一体どういうことだ?」 「さあ? ただの契約結婚のはずでしたけど?」 いつしか契約は意味を失い、冷酷な辺境伯は彼女を「真の妻」として求め始める。 ――これは、一人の少女が世界を変え、気づけばすべてを手に入れていた物語。

久しぶりに会った婚約者は「明日、婚約破棄するから」と私に言った

五珠 izumi
恋愛
「明日、婚約破棄するから」 8年もの婚約者、マリス王子にそう言われた私は泣き出しそうになるのを堪えてその場を後にした。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜

ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった! 謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。 教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。 勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。 元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。 力を持っていても順応できるかは話が別だった。 クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。 ※ご注意※ 初投稿、試作、マイペース進行となります。 作品名は今後改題する可能性があります。 世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。 旅に出るまで(序章)がすごく長いです。 他サイトでも同作を投稿しています。 更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...