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第6章
78.女神見習い、少女と魔法の練習をする
しおりを挟む期待したほど雪は積もらず、ほとんどが溶けてしまっていた。
「あー、溶けちゃったか」
「ん」
「どうしようかな……」
雪だるまやかまくらをつくるという予定がなくなってしまったので、リディと魔法の練習がてら丸太を加工してみる。結界の外にあるものは濡れているのでギリギリ入っていた分だけね。
感謝ポイントで木工スキルをとって枝を落とした丸太を細工してみる……
「ここをこうして……あれ、削りすぎた? いや、まだ大丈夫……」
……おかしいな。不恰好なベンチができた。もっと座りやすくなるはずだったのに……
「うん、プランターがわりのバケツ置きにすればいいね……」
「……ん」
まだまだ沢山残ってるけどまた今度……べ、別に心が折れたとかそういうわけじゃないよっ?
少しいいところを見せようと風魔法の《風刃》を放ったら全然違う方向へ飛んで行ってブランにめっちゃ怒られた。うん、腕に爪の跡が残るぐらい。
うん、ごめん。リディの方に飛ばす気はなかったんだよ……といっても数メートルは離れてたんだけど、リディを驚かせたことにも怒ってるらしい。
ブランやリディも丸太に向かって《風弾》や《水の球》、《水刃》を放ち、火魔法はブランがリディの安全を気にしながら練習していた。うん、なかなか上手いね。
リディやブランは魔力に限りがあるのでフラフラして来たら必ずやめるように言い含めることは忘れない。
でも、ブラン……《火》は小さな火が灯せるぐらいだから、そんなに警戒しなくても平気だと思うよ……あ、はいすいません。いつでも《水膜》張る準備しときますね。
ちなみに《水膜》というのは、物理的な防御能力は無きに等しいが火に対する防御力が高く魔法攻撃に有効というものである。これが今リディに必要かは別として、ブランにアピールする役目はしっかりと果たしている。その証拠にブランも満足げだ。
魔法は私よりふたりの方が上達が早そうだ。それに上手い。コツをつかむのが早いというか、狙ったところに当たってる……必要に駆られてだと思うけど、運が的中率とかに関係するって聞いたことあるからあの運でこんなにバシバシ当たるなんて……よし、持ちつ持たれつって事で手が回ったら頑張ろう。
私は攻撃系の魔法はどこに飛んでいくかわからないから、地魔法で土でも耕しますか。
リディはブランが風魔法がレベル3になったことで《探索》ができるようになったと知りレベル上げを頑張るようだ。うん、頑張れ!
そんなことをしていたらあっという間に辺りが暗くなっていた。
リディ達も休憩しつつ楽しそうに練習していたけど
「リディ、ブラン! ちょっと夕飯とりに行ってくるけど」
「ん、わかった」
「そろそろ暗くなるから気をつけてね」
「ん」
家に入って、汚れた手を洗い街の家へーー
「キュリエルー、ユリスさーん」
「あ、エナさんお待ちしてました。今日の夕食です」
「ユリス、今日は今年最後の日だからって朝から頑張ってたんだよー」
なぜか、キュリエルは自慢げだ。仲が良さそうでなによりです。
「へー……そうなんだ。あれ? 明日から新年なの? 」
「そうですよ……ですから今日の料理は特別なんです」
「えー、エナそんなことも知らないの?」
ユリスさんの料理で判明した。そして、キュリエルにバカにされてしまった。
どうやらリタール王国ではその年最後の日は伝統料理を食べる習わしみたい。へー。
早いなー。この世界に来てもう8ヶ月近くも経ったのか……お母さんとお父さんは年越しそば食べたかな?
あー、いそべ焼きが食べたーい。
お雑煮が食べたーい。
和食が食べたーい。
ちょっとホームシックになってしまった。ああ、私に料理の腕があれば……再現する道もあったかも……
「ということで、今年最後の日の料理は伝統料理らしいよ」
「ん、知ってた」
なんてこった……リディも知ってたって。まぁいいか。美味しそうだし。
少しホームシックになったけど、リディやブランのおかげで寂しくはなかった。
ー翌朝ー
「リディ、ブラン。あけましておめでとう。今年もよろしくね」
「ん?」
「あー、これ……私のいた国の新年の挨拶なの」
「ん、あけましておめでとう? こちらこそよろしく?」
よし、今年も頑張ろう!
◆ ◆ ◆
【ステータス】
種族:女神(見習い)/人族
氏名:エナ・ハヅキ
状態:通常
体力:400/400
魔力:55500/55500
運:75
冒険者ランク:C
商業ランク:☆
スキル
・火属性魔法レベル2
・水属性魔法レベル3
・風属性魔法レベル3
・地属性魔法レベル3
・光属性魔法レベル3
・回復魔法レベル3
・状態異常無効レベル4
・接触防衛レベル2
・火属性耐性レベル2
・水属性耐性レベル2
・風属性耐性レベル2
・地属性耐性レベル2
・光属性耐性レベル2
・闇属性耐性レベル2
・体力自動回復(中)
・魔力自動回復(大)
・成長経験値上昇(大)
・精霊魔法 レベル2
・瞬間移動 レベル3
・料理レベル2
・栽培レベル3
・解体レベル1
・修繕レベル3
・世界地図レベル3
特殊スキル
・女神の祝福レベル3
・女神の浄化レベル3
・女神の調合レベル3
・女神の心眼レベル4
・女神の聖域レベル4
・言語翻訳
・感謝ポイント〈117420ポイント〉
累計〈121125ポイント〉
ー称号ー
巻き込まれし者・当選者・女神見習い・中堅冒険者・ギルド公認ポーション職人
ー加護ー
慈悲の女神フィラの加護・慈悲の女神の部下コルドの憐憫・大地神アルネルディの加護・愛の女神メルディーナの加護・精霊キュリエルの友誼
その他機能【交信】【履歴】
◆ ◆ ◆
【ステータス】
種族:人族
氏名:リディア
状態:通常/忘我の呪い[9559123]
体力:350/350
魔力:700/700
運:5(ー62)
冒険者ランク:G
スキル
・火魔法レベル2
・水魔法レベル3
・風魔法レベル2
・闇魔法レベル1
・闇属性耐性レベル1
・隠密レベル3
・気配察知レベル2
・状態異常耐性レベル3
ー称号ー
呪われた少女・新人冒険者
ー加護ー
献身の騎士の守護・慈悲の女神(見習い)の加護・大地神アルネルディの加護・精霊キュリエルの友誼
◆ ◆ ◆
【ステータス】
種族:キラーバード
氏名:ブラン/?????
状態:通常
体力:460/460
魔力:350/350
運:28
スキル
・風魔法レベル3
・状態異常耐性レベル4
・隠密レベル5
・気配察知レベル3
ー称号ー
献身の騎士・リディの従魔
ー加護ー
????の加護・慈悲の女神(見習い)の加護・大地神アルネルディの加護・精霊キュリエルの友誼
◆ ◆ ◆
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それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
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