114 / 120
第9章
114.女神見習い、ドワーフの頼みを聞く(1)
しおりを挟む
朝食後、リディがユリスさんにジャムのおすそ分けをすると言うので、パイ目当てについていくことにした。
「おはようございます」
「ん、これおすそ分け」
「わあ、ありがとうリディ」
「ん」
「ユリスさん、わたしはジャムパイを希望します!」
「わかりました。そうだ。甲羅を使った防具の試作品ができたのでよかったら試着してもらえますか?」
「早いですね、ぜひ!」
「ん!」
早速つけてみる。
「おー、結構いい感じかも」
ま、わたしは派手なウロコがついた防具があるので腕当てとすね当てしかつけてないけどね。
「ん、そうだね」
リディは胸当て、腕当て、すね当てを身につけ、リディが持てるサイズとなった盾を構えている。ブランもヘルメットをかぶせてもらって上機嫌だ。ちなみにユリスさんが一番苦労したのはブランのヘルメットらしいよ。
「どうですか……まだ試作なので気になるところがあったら言ってください」
「いやー、いまのところはないですけど……それにしてもこんなに早くできるなんて」
「ん、わたしもブランも特にないよ」
「実は以前エナさんから頂いた金属を使用したんですけど、あれ相当貴重でほとんど出回ってないんです。それで作ってみたら職人魂に火がついてしまいまして……」
「へー」
前に神の宿代でもらったことがあってユリスさんにあげたんだって……金属は使わないからほとんどユリスさんにあげ出るからよく覚えてないんだけどね。
「それでミスリルと言うんですが……魔の森の奥にあるかつては鉱山だったところに連れて行ってもらえませんか?そこでわずかに採掘できたそうなんです」
まー、ユリスさんには色々とお世話になってるし、この甲羅の胸当てや腕当ての使い心地も試してみたいし……瘴気さえどうにかなれば大丈夫かなー?あれ、そもそもユリスさんって戦えるのかな?
「ユリスさんって瘴気とかに耐性あります?魔の森は瘴気が濃いところも有るんですけど……」
うん、森の家は結界があるから気にしてなかったけど森の中をウロウロするなら聞いとかないと。
「あー、ないですね……」
「僕に任せて!ユリス1人くらいならなんとかできるよ!」
「おおー!」
まー、ブランが斥候の役目を果たしてくれるだろうし、キュリエルもなぜか行く気満々だし……なんとかなるかなー?
「リディはどう思う?」
「ん、任せる」
あ、そう……
「わかりました。危険だった場合、すぐに引き返すことを条件にしていいなら行きましょう。でも、その鉱山?の詳しい場所とかわからないんですけど……」
「もちろんです!だいたいの場所はわかってるので大丈夫です」
「じゃあ、いつ行きます?」
「明日にしよーよ!」
キュリエルなんでそんなに張り切ってるの?え?久々に好きにしてもいいところに行けるから?あっ、そう……いたずらも我慢してたもんね。
「じゃあ明日の朝、準備してうちの方に来てください」
「わかりました」
「あ、お昼も持ってきてくれると嬉しいです」
「準備して行きますね」
その後、リディとユリスさんによってパイが作られ大喜びしたことは言うまでもない。
◇ ◇ ◇
翌日
朝食を済ませ、防具を身につけていると……
「おはようございます」
「おはよー」
「「おはよう」」
ユリスさんの装備とか初めて見るわー……
「ユリスさん、武器はハンマーなんですか?」
「ええ、ハンマーが慣れているので……あっ、もちろん仕事用とは別物ですからね」
「はい。じゃあ早速出発しましょう。解体と荷物持ちは任せて!」
「ん」
「はい」
「しゅっぱーつ」
『お婿さんいるといいです!』
みんなの荷物を預かり出発……ユリスさんから預かったつるはしが大量で驚いた。うん、壊れてもたくさんあるから大丈夫ですだってよ。念には念をってことかな?あ、私もユリスさんが余ったという大きな甲羅をそのままストレージに放り込んだ。ほら、いざという時に盾にしようと思って。
ユリスさん曰くここから1、2時間の場所に鉱山があるらしい。
ユリスさんとキュリエル、リディ、ブラン、ライムそして私のメンバーだが、半分くらいはピクニック気分だったりして。
ユリスさんも約束通りお弁当も用意してくれたみたいだし、私も念のためポーションを多めに持ってきた。
道中もほとんど魔物に遭遇することはなく……遭遇してもユリスさんが倒してくれた。うん、めっちゃ強いんじゃね?え?集落ではこんなのゴロゴロいる?……ドワーフおそるべし。ただ、ほとんどのドワーフは報酬の酒目当てか必要な素材採取のためじゃないと動かないんだってさ……
そして地味にライムも強いし(解体する前に溶かそうとするから困ったけど)、キュリエルあんなに張り切ってたのが嘘のようにやる気ないし、リディとブランもしっかりついて行ってる。あれ、こんなに疲れてるの私だけ?がーん……体力の差かー。
はぁ……下手したら私、みんなに瞬殺されるレベルかも……怒らせないように気をつけよう。とくにキュリエル。だってキュリエルが本気出したら、上位ランクパーティでも戦えるか微妙らしい。倒せるかじゃなくて戦えるかだよ?やばいよね……
休憩を挟みつつ(ほぼ私のためだったよ)、しばらく進むと……
「あ、あれが鉱山の入り口だと思います」
「おおー……って結構、鬱蒼としてますね」
まー、すごい昔に森に飲み込まれたなら無理もないかー。
「中は暗い上、道が入り組んでいると思います。あまり離れず迷子になった場合は出来る限り動かないでください」
「わかりました」
「ん、わかった」
うん、鉱山に慣れているのは明らかにユリスさんだからね。大人しく従おう。
「魔物が住み着いている可能性もあります。危険な場合はすぐに引き返すのでそのつもりで」
「はい」
それぞれランプなどの灯を用意していよいよ鉱山に入ることとなった。
うん、魔結晶とかミスリルが見つかればいいなー。
「おはようございます」
「ん、これおすそ分け」
「わあ、ありがとうリディ」
「ん」
「ユリスさん、わたしはジャムパイを希望します!」
「わかりました。そうだ。甲羅を使った防具の試作品ができたのでよかったら試着してもらえますか?」
「早いですね、ぜひ!」
「ん!」
早速つけてみる。
「おー、結構いい感じかも」
ま、わたしは派手なウロコがついた防具があるので腕当てとすね当てしかつけてないけどね。
「ん、そうだね」
リディは胸当て、腕当て、すね当てを身につけ、リディが持てるサイズとなった盾を構えている。ブランもヘルメットをかぶせてもらって上機嫌だ。ちなみにユリスさんが一番苦労したのはブランのヘルメットらしいよ。
「どうですか……まだ試作なので気になるところがあったら言ってください」
「いやー、いまのところはないですけど……それにしてもこんなに早くできるなんて」
「ん、わたしもブランも特にないよ」
「実は以前エナさんから頂いた金属を使用したんですけど、あれ相当貴重でほとんど出回ってないんです。それで作ってみたら職人魂に火がついてしまいまして……」
「へー」
前に神の宿代でもらったことがあってユリスさんにあげたんだって……金属は使わないからほとんどユリスさんにあげ出るからよく覚えてないんだけどね。
「それでミスリルと言うんですが……魔の森の奥にあるかつては鉱山だったところに連れて行ってもらえませんか?そこでわずかに採掘できたそうなんです」
まー、ユリスさんには色々とお世話になってるし、この甲羅の胸当てや腕当ての使い心地も試してみたいし……瘴気さえどうにかなれば大丈夫かなー?あれ、そもそもユリスさんって戦えるのかな?
「ユリスさんって瘴気とかに耐性あります?魔の森は瘴気が濃いところも有るんですけど……」
うん、森の家は結界があるから気にしてなかったけど森の中をウロウロするなら聞いとかないと。
「あー、ないですね……」
「僕に任せて!ユリス1人くらいならなんとかできるよ!」
「おおー!」
まー、ブランが斥候の役目を果たしてくれるだろうし、キュリエルもなぜか行く気満々だし……なんとかなるかなー?
「リディはどう思う?」
「ん、任せる」
あ、そう……
「わかりました。危険だった場合、すぐに引き返すことを条件にしていいなら行きましょう。でも、その鉱山?の詳しい場所とかわからないんですけど……」
「もちろんです!だいたいの場所はわかってるので大丈夫です」
「じゃあ、いつ行きます?」
「明日にしよーよ!」
キュリエルなんでそんなに張り切ってるの?え?久々に好きにしてもいいところに行けるから?あっ、そう……いたずらも我慢してたもんね。
「じゃあ明日の朝、準備してうちの方に来てください」
「わかりました」
「あ、お昼も持ってきてくれると嬉しいです」
「準備して行きますね」
その後、リディとユリスさんによってパイが作られ大喜びしたことは言うまでもない。
◇ ◇ ◇
翌日
朝食を済ませ、防具を身につけていると……
「おはようございます」
「おはよー」
「「おはよう」」
ユリスさんの装備とか初めて見るわー……
「ユリスさん、武器はハンマーなんですか?」
「ええ、ハンマーが慣れているので……あっ、もちろん仕事用とは別物ですからね」
「はい。じゃあ早速出発しましょう。解体と荷物持ちは任せて!」
「ん」
「はい」
「しゅっぱーつ」
『お婿さんいるといいです!』
みんなの荷物を預かり出発……ユリスさんから預かったつるはしが大量で驚いた。うん、壊れてもたくさんあるから大丈夫ですだってよ。念には念をってことかな?あ、私もユリスさんが余ったという大きな甲羅をそのままストレージに放り込んだ。ほら、いざという時に盾にしようと思って。
ユリスさん曰くここから1、2時間の場所に鉱山があるらしい。
ユリスさんとキュリエル、リディ、ブラン、ライムそして私のメンバーだが、半分くらいはピクニック気分だったりして。
ユリスさんも約束通りお弁当も用意してくれたみたいだし、私も念のためポーションを多めに持ってきた。
道中もほとんど魔物に遭遇することはなく……遭遇してもユリスさんが倒してくれた。うん、めっちゃ強いんじゃね?え?集落ではこんなのゴロゴロいる?……ドワーフおそるべし。ただ、ほとんどのドワーフは報酬の酒目当てか必要な素材採取のためじゃないと動かないんだってさ……
そして地味にライムも強いし(解体する前に溶かそうとするから困ったけど)、キュリエルあんなに張り切ってたのが嘘のようにやる気ないし、リディとブランもしっかりついて行ってる。あれ、こんなに疲れてるの私だけ?がーん……体力の差かー。
はぁ……下手したら私、みんなに瞬殺されるレベルかも……怒らせないように気をつけよう。とくにキュリエル。だってキュリエルが本気出したら、上位ランクパーティでも戦えるか微妙らしい。倒せるかじゃなくて戦えるかだよ?やばいよね……
休憩を挟みつつ(ほぼ私のためだったよ)、しばらく進むと……
「あ、あれが鉱山の入り口だと思います」
「おおー……って結構、鬱蒼としてますね」
まー、すごい昔に森に飲み込まれたなら無理もないかー。
「中は暗い上、道が入り組んでいると思います。あまり離れず迷子になった場合は出来る限り動かないでください」
「わかりました」
「ん、わかった」
うん、鉱山に慣れているのは明らかにユリスさんだからね。大人しく従おう。
「魔物が住み着いている可能性もあります。危険な場合はすぐに引き返すのでそのつもりで」
「はい」
それぞれランプなどの灯を用意していよいよ鉱山に入ることとなった。
うん、魔結晶とかミスリルが見つかればいいなー。
1
お気に入りに追加
308
あなたにおすすめの小説

元勇者の俺と元魔王のカノジョがダンジョンでカップル配信をしてみた結果。
九条蓮@㊗再重版㊗書籍発売中
ファンタジー
異世界から帰還した元勇者・冴木蒼真(さえきそうま)は、刺激欲しさにダンジョン配信を始める。
異世界での無敵スキル〈破壊不可(アンブレイカブル)〉を元の世界に引き継いでいた蒼真だったが、ただノーダメなだけで見栄えが悪く、配信者としての知名度はゼロ。
人気のある配信者達は実力ではなく派手な技や外見だけでファンを獲得しており、蒼真はそんな〝偽者〟ばかりが評価される世界に虚しさを募らせていた。
もうダンジョン配信なんて辞めてしまおう──そう思っていた矢先、蒼真のクラスにひとりの美少女転校生が現れる。
「わたくし、魔王ですのよ」
そう自己紹介したこの玲瓏妖艶な美少女こそ、まさしく蒼真が異世界で倒した元魔王。
元魔王の彼女は風祭果凛(かざまつりかりん)と名乗り、どういうわけか蒼真の家に居候し始める。そして、とあるカップルのダンジョン配信を見て、こう言った。
「蒼真様とカップル配信がしてみたいですわ!」
果凛のこの一言で生まれた元勇者と元魔王によるダンジョン配信チャンネル『そまりんカップル』。
無敵×最強カップルによる〝本物〟の配信はネット内でたちまち大バズりし、徐々にその存在を世界へと知らしめていく。
これは、元勇者と元魔王がカップル配信者となってダンジョンを攻略していく成り上がりラブコメ配信譚──二人の未来を知るのは、視聴者(読者)のみ。
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。
伯爵令嬢の秘密の知識
シマセイ
ファンタジー
16歳の女子高生 佐藤美咲は、神のミスで交通事故に巻き込まれて死んでしまう。異世界のルナリス伯爵家にミアとして転生し、前世の記憶と知識チートを授かる。魔法と魔道具を秘密裏に研究しつつ、科学と魔法を融合させた夢を追い、小さな一歩を踏み出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる