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サイドストーリー③皇太子の復讐2
しおりを挟む(母さんが...母さんが、コイツを...?)
「ほんと酷いよね。僕はただ、気に入らない奴を排除しただけなのにさぁ。でも楽しかったなぁ。アイツをいじめるの。」
ペラペラと僕をいじめていた時の話をするカグラに、怒りが湧いてくる。
しかしその怒りも、次の瞬間にはなくなった。
「しかも面白いのがさぁ、そいつが飛び降りた真下にアイツの親友くんがいて、一緒に死んじゃった事なんだよ!」
大きな雷でも落ちたような衝撃が身体を襲う。
「あれは滑稽だったよ!自殺したら自分が大切にしていた親友を殺しちゃったんだからさ!」
僕の異変に気付かずに話し続けるカグラの声も耳には届かず放心状態のまま時が過ぎ、話し疲れたカグラは眠っている。
カグラの傍にいたくなくて部屋を出て、誰も入って来れない自分だけのプライベートルームへと入った。
「っ...」
そして入った瞬間、今まで我慢していたものが溢れ出て止まらない。
「っ...僕が...僕が晴人をっ...!」
悲しみと罪悪感とが入り交じり、苦しくて胸を抑える。
「母さんも...ごめん...!死んで...ごめっ...」
(僕が自殺したせいで晴人は死んでしまった...母さんが人殺しになってしまった...僕が...!!!)
薄暗い部屋の中、僕は声を押し殺しながら泣き続けた。
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