俺はモブなので。

バニラアイス

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復讐の為に

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「まさか、屋上から落ちてきた真白の下にいたとは。」

俺という人間は、つくづく運が悪いらしい。


「...ごめん。」

「それは何に対しての謝罪だ?」

「全部だよ。」

「あの事を気に病んでるなら俺は気にしてないぞ?偶然だったんだから。」

「それでも俺があのタイミングで飛び降りなければ、晴人は死ななかった!!!」

叫びながら立ち上がる真白は目に涙を溜めている。

「ごめん...ごめん、晴人...!」

涙を堪えきれず涙を流し始めた真白は、何度も謝罪の言葉を口にする。

「謝るな。」

「でもっ...」

「俺もごめん。」

「っ...なんで晴人が謝るんだよ!俺が...!」

俺は真白が何かを言い出す前に席を立ち、その身体を強く抱き締めた。

「お前の事、救ってやれなくてごめん。」

親友が自殺するほど追い詰められている事に気付く事ができなかった。

「...謝らないでよ。俺は自分で死を選んだだけ。今回だって晴人に酷い事をした、最低な人間なんだ。」

酷い事とは、俺に薬を盛って拉致した事だろう。

「何が最低だ。レイから聞いたぞ。お前、俺の事逃がそうとしてくれたんだろ?」

レイから聞いた話によると、真白...皇太子の馬車は隣国へ向かう道に壊れた状態で発見された。そして周りには死亡した騎士数名と気絶した皇太子の姿。

この事から皇太子はカグラと結託して俺を拉致した訳ではなく、俺をカグラの魔の手から逃がそうと拉致したがそれがカグラにバレて襲われたという事が容易に推測できる。

「...初めてカグラと目が合った時に気付いたんだ。カグラも俺と同じ転生者で、俺を虐めたアイツだって。」

「!!!」

そうだったのか...転生者だという事は分かっていたが、まさか真白を虐めたアイツだったとは思わなかった。

「その時に誓ったんだ。どんな犠牲を払おうと、あの男に復讐してやるってね。」

復讐。だから真白はカグラが好き勝手していても何も言わなかったのか。皇太子という地位を捨て、すべての人間に嫌悪の対象にされたとしても復讐を果たす為に。


「お前...馬鹿だな。」

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