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皇太子と俺の関係
しおりを挟む馬車が皇宮に着き、騎士と第二皇子と共に皇太子がいる部屋の前まで来ると、第二皇子が心配そうな表情で俺を見つめた。
「ここが兄上がいる部屋だ。...本当に一人で行くのか?」
「はい。二人きりで話がしたいんです。」
「分かった。クレノの意思を尊重する。
何かあったら叫ぶんだぞ。私は扉の前にいるから。」
「分かりました。」
第二皇子が騎士に命令し、扉を開ける。
「...やぁ。また会ったね、クレノくん。」
扉が閉まると、椅子に座っていた皇太子が笑顔で俺に挨拶した。
この短期間で少し痩せたようで、疲れているのか顔が窶れているように見える。
「何がクレノくんだ。」
「この世界ではクレノ・シアくんだろう?」
「その話し方もやめろ。」
「...気付いたんだ。」
「当たり前だろ。」
「前世の事、ほとんど覚えてなかったくせに。」
「お前に拉致されたから全部思い出したんだよ。」
「...じゃあ、俺に殺された事も...」
「あぁ。思い出したな。」
全部、思い出した。
俺が前世でどんな人生を送ってきたのか、どんな最後を迎えたのか。
お前が...
「お前が、俺の親友だって事もな。」
お前が前世の親友、神木真白だって事も。
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