俺はモブなので。

バニラアイス

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「どうして言っちゃったんですか!!」

第二皇子の爆弾発言の後、それはもうすごく大変だった。


『どういう事なの?!』

『あの...ええっと.....』

『あの第二皇子殿下と恋人?!出会いは!?いつから付き合ってるの!?』

『母さん....ちょっと落ち着いて.....』

『これが落ち着ける訳がないでしょう!!まさか私の息子が第二皇子と.....

もうキスはしたの?!』

『なんでそんな事自分の親に言わなきゃいけないんだよ!!!』

最終的には母がしつこすぎて口喧嘩したし、

『クレノ....本当に第二皇子殿下と恋人同士なのかい?』

『え!?あ~....、うん....一応.....』

『大丈夫なのか?本当は脅されてたり.....』

『してる訳ないだろ!!!』

母とは違い父と兄には、第二皇子に脅されていたり遊ばれているのではと心配されたが、それもそれで面倒くさかった。


(疲れた.....)

家族のおかげで俺は今どっと疲れているのだが、それもこれも全部第二皇子が家族に言ってしまったからだ。

「本当の事だろう?」

「そう...なんですけど....」

「なら問題ないだろう。本当の事を言って何が悪い。」

「でも順序ってものが.....って、何してるんですか!」

「クレノ不足を今補っている。」
    
俺が怒って話しているというのに、第二皇子は聞いていないのか俺を抱き締めた。


「殿下!俺怒って....んっ.....」

そして俺の言葉を遮って甘くて蕩けるようなキスをし始めた。


「ん...ふぅ....ぁ....はっ.....」

「数日ぶりのクレノはお菓子のように甘くて美味しいな。」

そう言って俺の唇にかぶりついてくる第二皇子に、怒っていた俺の感情は次第に和らいでいく。


「っ....はぁっ.....はっ.....」

唇を離され腰が抜けた俺を第二皇子が支えてくれる。

「可愛い。」

「っ....殿下.....」

俺から怒りの感情が消えた事に気付いたのか、第二皇子はもう一度口付けしようと顔を近付けてきた。


ガタン________.....


(.....ん?)

だが唇が触れそうになった瞬間何か物音が聞こえ、嫌な予感がした俺は扉の方へと顔を向けた。


「ちょっと、押さないで!バレちゃうじゃない!」

「父さん母さん、見えないからもうちょっと避けて!」

「息子が殿下とキス...そんな.....」

そんな声が聞こえ、俺は拳を強く握り震わせながら.....


「見てんじゃねぇ!!!」


気付いたら、家族に向かってそう大声で叫んでいた。

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