俺はモブなので。

バニラアイス

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正直に堂々と

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馬車が俺達の前で止まり、中からこの屋敷には似合わないような煌びやかな格好をした第二皇子が現れた。そして第二皇子は俺を見つけると、嬉しそうに笑顔を見せた。


「だ、第二皇子殿下、よ、ようこそ、いい、いらっしゃいました....ほ、本日はお、お日柄も良く.....」

父はとても緊張しているようで、震えながら小さく挨拶の言葉を述べる。

「レイ・スティードです。突然の訪問になってしまい申し訳ありませんでした。

本日からお世話になります。よろしくお願いします。」

第二皇子はいつもの無表情とは違い、にっこりと微笑んで父に握手を求める。

そんな笑顔の第二皇子を見た父は少し緊張が解けたのか笑顔になり、その握手に答えた。


「こ、こちらこそ、第二皇子殿下のような高貴な方に我が領地に来て頂けるなんて、有難い事です。ありがとうございます。」

「感謝だなんてそんな....今回の訪問は、ご挨拶も兼ねていますので。」

「あ、挨拶ですか?」

「えぇ。将来、家族になる方々への。」

「「「「.....え?」」」」

第二皇子の急な衝撃発言に、俺も家族達と一緒になって声を出してしまった。


「クレノから何も聞いていませんか?」

「へ?息子からですか?」

「えぇ。」

そう返事をした第二皇子は俺の腰に腕を回し、自分の方へと引き寄せる。


「私とクレノは、将来を誓い合った恋人同士なんですよ。」

第二皇子がまったく隠す事なく堂々とし過ぎていて、俺は固まったまま何も言えなかった。


「「「........えぇ!!??」」」

そして呆けていた俺を現実に戻したのは、家族達の大きな叫び声だった。

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