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ハンスさん
しおりを挟む「ハンスさん!!」
調理室の扉を開け、お目当ての人の背中が見えた俺は大声でその人の名前を呼んだ。
「おぉ、クレノ。」
振り返ったハンスさんは、俺を見て笑顔を見せた。
「久しぶりだな。元気にしてたか?」
「はい!ハンスさんも元気そうで良かったです!
それと、毎月お菓子を送って下さってありがとうございます!ハンスさんが作るお菓子全部美味しくて、毎月来るのが楽しみでした!」
「そ、そうか。それはよかった。」
食い気味の俺に若干引いているハンスさんは、苦笑いでそう言った。
ハンスさんは、俺が小さい頃から働いてくれている料理人だ。ずっと一人でこの家の料理やお菓子を作ってくれている。
そして俺は、そんなハンスさんのファンでもある。
料理もだが、ハンスさんが作るスイーツがとにかく大好きだし、優しくて俺が小さい頃一人で泣いている時は必ずお菓子を持ってきてくれた。
それに容姿もすごく整っていて、貴族の令嬢達に言い寄られている所を何度も目撃した。
そんなハンスさんが、俺は小さい頃から大好きなのである。
「そうだ。今ちょうどアップルパイが焼き上がったんだが、食べるか?」
「食べます!!」
「ちょっと待ってろ。」
そう言ってハンスさんは焼きたてのアップルパイを切り分け、皿に乗せて俺に渡してくれた。
「いただきます!」
一口食べると甘いリンゴとシナモンが口の中で広がり、たちまち俺に幸福をもたらしてくれる。
「っ!すっごく美味しい!!」
「だろ?今日は上手く焼けたんだ。
ほら、もっと食べて明日も頑張れよ。またお菓子用意しとくから。」
「はい!」
俺はハンスさんの言葉に喜び、それから毎日決まった時間に料理室に通った。
「大変よ!!!」
三日後、母のこの言葉を聞くまでは_______
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