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浮気を疑われて
しおりを挟む「んっ...は....、ちょ....んぁ....」
止まらないキスに、息が苦しくなる。
どうにかして押し返そうとするが、力が強くてビクともしない。
「ん゙んっ!!?....ぁ....はぁ....はぁ.....」
長いキスが終わり、足りなくなった酸素を吸って息を整える。
「はぁ.....、あ、あの....殿下?急にどうし....ひゃっ!?」
突然肩にキスをされ、思わず身体が跳ね上がる。
「......した。」
「え?」
「嫉妬した。」
(嫉妬....?)
「なんで....?」
「ちょうどクレノを見つけた時に、クレノとバーベル公爵令嬢が抱き締め合っているのを目撃した。」
「あ....」
まさかあれを見られてたなんて....
「クレノから抱きついていたな。」
「そ、それは....」
ハンカチが完成した喜びでつい....だなんて言える訳もなく、口ごもる。
「.....浮気か?」
「!!?ちがっ....!そんな訳ありません!!!」
(浮気なんて....絶対にありえないのに....)
あれを見たら浮気を疑われても仕方がないと思うのに、第二皇子から“浮気”という単語が出た瞬間、なぜか悲しくなり.....
「っ.....」
涙が出てきた。
「ではなぜ.....っ!!クレノっ......」
泣いている俺を見て、第二皇子は慌てて強く俺を抱き締めてくれた。
「ち....違う...んです....俺は、浮気なんてっ....」
「すまない。すまない、クレノ。」
「絶対に....絶対にしませんっ....!」
「....あぁ、分かっている。さっきのは、ほんの冗談のつもりで言ったんだったんだ。」
「冗談.....?」
「浮気なんて疑うわけがない。泣かせるつもりはなかったんだ、すまない。」
俺をなだめるように優しく頭を撫でてくれる第二皇子に安堵し、また涙が零れてきた。
「っ....うっ....」
「頼むから、もう泣かないでくれ。
私はクレノを信じているし、浮気なんて微塵も疑っていないから....柄にもなく冗談なんて言って、本当にすまなかった。」
「んっ....」
第二皇子は先ほどの深い口付けとは違い、今度は触れるだけの優しい口付けをした。
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