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隣国の第二皇女
しおりを挟むアメリア・クロンディアは、隣国の第二皇女の名だ。
そして兄であり攻略対象の一人でもあるジルベルト・クロンディアの妹で、ジルベルトルートの悪役。
「......??シア子爵令息?何か考え事ですか?」
「あ、いや!俺ってとことん悪役の人達に変な縁があるなと......じゃなくて!
まさかアメリア皇女様が俺みたいな子爵令息ごときに声を掛けてくださるなんて、思いもしなかったので....」
(薄紫色の髪に紫色の瞳なんて、隣国の皇族特有の色だっていうのに.......
俺のバカ!どうして一目見て気付かなかったんだよ!!)
見守り応援隊の人達の反応を見てもまったく気付かなかった自分を恨んだ。
「....実は子爵令息に私のお願いを聞いてほしくて、今回お声掛けさせていただきました。」
「願い....ですか?」
俺にできる事なんて限りなく少ないだろうに、一体どんな願いなのだろうか。
(確かゲーム内でのアメリア・クロンディアは自分の兄が好きすぎて監禁したり、逆に自分だけの傷を兄に付けたいとか考えて兄の背中に鞭を打ち付けたりするような、やばい性格をしてたよな......?)
今の華奢で可憐なアメリア・クロンディアからは想像できないが、ゲーム内ではそういう設定なのだ。
(....まさか、それを手伝えなんて言わないよな....?)
もしもそんな願い事をされたのなら、俺は速攻走って逃げようと身構えた。
「シア子爵令息。」
「は、はい......」
ゴクリと息を呑む。
「私と.......
......私と、お友達になっていただきたいの。」
「いや、さすがにそんな事は手伝えな.......はい?」
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