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アイアイガサ。【裏川×表】
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雨だ!
「おっはよー!佐野ちゃん佐野ちゃん!雨だねぇ!」
「光、おはよう。なんでそんなに嬉しそうなの?」
「だって雨ってさ、雨宿りに相合傘、濡れて透ける下着、びしょ濡れになった次の日風邪をひいて意中の人がお見舞いに...そんなシチュエーションの宝庫だよ!ドキドキの宝箱やでぇー!」
「ラブコメの見すぎでしょ。実際そんなの起こらないって。」
「わかんないよ!私だって裏川くんとあんなことやこんなことが...グヘヘヘヘ。」
「ところであれから裏川くんとは喋ったの?」
「もちろん!喋ったよ!」
「夢の中で?」
「ご名答!」
「ダメだこりゃ。」
何がダメなのかわかんないけど、とにかく今日は絶対にこの雨を利用して裏川くんとあんなことやこんなこと、ついでにそんなことまで...エヘヘヘヘヘヘ。
帰りのホームルームが終わり、今日は部活もないから早めに帰る。
ここが狙い目。
校舎玄関で裏川くんを発見。
ちゃんと傘を持ってることも確認した。
「裏川くーん!」
「お、表さん!?」
はああああああああああ!
裏川くんの振り向き姿かっこいいいいいいいいいいい!
尊い!
無理!
死ぬ!
「傘忘れちゃったんだー。入れてくれない?」
「良いけど、女子に入れてもらう方が良いんじゃない?」
「え?どうして?」
「いや、なんていうか、僕なんかと一緒にいると変な噂立っちゃうかもしれないし。」
「考えすぎだよー。それに...」
裏川くんなら変な噂立ってもいいよ。
なんてもちろん言えるわけない。
言いかけてめっちゃ恥ずかしいって気づいた。
「ごめん、なんでもない。行こっ!」
「う、うん。」
相合傘で歩き出す。
裏川くん、至近距離で見てもかっこいい...。
気を抜いたらヨダレが垂れそう...。
もう少し近づきたいな...。
「裏川くん、肩濡れてる。」
「ああ、平気だよ。これくらい。」
「ダメだよ。風邪ひいちゃう。もうちょっと寄るね。」
ぐっと近づいてみる。
今まさに、裏川くんの二の腕が私の肩に当たってる!
私は最高に幸せです!
このまま死んでも即座に成仏できる自信がある。
裏川くんは少し顔を赤くして私と逆方向を向いている。
はぁー、可愛い。
照れてるのかなー。
あと少しで裏川くんと別れる。
そんな時に悲劇が起きる。
狭い路地を歩いていると車が結構な速度で私たちを追い抜いた。
その時、車が水溜まりを通って車道側にいた私に雨水がかかった。
最悪...。
なんで最後まで最高な気分で終わらせてくれないんだろう。
「表さん、大丈夫?」
「あはは、平気平気。」
裏川くんは持っていたカバンの中から長袖の体操服を取り出した。
「これ着て。風邪ひくから。」
「え、でも。」
「今日間違えて持ってきただけで使ってないから。多分臭くないと思う。」
「う、うん。」
裏川くん、なんて優しいんだろう。
あれ、最悪だったけどこれ雨が齎すベタな恋愛シチュエーションなんじゃない?
なにこれ最高じゃん。
「あ、ごめん。キモイよね。」
「ううん、ありがとう。明日洗って返すね。」
ちょっとは裏川くんとの距離を縮められたかな。
そんな淡い期待を胸に、私たちはまた歩き出した。
ちなみに、次の日盛大に風邪をひいた。
「おっはよー!佐野ちゃん佐野ちゃん!雨だねぇ!」
「光、おはよう。なんでそんなに嬉しそうなの?」
「だって雨ってさ、雨宿りに相合傘、濡れて透ける下着、びしょ濡れになった次の日風邪をひいて意中の人がお見舞いに...そんなシチュエーションの宝庫だよ!ドキドキの宝箱やでぇー!」
「ラブコメの見すぎでしょ。実際そんなの起こらないって。」
「わかんないよ!私だって裏川くんとあんなことやこんなことが...グヘヘヘヘ。」
「ところであれから裏川くんとは喋ったの?」
「もちろん!喋ったよ!」
「夢の中で?」
「ご名答!」
「ダメだこりゃ。」
何がダメなのかわかんないけど、とにかく今日は絶対にこの雨を利用して裏川くんとあんなことやこんなこと、ついでにそんなことまで...エヘヘヘヘヘヘ。
帰りのホームルームが終わり、今日は部活もないから早めに帰る。
ここが狙い目。
校舎玄関で裏川くんを発見。
ちゃんと傘を持ってることも確認した。
「裏川くーん!」
「お、表さん!?」
はああああああああああ!
裏川くんの振り向き姿かっこいいいいいいいいいいい!
尊い!
無理!
死ぬ!
「傘忘れちゃったんだー。入れてくれない?」
「良いけど、女子に入れてもらう方が良いんじゃない?」
「え?どうして?」
「いや、なんていうか、僕なんかと一緒にいると変な噂立っちゃうかもしれないし。」
「考えすぎだよー。それに...」
裏川くんなら変な噂立ってもいいよ。
なんてもちろん言えるわけない。
言いかけてめっちゃ恥ずかしいって気づいた。
「ごめん、なんでもない。行こっ!」
「う、うん。」
相合傘で歩き出す。
裏川くん、至近距離で見てもかっこいい...。
気を抜いたらヨダレが垂れそう...。
もう少し近づきたいな...。
「裏川くん、肩濡れてる。」
「ああ、平気だよ。これくらい。」
「ダメだよ。風邪ひいちゃう。もうちょっと寄るね。」
ぐっと近づいてみる。
今まさに、裏川くんの二の腕が私の肩に当たってる!
私は最高に幸せです!
このまま死んでも即座に成仏できる自信がある。
裏川くんは少し顔を赤くして私と逆方向を向いている。
はぁー、可愛い。
照れてるのかなー。
あと少しで裏川くんと別れる。
そんな時に悲劇が起きる。
狭い路地を歩いていると車が結構な速度で私たちを追い抜いた。
その時、車が水溜まりを通って車道側にいた私に雨水がかかった。
最悪...。
なんで最後まで最高な気分で終わらせてくれないんだろう。
「表さん、大丈夫?」
「あはは、平気平気。」
裏川くんは持っていたカバンの中から長袖の体操服を取り出した。
「これ着て。風邪ひくから。」
「え、でも。」
「今日間違えて持ってきただけで使ってないから。多分臭くないと思う。」
「う、うん。」
裏川くん、なんて優しいんだろう。
あれ、最悪だったけどこれ雨が齎すベタな恋愛シチュエーションなんじゃない?
なにこれ最高じゃん。
「あ、ごめん。キモイよね。」
「ううん、ありがとう。明日洗って返すね。」
ちょっとは裏川くんとの距離を縮められたかな。
そんな淡い期待を胸に、私たちはまた歩き出した。
ちなみに、次の日盛大に風邪をひいた。
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