上 下
20 / 52

第20話ジェシカとアクアとアル

しおりを挟む
俺は家族みんなに、戦闘に参加した事を報告した後、アクアを交えて夕食を食べた。

アクアはご飯は食べられない事はないが俺の魔力の方が美味しいといい食べていない。
もちろん俺とアクアの席は隣同士。

そんな姿を見てジェシカ、姉さんはさっきからずっと不機嫌そうにご飯を食べている。

「おねーちゃんのことよりも他の女なの!?ありえないわっ!パクッ、パクッ」

そんな言葉を聞いて、やはり父さんであるジャックは少し悲しそうにご飯を食べていた。

それを見ていた母さんは父さんを宥める。

「あなた、もしかして息子に嫉妬してるの?情けないわねぇ~、私がいるからいいじゃない、ね?」


「そうだな、ありがとうスーザン」

「分かってくれるならいいのよ?ジャック!」

「スーザン!」


おいおい、夕食の席でも、イチャイチャかよ。
本当に戦闘があったのかと疑ってしまう。

まあ、でも水を差すのも悪いしね。今回はこのまま継続させておいてあげよう。







そうして数時間後、俺は2人の美少女に挟まれながらベッドに寝転んでいた。


なんで?ジェシカ姉さんは分かるけど、なんでアクアが横に寝ているんだ?


時は数十分前に遡る。


俺はジェシカ姉さんに私の部屋に来てと言われたので来た。

俺の後ろにいたアクアをみるや否や、姉さんはアクアに決闘を持ち込んだ。

その内容とは

俺を寝かすこと。


…………………。いや、そんなの無理だロォ!?精神年齢20歳越えの俺が美少女2人に挟まれておねんねするとか無理だロォ!いや無茶苦茶夢あるけどさぁ!でも、このチャンスを逃したら俺の夢が消え失せてしまうかもしれない。

俺はこの世界に来てから夢、というか目標があった。

簡単に並べてみるとこうだ。

・魔法を使って魔物を討伐して、崇められたい

・美少女とハーレムを作って結婚したい

・チートでびっくりさせてみたい

・冒険者になってみたい

・独立した貴族になりたい

・兄姉と仲良くしたい

今思いつくので大体こんな感じかな?

まあ、ほとんどラノベの知識からなんだけどね。
で、この兄姉と仲良くしたいっていうのは絶対に外せない。家族を大切にしないと後悔しちゃうからね。


まあ、そんな事もあって俺は家族の願いをできるだけ叶えたい。



姉さんは俺を寝かす事をアクアに言った。

アクアはウンウンとうなづく。


そうして、俺の合意のもとでジェシカ姉さんとアクアは俺を寝かせようとした。



そうして今に至る。


ちなみにアクアの周りにあった水滴は現在見当たらない。一体どんな生態なのだろうか。


「ねえ、アル?おねーちゃんのこと好き?」

「大好きだよ!」

「じゃあおねーちゃんの方にもっと寄ってきて?」

「分かった!」

異世界、ありがとう!


そうして姉さんの方に少しずつ寄っていく。
しかし、直後俺は硬直してしまった。

姉さんはネグリジェを着ていて所々危なっかしいところがある。それにドキりとしてしまった。

なるべくみないようにしないとな…。

「どうしたの?アル。ほらもっと寄っておいで?」

「う、うんっ!」

もうどうにでもなってしまえ。

そうして俺は目を瞑りながら姉さんの方に寄って行った。
姉さんは俺の右腕に手を絡めてきた。

俺は姉さんのその行動にびっくりして目を開けて姉さんを見た。

鼻血を出して、静かに寝息を立てていた。


「ど、どうしよう!?」

その時だった。

『私が治してあげるの』

アクアはみるみるうちに姉さんの鼻血を止めた。

っ!?どういうことだ?水の精霊は人を癒すことが出来るのか?

「アクア、水の精霊は癒すことが出来るのか?」

『出来るの。水の大精霊の私にとってはこんなの朝飯前なの!』

「そ、そうか」

水の精霊が傷を癒せるのは初めて知った。覚えておこう。


「姉さんも寝た事だし、寝るか」

そういうとアクアは俺の左腕に手を絡めて俺に言った。

『私もアルと寝たいの。魔力が美味しいの』

そんな笑顔で言われたら嬉しいに決まってるじゃないか。

「そうか、それじゃお休み」

『お休みなの』


とは言ったものの、そう簡単に寝られるはずもなく、夜は更けていった。















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

天才高校生は異世界で無双する!〜チートスキルと知識チートで異世界を変革するようです〜

ピョンきち
ファンタジー
季節は夏、主人公森崎健太は夏休み家族とともに豪華クルーズ客船に乗って世界一周旅行をしていたが、何者かにより船に時限爆弾が設置されていて、爆発。船底に穴が空き運悪く沈没。目を覚ますと目の前には女神を名乗る幼女がいて… 「君は死んじゃったから別の世界で生きてもらうね!」 見た目はそのまま、頭脳もそのまま、身体能力超強化!? これは世界に影響を与えるある一人の少年の 物語だ。 【読者様へのお願い】 初作品です。ご意見ありましたらビシバシ感想来てください!率直な意見がこの作品をより良くすることができます。よろしくお願いします! 僕の作品『前世が官僚』もよろしくお願いします! 『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも投稿させていただいております。そちらもお願いします。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

最強無双のまったりハーレムぶらり旅 ~森の引きこもりが本気出す~

たまゆら
ファンタジー
通称『死の森』で引きこもっていた主人公が、記憶喪失の少女を助ける。 それをきっかけに、主人公は少女と森を出て街へ繰り出す。 されど引きこもりの為、世界の仕組みがさっぱり分からない。 金は? 家は? 荷物持ちは!? そんな悩みを抱える度、都合よく現れるヒロイン達。 種族は色々。人間、エルフ、精霊、ドワーフ、何でもあり! 気が付くと、主人公の周りには多くの仲間(全員女)が集っていた。 ナチュラルに最強な主人公が、今日も元気に敵をぶっ飛ばす! ステータスありスキルありのノンストレスぶらり旅!

スキルが全ての世界で無能力者と蔑まれた俺が、《殺奪》のスキルを駆使して世界最強になるまで 〜堕天使の美少女と共に十の塔を巡る冒険譚〜

石八
ファンタジー
スキルが全ての世界で、主人公──レイは、スキルを持たない無能力者であった。 そのせいでレイは周りから蔑まされ、挙句の果てにはパーティーメンバーに見限られ、パーティーを追放させられる。 そんなレイの元にある依頼が届き、その依頼を達成するべくレイは世界に十本ある塔の一本である始まりの塔に挑む。 そこで待っていた魔物に危うく殺されかけるレイだが、なんとかその魔物の討伐に成功する。 そして、そこでレイの中に眠っていた《殺奪》という『スキルを持つ者を殺すとそのスキルを自分のものにできる』という最強のスキルが開花し、レイは始まりの塔で数多のスキルを手にしていく。 この物語は、そんな《殺奪》のスキルによって最強へと駆け上がるレイと、始まりの塔の最上階で出会った謎の堕天使の美少女が力を合わせて十本の塔を巡る冒険譚である。

異世界でいきなり経験値2億ポイント手に入れました

雪華慧太
ファンタジー
会社が倒産し無職になった俺は再就職が決まりかけたその日、あっけなく昇天した。 女神の手違いで死亡した俺は、無理やり異世界に飛ばされる。 強引な女神の加護に包まれて凄まじい勢いで異世界に飛ばされた結果、俺はとある王国を滅ぼしかけていた凶悪な邪竜に激突しそれを倒した。 くっころ系姫騎士、少し天然な聖女、ツンデレ魔法使い! アニメ顔負けの世界の中で、無職のままカンストした俺は思わぬ最強スキルを手にすることになったのだが……。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

処理中です...