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第7話:天才高校生は少女を助けるようです
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冒険者ギルドを出て東に向かうと、武器屋らしき店があった。店の中に入ってみると、頭にタオルを巻いて、目を爛々と輝かせたおっさんがこちらを見ていた。
「よう、いらっしゃい!武器を買いに来たのか?防具を買いに来たのか?それとも俺か?」
ケンタは思った。
絶対にこのおっさんは関わってはいけない人種なのだと。
すぐさま店を出ようとすると、おっさんは猛スピードで駆け寄ってきて、俺の手を取り必死に懇願してきた。
「ま、待ってくれ!今のはほんの冗談のつもりだったんだ!武器値引きしてやるから買ってくれねぇか?うちにも家内と子供がいるんだ!収入がなきゃやっていけねぇんだ!」
「え、奥さんいたのに、それでも飽き足らずこの俺にアピールしてきたのか?」
「だ、だから冗談だったんだよ、なんだよその目は!まるで汚物を見るような目で俺を見ないでくれ!」
「ごめんごめん、ちょっとからかいすぎたよ。」
「ちっ、お前も人が悪りぃな、で何を買いに来たんだ?」
「武器を買いに来た。できれば剣と短剣が欲しい。」
「予算は?」
「銀貨3枚だ。」
「…………………、まじ?」
「まじだ。」
ケンタは当然のように答えるが、武器は普通金貨1枚以上するのだ。
「銀貨3枚でよく剣と短剣を買えると思ったな?」
「買えないのか?」
「あたりまえだろーが!」
「ならこっちにも考えがある。今から外に出て、町中に武器屋のおっさんは奥さんがいるのに男に手を出したと言いふらしてくる。」
「ちょ、ちょっとまて!いくらなんでもそれはひどいぞ!」
「なら、取引だ。」
そういいつつケンタは悪いことを考えている笑みで武器屋のおっさんの双眸を射抜き続ける。
「俺は俺とおっさんの間にあった不祥事を口外しない代わりに、おっさんは銀貨3枚で剣と短剣を買わせろ。ちなみにこれ以上の譲歩はない。」
交渉は先に条件を提示した方が話を有利に進められる傾向があり、相手を精神的に追い込ませ、条件を飲ませることができる。ケンタはそのくらいのことは知っていた。
おっさんはしょんぼりしながらうなづいた。
「こっから好きなもんを1本ずつ選べ。」
そうして、言われたところから、剣と短剣を探していこうと思っていたらふと気づく。
鑑定使えるんじゃね?
ということで、鑑定を使ってみると面白いものがあった。
名称 始まりの剣
説明 所有者とともに成長していく剣。
限界はない。
名称 始まりの短剣
説明 所有者とともに成長していく短剣
限界はない
「おっさん、これもらえるか?」
「ん?ああ、いいぞ。知り合いからもらったものでな。なんでも、剣が弱すぎるとか言ってたけど、それでもいいのか?」
「ああ、これがいい。銀貨3枚でこれを買う。」
そう言っておっさんに銀貨3枚を渡し、店を出た。剣には鞘がないので、一応路地裏に行って、スキル『無限収納』を発動し、剣をしまい、その後クエストを受けるため、昨日と同じ北門へ向かった。兵士にギルドカードを見せた後、魔の大森林に向かった。
魔の大森林の中に入り、クエストであるホーンラビットの討伐を達成するために、くまなく探しているがなかなか見当たらない。
「くそー、全然みつからねぇーなー、いや待てよ?見つけれなかったら、探せればいいんだよな?」
そうして作られました、スキル『探知魔法』
『探知魔法』を使うと一瞬でホーンラビットを見つけることができた。
『無限収納』から剣を取り出し、ホーンラビットを剣で切り裂き、一瞬で絶命した。ケンタの筋力に耐えられる魔物はそうそういないだろう。
そのあとホーンラビットのツノを短剣で切り取り無限収納に入れた。
ホーンラビットを見つけては同じようなことを繰り返し、探知魔法で捉えられる範囲にいたホーンラビットは姿を消した。
ケンタは満足して魔の大森林から宿をとっているエアフルトに帰ろうと踵を返し歩き始めようとすると、大森林の奥の方から大きな叫び声が聞こえた。
「ヴォオオオオオオオーン」
ケンタは聞いたことのない叫び声を聞いて一瞬たじろいだが、魔物なら討伐したほうがお金になっていいのでは?と思い、もう一度踵を返し声の聞こえた方向に走り出した。
しばらく走っていると、1人の少女が剣を振り回し、何かの集団と闘っているのが見えた。
気になって鑑定してみると、
名称 オーク×12
ランク Cランク魔物
筋力 350
魔力 120
知力 50
敏捷 30
基礎スキル 身体能力強化・大
と出てきた。
「オークってでかいな、しかも人型だし。」
事実およそ3メートルほどの巨大にあふれんばかりの肉をつけていた。
ケンタはあのムキオより筋肉があるのか?
と思っていると、少女がオークの集団に突き飛ばされて尻餅をついてしまっていた。足が固まって動かないようで焦っているように見える。ケンタは少女を助けるべく、慌てて剣を無限収納から取り出して走り出し、少女の前にいるオークたちに目を向けた。オークはケンタを食料としてしか見ていなかった。あんなにうまかったオークのステーキが台無しだ。
「今からお前たちを倒す!」
大声で宣言して、その言葉が分かったかはわからないがオークたちも突進してきた。ケンタは森崎家の嫡男として、殺人術を学んでいた。オークも人型なので首を掻っ切れば、絶命する。首までの高さを飛ばないといけないが。
そんなケンタに対して、オークはなすすべなく首を掻っ切られその命を大森林に散らした。剣が強くなったと感じた。
オークは食材になるので血抜きをしてから無限収納に入れた。
改めて少女を見ると、気絶していた。ケンタが現れて緊張の糸が途切れてしまったのだろう。美しい顔立ちで、その中にもすこし幼さが残っている。金髪ショートヘアで身長は160ほどの小柄な美少女で肌もきめ細やかで、服から出ているその肢体は男を悩ませるほどのスタイルであった。その顔を見た瞬間、胸がザワっとした。
この感じは一体なんだろうと思っていると
少女が目を覚ます。
「貴方はいったい、何者?オーク十数匹を相手に一歩も引かなかったその度胸、素晴らしいわ。あれそういえばオークはどこに行ったのかしら?」
気絶していたのに随分と頭が回るなと思いながらケンタは答えた。
「ああ、俺はケンタ。今はエアフルトを拠点に活動している冒険者だ。」
「申し遅れました。わたくしは、エアフルト公爵家が次女リディア・フォン・エアフルトと申します。助けていただき感謝します。」
「ま、まさかお貴族様でしたか。ご無礼をお許し下さい。」
「構いません。貴方はわたくしの命の恩人であられます。普段通りの言葉で構いませんよ。」
そう言われてケンタは口調をもとに戻す。
「わかった。それで何でお貴族様であるリディアがこんなところにいるんだ?」
「い、いきなり名前呼びですか。ふふっ、こんなお方に言われては、心が動かされますね。」
「名前はダメか、なら名字で…」
「いえっ、名前呼びで結構です!むしろ名前で呼んでください!」
リディアは顔を紅くしてケンタを見つめる。
「ま、まあ、分かった。それでリディアはどうしてこんな危険そうな魔の大森林に1人でいたんだ?」
「ええ、貴族は15歳になると例外はありますが男女ともに魔物を1人で狩るのです。一流の貴族と認められるには、15歳までに魔法や剣術を極め、15歳になるとその実力を試すために魔物を狩らなければならないのです。そして今日私は15歳になり、魔物を狩るために、この魔の大森林まで来たのですが、まさか、オーク十数匹どう遭遇するなんて、本当に運が悪かったのでしょう。いやでも貴方さまに助けられたからよかったのかな?」
なんか最後の方は小さくて聞こえなかったが大体のことを把握したケンタは答える。
「そうか、災難だったな。ここにずっといてもまた魔物に襲われるかもしれない。早くこの森を出たほうがいいだろう。」
そう言って、エアフルトに向けて歩き始めようとすると手が握られる。
「な、なんだ?」
「え、えっと、その、魔物に襲われて怖くて、貴方と手を繋いでいれば、だ大丈夫だと思うんです!」
そう恥ずかしがりながらも言い切ったリディアは頬がとても紅くなっていて、すこしソワソワしている。
ケンタはそんな姿を見て断り辛くなり、その申し出を受け入れた。
そうして2人は顔を紅くし、ソワソワしながら魔の大森林を出て、エアフルトに戻るのだった。
「よう、いらっしゃい!武器を買いに来たのか?防具を買いに来たのか?それとも俺か?」
ケンタは思った。
絶対にこのおっさんは関わってはいけない人種なのだと。
すぐさま店を出ようとすると、おっさんは猛スピードで駆け寄ってきて、俺の手を取り必死に懇願してきた。
「ま、待ってくれ!今のはほんの冗談のつもりだったんだ!武器値引きしてやるから買ってくれねぇか?うちにも家内と子供がいるんだ!収入がなきゃやっていけねぇんだ!」
「え、奥さんいたのに、それでも飽き足らずこの俺にアピールしてきたのか?」
「だ、だから冗談だったんだよ、なんだよその目は!まるで汚物を見るような目で俺を見ないでくれ!」
「ごめんごめん、ちょっとからかいすぎたよ。」
「ちっ、お前も人が悪りぃな、で何を買いに来たんだ?」
「武器を買いに来た。できれば剣と短剣が欲しい。」
「予算は?」
「銀貨3枚だ。」
「…………………、まじ?」
「まじだ。」
ケンタは当然のように答えるが、武器は普通金貨1枚以上するのだ。
「銀貨3枚でよく剣と短剣を買えると思ったな?」
「買えないのか?」
「あたりまえだろーが!」
「ならこっちにも考えがある。今から外に出て、町中に武器屋のおっさんは奥さんがいるのに男に手を出したと言いふらしてくる。」
「ちょ、ちょっとまて!いくらなんでもそれはひどいぞ!」
「なら、取引だ。」
そういいつつケンタは悪いことを考えている笑みで武器屋のおっさんの双眸を射抜き続ける。
「俺は俺とおっさんの間にあった不祥事を口外しない代わりに、おっさんは銀貨3枚で剣と短剣を買わせろ。ちなみにこれ以上の譲歩はない。」
交渉は先に条件を提示した方が話を有利に進められる傾向があり、相手を精神的に追い込ませ、条件を飲ませることができる。ケンタはそのくらいのことは知っていた。
おっさんはしょんぼりしながらうなづいた。
「こっから好きなもんを1本ずつ選べ。」
そうして、言われたところから、剣と短剣を探していこうと思っていたらふと気づく。
鑑定使えるんじゃね?
ということで、鑑定を使ってみると面白いものがあった。
名称 始まりの剣
説明 所有者とともに成長していく剣。
限界はない。
名称 始まりの短剣
説明 所有者とともに成長していく短剣
限界はない
「おっさん、これもらえるか?」
「ん?ああ、いいぞ。知り合いからもらったものでな。なんでも、剣が弱すぎるとか言ってたけど、それでもいいのか?」
「ああ、これがいい。銀貨3枚でこれを買う。」
そう言っておっさんに銀貨3枚を渡し、店を出た。剣には鞘がないので、一応路地裏に行って、スキル『無限収納』を発動し、剣をしまい、その後クエストを受けるため、昨日と同じ北門へ向かった。兵士にギルドカードを見せた後、魔の大森林に向かった。
魔の大森林の中に入り、クエストであるホーンラビットの討伐を達成するために、くまなく探しているがなかなか見当たらない。
「くそー、全然みつからねぇーなー、いや待てよ?見つけれなかったら、探せればいいんだよな?」
そうして作られました、スキル『探知魔法』
『探知魔法』を使うと一瞬でホーンラビットを見つけることができた。
『無限収納』から剣を取り出し、ホーンラビットを剣で切り裂き、一瞬で絶命した。ケンタの筋力に耐えられる魔物はそうそういないだろう。
そのあとホーンラビットのツノを短剣で切り取り無限収納に入れた。
ホーンラビットを見つけては同じようなことを繰り返し、探知魔法で捉えられる範囲にいたホーンラビットは姿を消した。
ケンタは満足して魔の大森林から宿をとっているエアフルトに帰ろうと踵を返し歩き始めようとすると、大森林の奥の方から大きな叫び声が聞こえた。
「ヴォオオオオオオオーン」
ケンタは聞いたことのない叫び声を聞いて一瞬たじろいだが、魔物なら討伐したほうがお金になっていいのでは?と思い、もう一度踵を返し声の聞こえた方向に走り出した。
しばらく走っていると、1人の少女が剣を振り回し、何かの集団と闘っているのが見えた。
気になって鑑定してみると、
名称 オーク×12
ランク Cランク魔物
筋力 350
魔力 120
知力 50
敏捷 30
基礎スキル 身体能力強化・大
と出てきた。
「オークってでかいな、しかも人型だし。」
事実およそ3メートルほどの巨大にあふれんばかりの肉をつけていた。
ケンタはあのムキオより筋肉があるのか?
と思っていると、少女がオークの集団に突き飛ばされて尻餅をついてしまっていた。足が固まって動かないようで焦っているように見える。ケンタは少女を助けるべく、慌てて剣を無限収納から取り出して走り出し、少女の前にいるオークたちに目を向けた。オークはケンタを食料としてしか見ていなかった。あんなにうまかったオークのステーキが台無しだ。
「今からお前たちを倒す!」
大声で宣言して、その言葉が分かったかはわからないがオークたちも突進してきた。ケンタは森崎家の嫡男として、殺人術を学んでいた。オークも人型なので首を掻っ切れば、絶命する。首までの高さを飛ばないといけないが。
そんなケンタに対して、オークはなすすべなく首を掻っ切られその命を大森林に散らした。剣が強くなったと感じた。
オークは食材になるので血抜きをしてから無限収納に入れた。
改めて少女を見ると、気絶していた。ケンタが現れて緊張の糸が途切れてしまったのだろう。美しい顔立ちで、その中にもすこし幼さが残っている。金髪ショートヘアで身長は160ほどの小柄な美少女で肌もきめ細やかで、服から出ているその肢体は男を悩ませるほどのスタイルであった。その顔を見た瞬間、胸がザワっとした。
この感じは一体なんだろうと思っていると
少女が目を覚ます。
「貴方はいったい、何者?オーク十数匹を相手に一歩も引かなかったその度胸、素晴らしいわ。あれそういえばオークはどこに行ったのかしら?」
気絶していたのに随分と頭が回るなと思いながらケンタは答えた。
「ああ、俺はケンタ。今はエアフルトを拠点に活動している冒険者だ。」
「申し遅れました。わたくしは、エアフルト公爵家が次女リディア・フォン・エアフルトと申します。助けていただき感謝します。」
「ま、まさかお貴族様でしたか。ご無礼をお許し下さい。」
「構いません。貴方はわたくしの命の恩人であられます。普段通りの言葉で構いませんよ。」
そう言われてケンタは口調をもとに戻す。
「わかった。それで何でお貴族様であるリディアがこんなところにいるんだ?」
「い、いきなり名前呼びですか。ふふっ、こんなお方に言われては、心が動かされますね。」
「名前はダメか、なら名字で…」
「いえっ、名前呼びで結構です!むしろ名前で呼んでください!」
リディアは顔を紅くしてケンタを見つめる。
「ま、まあ、分かった。それでリディアはどうしてこんな危険そうな魔の大森林に1人でいたんだ?」
「ええ、貴族は15歳になると例外はありますが男女ともに魔物を1人で狩るのです。一流の貴族と認められるには、15歳までに魔法や剣術を極め、15歳になるとその実力を試すために魔物を狩らなければならないのです。そして今日私は15歳になり、魔物を狩るために、この魔の大森林まで来たのですが、まさか、オーク十数匹どう遭遇するなんて、本当に運が悪かったのでしょう。いやでも貴方さまに助けられたからよかったのかな?」
なんか最後の方は小さくて聞こえなかったが大体のことを把握したケンタは答える。
「そうか、災難だったな。ここにずっといてもまた魔物に襲われるかもしれない。早くこの森を出たほうがいいだろう。」
そう言って、エアフルトに向けて歩き始めようとすると手が握られる。
「な、なんだ?」
「え、えっと、その、魔物に襲われて怖くて、貴方と手を繋いでいれば、だ大丈夫だと思うんです!」
そう恥ずかしがりながらも言い切ったリディアは頬がとても紅くなっていて、すこしソワソワしている。
ケンタはそんな姿を見て断り辛くなり、その申し出を受け入れた。
そうして2人は顔を紅くし、ソワソワしながら魔の大森林を出て、エアフルトに戻るのだった。
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