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第10章 アマビリスの乙女
18 急展開
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「おい、もしかしてあの女――」
「はい。フランさんの元へ向かったのでしょう」
急展開な状況についていけない中、レヴィ君とテオ先輩の会話が耳に入ってきてハッとした。
今のって、ワープ…!?
魔法道具を用いての使用は初めて見たけれど、間違いない。
ワープする事自体は可能だが、魔力を多量に使用する為、発動させると魔力の消耗が激しい魔法。
それを魔法道具のみで可能にしているという事は、それだけの魔力があの道具には込められていた、と言う事になる。
そう考えればやはりあの魔法道具はただの魔法道具ではない、そう言えた。
先輩は町で商人に貰った、と言っていたがその商人がそもそも怪しい。
最終的にその人物が何者なのか、そこも突き止めなければならないだろうけれど、今優先すべきはそこではなく、ベラ先輩の方で。
向かった先は明確なものの私達も急がなくてはならない。正気ではないあの状態の先輩では、何をしでかすか分かったものではない。
「皆、直ぐにベラ先輩の後を追いますので、私に近づいて下さい」
私は頭をフル回転させて暫し思考すると、直ぐに行動に移す。
私がしようとしている事は簡単で、先輩と同じようにして後を追うって事。端的に言えばこちらもワープで飛ぶという話だ。
「まさかワープ魔法を使用するつもりですか?あれは使用後の消耗が激しい。向こうへ飛べたとしても、その後直ぐに戦闘となる可能性もあります」
しかし、私のその一言だけで、私が何をしようとしているのかに勘付いたらしいテオ先輩は、やはりと言って良い程良い顔はしない。
すかさず制止の声が掛かったが、今ここで足止めを食らっている時間はない。
私も負けじと彼に言い返す。
「分かっています。ですから魔法を使用するのは、今この場では私が一番適任です。
私はこれでも魔力は豊富ですし、防御力は高いと自負しています。ですが戦闘向きではありません。
それならば向こうへ着いた時に、テオ先輩の言う戦闘になった場合を考えて、動ける人は魔力を温存しておいた方が懸命な判断だと私は思います。
だからお願いします。今は一刻を争う状況。尚更時間を無駄には出来ません」
一斉の反論を許さぬ勢いで最後まで私が言い切ると、流石のテオ先輩も言葉を詰まらせてしまっていた。ぽかんとした表情で固まっている。
けれど今はそれで良い。
「全く…、お前は本当に一度決めると折れないよな」
「我が妹ながら可愛いだけじゃなくてとても頼もしいわ。本当に自慢の妹よ」
緊迫した空気の中、場違いな程に呑気な二人の声が響く。
レヴィ君と姉様はまたいつもの事か、とでも言わんばかりに慣れた様子で私の傍に近づいた。
「もういつもの事でしょう。
テオ先輩も、行きましょう」
通常運転過ぎる二人につられてつい私も笑ってしまい、気づけばいつものように返事を返していた。
何だか私の扱いを熟知しているような感じだったけど、気にしない事にしよう。
私は今一度テオ先輩に視線を向け、彼と向き合った。
「…分かりました。行きましょう」
少し間があって、私の本気が伝わったのかテオ先輩は「全く、貴方という人は」と言いつつも頷くと、姉様達同様に私の傍に寄った。
その事に内心嬉しく思いながら、私は深く深呼吸をし、意識を集中させる為目を閉じた。
向かうは先日私自身も訪れたシェルバート伯爵邸。ここからはそれなりに距離があるが、一度訪れた事がある場所の為、そこまでワープするのは難しくない。初めての場所はそうもいかないが。
――飛びたい場所をイメージして、魔力を緻密にコントロールしていく。
後はタイミングとそれに合わせて魔法を発動させるだけ。
口にするのは簡単だがとても難しく高度な魔法であり、少しでも狂えば全く別の場所へ飛んでしまう可能性もある。
でも大丈夫。今の私には成功する未来しか見えていない程自信しかないのだから。
さあ行こう。姉様の大切な人を救いに――。
「では行きます!」
皆に声を掛けると同時、私は魔法を発動させたのだった。
一瞬の眩さと浮遊感――そして目を開ければ、そこには先日訪れた記憶に新しいシェルバート伯爵邸。
…成功だっ!
思っていた通りワープが成功し、ホッとするのも束の間。
「…っ!!」
一気に魔力を使用した事による反動が身体を襲った。
症状としては身体を動かせない程の倦怠感。それが一斉に押し寄せてきて流石に耐えきれずに、私はその場に蹲ってしまった。
…覚悟はしていたけれど、やっぱり中々に苦しい、かな。
身体とは異なり、至って冷静な頭は他人事のようにそんな事を思い苦笑が漏れる。
そんな私の状態に一早く姉様が気が付き、真っ先に声を掛けてきた。
「エル、大丈夫!?」
心配をしてくれる姉様に申し訳なく思いながらも、私は苦し紛れにも大丈夫、と笑みを浮かべて言った。
「……少し休んだら、大丈夫だと思います。
…姉様達は先に行って下さい。直ぐに追いつきますので」
あれだけ啖呵を切ったのに情けなくも、今はそう言うのが精一杯だった。
「でも……」
優しい姉様。大切な人の元に直ぐにでも向かいたいはずなのに、私を心配してその場から動こうとしない。彼は直ぐ目の先にいるというのに。
彼は姉様を待っている。きっと。
だからこそ姉様には先に行って欲しい。
大丈夫だから、そう言いたいのに上がった息が邪魔をして言葉にならない。
そんな時。
「俺がエルを見てる。だから二人は先に行っててくれ」
その声と共に蹲った私に影がかかった。ハッと顔を上げれば、そこには真剣な目で二人を諭すレヴィ君の横顔があって。
――その瞬間、私は息をする方法を忘れてしまった。
「分かりました。エルシアさんの事はお願いします。
アメリアさんの事は私が守りますのでご安心を」
「ああ、頼んだ先輩」
ほーっとしてしまった私を置いてけぼりに繰り広げられる会話。
けれど、では行きましょうアメリアさん、と言って姉様を促してくれたテオ先輩には感謝している。
察してくれたのだろうと思うが、そんな先輩を私は素直に尊敬する。
遠ざかる二人の背中。
…レヴィ、エルの事お願いね、と姉様は最後まで心配そうにしていたが、それでもテオ先輩に促されると、漸く邸へと向かって行った。
二人の姿が邸の中へと消えて行くと、緊張の糸が切れたとでも言うのか、尚の事少し眩暈までしてきて身体が辛くなった気がする。
「全く…。本当にお前は無茶ばかりするよな。後先考えないお転婆娘が」
「…あれ、何か凄い責められてます……?」
「当たり前だろ。ああ、エルが後先考えないお転婆娘なんて、今に始まった事でもなかったな」
痛い所をつかれてしまい、良い良い訳も思いつかなくて、もう笑って誤魔化すしかない。
でもレヴィ君もレヴィ君だ。そんなに言うのなら、私を置いて二人と先に行っても良いのに、彼はそうしない。顔にも出さないけれど心配してくれているんだって分かる。
何だかんだ言いつつも彼は優しいのだ。
「少し休めば大丈夫って言うのは本当なんだろ?なら休憩したら俺達も直ぐに行くぞ」
まだ体力が回復しない私の隣に態々屈んで様子を伺うレヴィ君。
「…レヴィ君、ごめんなさい。それから、ありがとうございます」
いつも通りの些細な会話。
けれど私がお礼を告げれば、レヴィ君の頬は朱に染まり照れたような仕草を見せるのだった。
「はい。フランさんの元へ向かったのでしょう」
急展開な状況についていけない中、レヴィ君とテオ先輩の会話が耳に入ってきてハッとした。
今のって、ワープ…!?
魔法道具を用いての使用は初めて見たけれど、間違いない。
ワープする事自体は可能だが、魔力を多量に使用する為、発動させると魔力の消耗が激しい魔法。
それを魔法道具のみで可能にしているという事は、それだけの魔力があの道具には込められていた、と言う事になる。
そう考えればやはりあの魔法道具はただの魔法道具ではない、そう言えた。
先輩は町で商人に貰った、と言っていたがその商人がそもそも怪しい。
最終的にその人物が何者なのか、そこも突き止めなければならないだろうけれど、今優先すべきはそこではなく、ベラ先輩の方で。
向かった先は明確なものの私達も急がなくてはならない。正気ではないあの状態の先輩では、何をしでかすか分かったものではない。
「皆、直ぐにベラ先輩の後を追いますので、私に近づいて下さい」
私は頭をフル回転させて暫し思考すると、直ぐに行動に移す。
私がしようとしている事は簡単で、先輩と同じようにして後を追うって事。端的に言えばこちらもワープで飛ぶという話だ。
「まさかワープ魔法を使用するつもりですか?あれは使用後の消耗が激しい。向こうへ飛べたとしても、その後直ぐに戦闘となる可能性もあります」
しかし、私のその一言だけで、私が何をしようとしているのかに勘付いたらしいテオ先輩は、やはりと言って良い程良い顔はしない。
すかさず制止の声が掛かったが、今ここで足止めを食らっている時間はない。
私も負けじと彼に言い返す。
「分かっています。ですから魔法を使用するのは、今この場では私が一番適任です。
私はこれでも魔力は豊富ですし、防御力は高いと自負しています。ですが戦闘向きではありません。
それならば向こうへ着いた時に、テオ先輩の言う戦闘になった場合を考えて、動ける人は魔力を温存しておいた方が懸命な判断だと私は思います。
だからお願いします。今は一刻を争う状況。尚更時間を無駄には出来ません」
一斉の反論を許さぬ勢いで最後まで私が言い切ると、流石のテオ先輩も言葉を詰まらせてしまっていた。ぽかんとした表情で固まっている。
けれど今はそれで良い。
「全く…、お前は本当に一度決めると折れないよな」
「我が妹ながら可愛いだけじゃなくてとても頼もしいわ。本当に自慢の妹よ」
緊迫した空気の中、場違いな程に呑気な二人の声が響く。
レヴィ君と姉様はまたいつもの事か、とでも言わんばかりに慣れた様子で私の傍に近づいた。
「もういつもの事でしょう。
テオ先輩も、行きましょう」
通常運転過ぎる二人につられてつい私も笑ってしまい、気づけばいつものように返事を返していた。
何だか私の扱いを熟知しているような感じだったけど、気にしない事にしよう。
私は今一度テオ先輩に視線を向け、彼と向き合った。
「…分かりました。行きましょう」
少し間があって、私の本気が伝わったのかテオ先輩は「全く、貴方という人は」と言いつつも頷くと、姉様達同様に私の傍に寄った。
その事に内心嬉しく思いながら、私は深く深呼吸をし、意識を集中させる為目を閉じた。
向かうは先日私自身も訪れたシェルバート伯爵邸。ここからはそれなりに距離があるが、一度訪れた事がある場所の為、そこまでワープするのは難しくない。初めての場所はそうもいかないが。
――飛びたい場所をイメージして、魔力を緻密にコントロールしていく。
後はタイミングとそれに合わせて魔法を発動させるだけ。
口にするのは簡単だがとても難しく高度な魔法であり、少しでも狂えば全く別の場所へ飛んでしまう可能性もある。
でも大丈夫。今の私には成功する未来しか見えていない程自信しかないのだから。
さあ行こう。姉様の大切な人を救いに――。
「では行きます!」
皆に声を掛けると同時、私は魔法を発動させたのだった。
一瞬の眩さと浮遊感――そして目を開ければ、そこには先日訪れた記憶に新しいシェルバート伯爵邸。
…成功だっ!
思っていた通りワープが成功し、ホッとするのも束の間。
「…っ!!」
一気に魔力を使用した事による反動が身体を襲った。
症状としては身体を動かせない程の倦怠感。それが一斉に押し寄せてきて流石に耐えきれずに、私はその場に蹲ってしまった。
…覚悟はしていたけれど、やっぱり中々に苦しい、かな。
身体とは異なり、至って冷静な頭は他人事のようにそんな事を思い苦笑が漏れる。
そんな私の状態に一早く姉様が気が付き、真っ先に声を掛けてきた。
「エル、大丈夫!?」
心配をしてくれる姉様に申し訳なく思いながらも、私は苦し紛れにも大丈夫、と笑みを浮かべて言った。
「……少し休んだら、大丈夫だと思います。
…姉様達は先に行って下さい。直ぐに追いつきますので」
あれだけ啖呵を切ったのに情けなくも、今はそう言うのが精一杯だった。
「でも……」
優しい姉様。大切な人の元に直ぐにでも向かいたいはずなのに、私を心配してその場から動こうとしない。彼は直ぐ目の先にいるというのに。
彼は姉様を待っている。きっと。
だからこそ姉様には先に行って欲しい。
大丈夫だから、そう言いたいのに上がった息が邪魔をして言葉にならない。
そんな時。
「俺がエルを見てる。だから二人は先に行っててくれ」
その声と共に蹲った私に影がかかった。ハッと顔を上げれば、そこには真剣な目で二人を諭すレヴィ君の横顔があって。
――その瞬間、私は息をする方法を忘れてしまった。
「分かりました。エルシアさんの事はお願いします。
アメリアさんの事は私が守りますのでご安心を」
「ああ、頼んだ先輩」
ほーっとしてしまった私を置いてけぼりに繰り広げられる会話。
けれど、では行きましょうアメリアさん、と言って姉様を促してくれたテオ先輩には感謝している。
察してくれたのだろうと思うが、そんな先輩を私は素直に尊敬する。
遠ざかる二人の背中。
…レヴィ、エルの事お願いね、と姉様は最後まで心配そうにしていたが、それでもテオ先輩に促されると、漸く邸へと向かって行った。
二人の姿が邸の中へと消えて行くと、緊張の糸が切れたとでも言うのか、尚の事少し眩暈までしてきて身体が辛くなった気がする。
「全く…。本当にお前は無茶ばかりするよな。後先考えないお転婆娘が」
「…あれ、何か凄い責められてます……?」
「当たり前だろ。ああ、エルが後先考えないお転婆娘なんて、今に始まった事でもなかったな」
痛い所をつかれてしまい、良い良い訳も思いつかなくて、もう笑って誤魔化すしかない。
でもレヴィ君もレヴィ君だ。そんなに言うのなら、私を置いて二人と先に行っても良いのに、彼はそうしない。顔にも出さないけれど心配してくれているんだって分かる。
何だかんだ言いつつも彼は優しいのだ。
「少し休めば大丈夫って言うのは本当なんだろ?なら休憩したら俺達も直ぐに行くぞ」
まだ体力が回復しない私の隣に態々屈んで様子を伺うレヴィ君。
「…レヴィ君、ごめんなさい。それから、ありがとうございます」
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