176 / 227
第9章 愁いのロストフラグメント
6 一縷の望み
しおりを挟む
「なかなか声を掛けられなくてすみませんでした」
「大丈夫よ。それに姿は隠していたけれど状況は理解しているわ」
「助かります。では……」
「ええ。早速やってみるわ」
ウルはやる事は心得ている、と言わんばかりに両手を前に突き出す。すると小さな光が次々と浮かび上がってきて暗い部屋の中を明るく照らし出していく。
その様は沢山の蛍が光り輝いているよう。
そして無数の光は四方に散っていき、床や天井へと染み込んでいく。
ウルには今、部屋に残った魔力を辿ってレヴィ君が何処へ行ったのかを追跡してもらっている。
正直、精霊の力をもってしても直ぐに彼が見つかるとは思っていないけど、可能性があるなら試さない手はない。
そう思い私と父様は後方へ下がり、唯々その様子を見守っていたのだった。
「エルちゃん」
少し時間が経った頃、ウルから控えめな声で名前を呼ばれた。
終わった?のだろうか。
「終わったのですか?」
「ええ。でも残念ながらレヴィの居場所はこの場所からでは探知出来ないわ」
「……そう、ですか」
簡単ではない。それは分かっていた事。だけど言葉にして言われてしまうと胸に迫るものがある。
「エル。まだ気を落とすのは早いよ。ウルの言葉を最後まで聞こう」
父様に言われ、気落ちする気持ちを押し込める。向き直るとウルと目が合い、私はゆっくりと頷いた。
それを見届けてからウルは口を開く。
「エルちゃん。居場所は分からないと言ったけれど魔力を辿って行って分かった事があるわ。
微力な魔力がこの屋敷の外へと続いていたの。それもレヴィともう一人、何者かの魔力もね」
「なるほど。レヴィの他にもう一人……。
自ら出て行ったのか或いは誘拐されたのか……。どちらにしてもレヴィは一人ではなかったという事か」
「そうなるわね」
レヴィ君が今どこにいるのかまでは特定出来なくても、少しずつ状況や痕跡から足取りは追えている。
あまり時間をかけてはいられないけど、今はこれしかないし、とにかく今日中にやれる事はやらないと。
「ウル。この場所からは足取りが追えないって言いましたよね?では場所を移しましょう。他の場所でも試してみたら痕跡が見つかるかもしれません。次は私も探します」
「分かったわ」
この場所からだと探知出来ないという事は、他の場所へ移動して同じように探知してみればまた違った結果が出るかもしれないのだ。情報が少ない今、この方法でやっていくしかない。
そうして場所を移すことになった私達はレヴィ君の部屋を後にし、屋敷の外へと向かった。
向かっている途中、ウルは屋敷の人に姿を見られてはまずいのでまた姿を隠してもらい、父様は大まかな事情を説明しに別の場所で待機しているルドルフさんの元へと向かった。その為今は別行動だ。
それに父様には事情を話すのと同時に出来る限りの時間稼ぎをお願いしている。
それは勿論ウルの姿を見られない為だ。部屋の中なら扉を閉めてしまえば人に彼女の姿を見られる事はないけど、外へ出てしまえば誰に見られてもおかしくはない。
いくらレヴィ君の家の人達と言え、あまりウルの存在を知られるのは宜しくない。彼女は精霊なのだから。
それを考慮してレヴィ君も家族に話さなかったようだしね。
「それじゃとっとと済ませちゃいましょう」
「はい」
そして今。私達はローレンス侯爵家へ訪れた際に通った門へと来ていた。
先程ウルが屋敷の外へと魔力が続いていると言っていた為、この場所からだったら何か掴めるのではないかと思ったのだ。
門へ着くなりお互いにやるべき事を確認し合った。
私は以前使用したサーチで足取りを辿ってみる。
ウルは先程の探知をもう一度と行ってもらうのともう一つ、近くに光の精霊がいたらその精霊にも協力をお願いしてもらう事。
ぱっと見、近くに精霊の気配は感じられないけど、どんなに小さな力でも精霊であればウルは感知出来る。
そしてもし運良く見つかればレヴィ君に関する貴重な情報が聞けるかもしれないのだ。
精霊は気ままな存在だが、ウルが私と出会った場所に一時いたように、ある場所を住処に留まっている者も中にはいる。だからローレンス侯爵家の周辺に精霊がいればレヴィ君がいなくなったその瞬間を見ているかもしれないから。
お願いだから見つかってほしい……!
切に願いながら自身もサーチの魔法を展開し、探知を試みる。
……駄目だ。
探知を行って数分。ウルの言っていた通り、屋敷の外まで魔力が残っているのは感知出来るけど、その先が分からない。
探知魔法をもってしても辿り着けないとなると、もう後はウルに頼るしかなくなってくる。
藁にも縋る思いで彼女の方へ顔を向けると、ちょうど終わったようでウルが顔を上げた。
「エルちゃん、彼の居場所が分かるかもしれないわ」
「えっ!本当ですか?」
呟かれた彼女の言葉に食いつく。それが本当なら希望が見えてきたという事だ。
「私だけでは足取りを追うのは難しいのだけれど、運良くレヴィのいなくなった時に居合わせた子を見つけたの。私と同じ光の精霊よ。今近くにいるのだけれど……」
「是非お話を伺いたいです!」
話をしてみる?と言うウルに私は即答する。
ウルの様子からしてその光の精霊は好意的な方のようだ。私の前に姿を現さないのは他の人に見られる可能性があるからだろうけど、でも話をしてもらえるというのならこちらとしては願ったり叶ったりだ。
直ぐにでも会いたい……なんだけど。
「ただ少し待ってもらえないでしょうか?父様にも伝えないと。勝手に動いては心配をかけてしまうので」
私は普段からルカやアリンちゃん、誰かしらが傍にいなければ外を出歩く事が許されない身。
性別や身分もあるからその事は私自身も分かってはいるけど、今は時間が惜しい。
ルカのようにお互いのピアスを通して会話を行ったりも出来ないので、直接屋敷に戻り父様に伝えなければならないのだ。
「それなら大丈夫よ。既に連絡済みだから。ディランからエルちゃんを宜しくって頼まれたわ」
えっ……?
色々考えていた今の時間は何だったのか…、ウルのその一言で解決してしまった。
と言うかいつの間に……?
「いつの間に?って顔ね。エルちゃんの為なら私は喜んで動くのよ」
置いてけぼりな私に彼女は楽しそうにウィンクをして見せたのだった。
良く分からない内に屋敷の外への外出許可が父様から出たので、早速屋敷を出て、直ぐに見える小さな林の中へとウルを追って入っていくと視線の先に黄色い光が見えた。
もしかしてあれが……?
そう思ったその時、その光が一際輝き、段々と消えて行く。するとそこにウルと同じ光の精霊だと言う者の姿が露になる。
「初めまして小さなお嬢さん。僕は光の精霊、ニール」
その声と共に姿を現したのは思っていたイメージと違い、私よりも背の高い少年の姿をした精霊だった。
ウルと同じ金色の髪と金色の瞳。少し吊り上がった眼。それだけ言えば光の精霊っぽいなと思うけど、何と言うかチャラ――ゴホンッ……派手な見た目の精霊だった。
派手な見た目の割に口調が丁寧で、それが相まってどうも失礼な感想を抱いてしまう。
そんな事を私が思っているなど露知らず、光の精霊は更に先を続ける。
「君は探し人がいるようだけど、僕の知っている情報で良ければ教えるよ」
そう言い――ニールさんはニカッと笑った。
「大丈夫よ。それに姿は隠していたけれど状況は理解しているわ」
「助かります。では……」
「ええ。早速やってみるわ」
ウルはやる事は心得ている、と言わんばかりに両手を前に突き出す。すると小さな光が次々と浮かび上がってきて暗い部屋の中を明るく照らし出していく。
その様は沢山の蛍が光り輝いているよう。
そして無数の光は四方に散っていき、床や天井へと染み込んでいく。
ウルには今、部屋に残った魔力を辿ってレヴィ君が何処へ行ったのかを追跡してもらっている。
正直、精霊の力をもってしても直ぐに彼が見つかるとは思っていないけど、可能性があるなら試さない手はない。
そう思い私と父様は後方へ下がり、唯々その様子を見守っていたのだった。
「エルちゃん」
少し時間が経った頃、ウルから控えめな声で名前を呼ばれた。
終わった?のだろうか。
「終わったのですか?」
「ええ。でも残念ながらレヴィの居場所はこの場所からでは探知出来ないわ」
「……そう、ですか」
簡単ではない。それは分かっていた事。だけど言葉にして言われてしまうと胸に迫るものがある。
「エル。まだ気を落とすのは早いよ。ウルの言葉を最後まで聞こう」
父様に言われ、気落ちする気持ちを押し込める。向き直るとウルと目が合い、私はゆっくりと頷いた。
それを見届けてからウルは口を開く。
「エルちゃん。居場所は分からないと言ったけれど魔力を辿って行って分かった事があるわ。
微力な魔力がこの屋敷の外へと続いていたの。それもレヴィともう一人、何者かの魔力もね」
「なるほど。レヴィの他にもう一人……。
自ら出て行ったのか或いは誘拐されたのか……。どちらにしてもレヴィは一人ではなかったという事か」
「そうなるわね」
レヴィ君が今どこにいるのかまでは特定出来なくても、少しずつ状況や痕跡から足取りは追えている。
あまり時間をかけてはいられないけど、今はこれしかないし、とにかく今日中にやれる事はやらないと。
「ウル。この場所からは足取りが追えないって言いましたよね?では場所を移しましょう。他の場所でも試してみたら痕跡が見つかるかもしれません。次は私も探します」
「分かったわ」
この場所からだと探知出来ないという事は、他の場所へ移動して同じように探知してみればまた違った結果が出るかもしれないのだ。情報が少ない今、この方法でやっていくしかない。
そうして場所を移すことになった私達はレヴィ君の部屋を後にし、屋敷の外へと向かった。
向かっている途中、ウルは屋敷の人に姿を見られてはまずいのでまた姿を隠してもらい、父様は大まかな事情を説明しに別の場所で待機しているルドルフさんの元へと向かった。その為今は別行動だ。
それに父様には事情を話すのと同時に出来る限りの時間稼ぎをお願いしている。
それは勿論ウルの姿を見られない為だ。部屋の中なら扉を閉めてしまえば人に彼女の姿を見られる事はないけど、外へ出てしまえば誰に見られてもおかしくはない。
いくらレヴィ君の家の人達と言え、あまりウルの存在を知られるのは宜しくない。彼女は精霊なのだから。
それを考慮してレヴィ君も家族に話さなかったようだしね。
「それじゃとっとと済ませちゃいましょう」
「はい」
そして今。私達はローレンス侯爵家へ訪れた際に通った門へと来ていた。
先程ウルが屋敷の外へと魔力が続いていると言っていた為、この場所からだったら何か掴めるのではないかと思ったのだ。
門へ着くなりお互いにやるべき事を確認し合った。
私は以前使用したサーチで足取りを辿ってみる。
ウルは先程の探知をもう一度と行ってもらうのともう一つ、近くに光の精霊がいたらその精霊にも協力をお願いしてもらう事。
ぱっと見、近くに精霊の気配は感じられないけど、どんなに小さな力でも精霊であればウルは感知出来る。
そしてもし運良く見つかればレヴィ君に関する貴重な情報が聞けるかもしれないのだ。
精霊は気ままな存在だが、ウルが私と出会った場所に一時いたように、ある場所を住処に留まっている者も中にはいる。だからローレンス侯爵家の周辺に精霊がいればレヴィ君がいなくなったその瞬間を見ているかもしれないから。
お願いだから見つかってほしい……!
切に願いながら自身もサーチの魔法を展開し、探知を試みる。
……駄目だ。
探知を行って数分。ウルの言っていた通り、屋敷の外まで魔力が残っているのは感知出来るけど、その先が分からない。
探知魔法をもってしても辿り着けないとなると、もう後はウルに頼るしかなくなってくる。
藁にも縋る思いで彼女の方へ顔を向けると、ちょうど終わったようでウルが顔を上げた。
「エルちゃん、彼の居場所が分かるかもしれないわ」
「えっ!本当ですか?」
呟かれた彼女の言葉に食いつく。それが本当なら希望が見えてきたという事だ。
「私だけでは足取りを追うのは難しいのだけれど、運良くレヴィのいなくなった時に居合わせた子を見つけたの。私と同じ光の精霊よ。今近くにいるのだけれど……」
「是非お話を伺いたいです!」
話をしてみる?と言うウルに私は即答する。
ウルの様子からしてその光の精霊は好意的な方のようだ。私の前に姿を現さないのは他の人に見られる可能性があるからだろうけど、でも話をしてもらえるというのならこちらとしては願ったり叶ったりだ。
直ぐにでも会いたい……なんだけど。
「ただ少し待ってもらえないでしょうか?父様にも伝えないと。勝手に動いては心配をかけてしまうので」
私は普段からルカやアリンちゃん、誰かしらが傍にいなければ外を出歩く事が許されない身。
性別や身分もあるからその事は私自身も分かってはいるけど、今は時間が惜しい。
ルカのようにお互いのピアスを通して会話を行ったりも出来ないので、直接屋敷に戻り父様に伝えなければならないのだ。
「それなら大丈夫よ。既に連絡済みだから。ディランからエルちゃんを宜しくって頼まれたわ」
えっ……?
色々考えていた今の時間は何だったのか…、ウルのその一言で解決してしまった。
と言うかいつの間に……?
「いつの間に?って顔ね。エルちゃんの為なら私は喜んで動くのよ」
置いてけぼりな私に彼女は楽しそうにウィンクをして見せたのだった。
良く分からない内に屋敷の外への外出許可が父様から出たので、早速屋敷を出て、直ぐに見える小さな林の中へとウルを追って入っていくと視線の先に黄色い光が見えた。
もしかしてあれが……?
そう思ったその時、その光が一際輝き、段々と消えて行く。するとそこにウルと同じ光の精霊だと言う者の姿が露になる。
「初めまして小さなお嬢さん。僕は光の精霊、ニール」
その声と共に姿を現したのは思っていたイメージと違い、私よりも背の高い少年の姿をした精霊だった。
ウルと同じ金色の髪と金色の瞳。少し吊り上がった眼。それだけ言えば光の精霊っぽいなと思うけど、何と言うかチャラ――ゴホンッ……派手な見た目の精霊だった。
派手な見た目の割に口調が丁寧で、それが相まってどうも失礼な感想を抱いてしまう。
そんな事を私が思っているなど露知らず、光の精霊は更に先を続ける。
「君は探し人がいるようだけど、僕の知っている情報で良ければ教えるよ」
そう言い――ニールさんはニカッと笑った。
0
お気に入りに追加
136
あなたにおすすめの小説
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

「白い結婚の終幕:冷たい約束と偽りの愛」
ゆる
恋愛
「白い結婚――それは幸福ではなく、冷たく縛られた契約だった。」
美しい名門貴族リュミエール家の娘アスカは、公爵家の若き当主レイヴンと政略結婚することになる。しかし、それは夫婦の絆など存在しない“白い結婚”だった。
夫のレイヴンは冷たく、長く屋敷を不在にし、アスカは孤独の中で公爵家の実態を知る――それは、先代から続く莫大な負債と、怪しい商会との闇契約によって破綻寸前に追い込まれた家だったのだ。
さらに、公爵家には謎めいた愛人セシリアが入り込み、家中の権力を掌握しようと暗躍している。使用人たちの不安、アーヴィング商会の差し押さえ圧力、そして消えた夫レイヴンの意図……。次々と押し寄せる困難の中、アスカはただの「飾りの夫人」として終わる人生を拒絶し、自ら未来を切り拓こうと動き始める。
政略結婚の檻の中で、彼女は周囲の陰謀に立ち向かい、少しずつ真実を掴んでいく。そして冷たく突き放していた夫レイヴンとの関係も、思わぬ形で変化していき――。
「私はもう誰の人形にもならない。自分の意志で、この家も未来も守り抜いてみせる!」
果たしてアスカは“白い結婚”という名の冷たい鎖を断ち切り、全てをざまあと思わせる大逆転を成し遂げられるのか?

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

騎士志望のご令息は暗躍がお得意
月野槐樹
ファンタジー
王弟で辺境伯である父を保つマーカスは、辺境の田舎育ちのマイペースな次男坊。
剣の腕は、かつて「魔王」とまで言われた父や父似の兄に比べれば平凡と自認していて、剣より魔法が大好き。戦う時は武力より、どちらというと裏工作?
だけど、ちょっとした気まぐれで騎士を目指してみました。
典型的な「騎士」とは違うかもしれないけど、護る時は全力です。
従者のジョセフィンと駆け抜ける青春学園騎士物語。
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる