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第8章 ノスタルジア
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…ん?
目が覚めると知らない天井。
数回瞬きをしてその寝起き眼でゆっくりと首を動かして周りを確認する。
明かりが消えていてカーテンも閉められている為、私のいるこの部屋は薄暗い。
それでもカーテンの隙間から漏れる光に今は昼間なのだと分かる。
漸く意識もはっきりしてきたのでゆっくりと上体を起こし、そうしてもう一度部屋を見渡すと、どうやら王城の自分に割り振られていた部屋のようだった。
飾られている装飾品なども最初にこの部屋に入った時と変わっていない。
そう言えば…あれからどうなって……?
ここが王城の一室だと理解してホッとすると次に自分が今まで何をしていたのか、記憶を遡って行く。
確か森に入って殿下やレヴィ君達と別れて……。
あっ!
そこまで考えてからハッとする。
そうだ!レヴィ君っ!!それに殿下やルカ、アリンちゃん、リッカさん達も無事なの?
そう思ったらじっとしていられなかった。
直ぐに寝台から飛び降り、一瞬ふらつきながらも扉へと近づいて行く。
そして扉に手を伸ばしたのと同時に、ガチャリと外側から扉が開く。
え?と思いながらも伸ばした手はそのままに様子を見ていると見知った人物が顔を覗かせた。
「エルシア様!お目覚めになられたのですね。良かった」
そこに立っていたのはリッカさんだった。
「リッカさん!」
彼女は心底ホッとしたと言う表情で私を見ていた。心配させちゃったみたいで…ごめんなさいリッカさん。
そんな彼女に心の中で素直に謝ったのだった。
「あの他の方は無事ですか?それとレヴィ君はっ…」
和んだのも一瞬。直ぐに気持ちを切り替えると他の人の安否について訊ねた。
私が覚えている最後の記憶では殿下やルカ、アリンちゃんは怪我なくこちらに駆け寄ろうとしてくれていたけど、レヴィ君は私が意識を失う前に倒れてしまった。しかも原因が分からずに。
あの時はただ気を失っただけだと判断したけど、こうして時間が経った今は不安でたまらない。
「ご無事ですよ。大丈夫です。
レヴィ様もエルシア様同様お倒れになってしまったのですが、先程意識が戻られたようです。
今はお部屋で休んでいらっしゃるはずです」
「そうですか…。良かった」
私を宥める様にゆっくりと丁寧に話してくれるリッカさん。気を使わせてしまってすみません。
申し訳ないとは思うけど、でもレヴィ君のところへ行って直接彼の様子を見ないと落ち着けないのが正直なところ。
リッカさんの言葉を疑う訳ではないけど、心配性なところがあるので。
「あの、リッカさん……」
「はい。レヴィ様のお部屋へご案内しますね」
あれ?止められるかと思ったのに、案外すんなりと受け入れられた。
心の内を悟ったのかリッカさんはにっこり微笑み、不快な顔も一切見せない。
「ありがとうございます。リッカさん」
今度こそ声にして心から感謝の言葉を告げた。
よし!いざ行こう、と張り切って部屋を出ようとすると、
「エルシア様、少しお時間を頂けますか?」
「ふぇ?」
彼女から待って下さいと声がかかる。先程とは打って変わっての行動に思わず変な声が口から洩れた。
「失礼致します」
そうして何かも分からぬままに部屋へと戻されてしまって、頭にはてなが浮かぶばかりだけど、それはリッカさんの言葉で一気に解決する事となる。
「エルシア様。申し上げにくいのですが、そのお姿だと流石に王城の中を歩くのはいささか宜しくないかと…」
本当にそれはもう本当に言い辛そうに私を見つめながら彼女が告げる。
彼女に倣い私もまた自分の格好を見下ろしそしてハッとした。
自分の格好がとんでもない事になっていると言う事に。
寝起きで少し崩れている髪、着替えさせてくれたのだろう出歩く時とは違い生地の薄いネグリジェ。
寝ている時に苦しくならないように首元が開いていて緩めの作りになっている。
「……っ!!」
そんな自分の姿を視界に入れた瞬間、沸騰したと思う程の羞恥に襲われたのだった。
リッカさんに言われ、身支度を軽く整える事数分。
直ぐにでもレヴィ君のところへ行きたかったので、そこまでしっかりとした服装ではなく簡素なワンピースに着替え、髪もとかしてもらったけど結ばずそのまま流している状態。
「では参りましょう」
「はい」
そうして短く言葉を交わすと私達は部屋を後にした。
程なくして彼の部屋の前へと着くとリッカさんが扉をノックする。
しかし中から何も返事が返ってこない為、もしかしたら眠っているのかもしれないと思いつつもゆっくりと扉をあける。
そっと中を覗くとレヴィ君の姿があった。
彼は起きていて、上体を起こし開いているカーテンの方をぼーっと見つめていた。
まだ本調子ではないのが見て分かる。
そう思っているとリッカさんにどうぞお入り下さいと中に促されたので、ゆっくりと中に足を踏み入れる。
「では私はエルシア様とレヴィ様の事を他の皆様にお伝えしてきます。何かあれば呼んで下さいね」
私に遠慮をしてくれたのか彼女はそう言うと早々に部屋を出て行った。
その場に残された私はゆっくりと彼の傍へと近づき、寝台近くに置かれている椅子に腰を下ろして彼へと視線を向ける。
私が移動していた間もレヴィ君は先程と変わらず窓の方を見つめたままだ。
寝起きとはまた違うような何処か虚ろで、景色を見ているようでそうではない何か別のものを見ているような、そんな焦燥感を感じた。
私はその様子に少し動揺しながらも彼の名前を呼ぶ。
「…レヴィ君?」
すると声が届いたのか彼がこちらを向いた。
「うおっ!エルか…。驚かすなよ」
そしてその時には今さっきまでの彼とは違い、いつも通りのレヴィ君の反応だった。
それでも私の中にはまだ先程の彼の姿があって、不安が拭えないのだけど、それを誤魔化すように笑みを浮かべて見せる。
「驚かせていませんよ。
それより具合はどうですか?先程目が覚めたばかりと聞いていたのですけど」
「ああ、そうみたいだな。何だか起きてからぼんやりしててな。今漸く頭が働くようになってきたな」
そう言い彼は苦笑すると軽く頭を振る。
その様子に思わず笑みが零れ、思ったよりも元気そうで良かったと安堵する。
「それは良かったです。何だか先程は心ここにあらずのようでしたから」
「寝起きだからだよ。
それよりお前の方こそ大丈夫だったのか?俺は途中から記憶が途切れてて、気が付いたらここで寝ていたけど」
レヴィ君はその時の事を思い返しているのか、苦しそうに顔を歪める。
それから今度は私を気遣うように見つめる。
「私は大丈夫です。ちょっと力を使いすぎて倒れてしまっただけなので」
そんな彼に大丈夫ですよ、と私は苦笑いを浮かべる。私の場合は本当に一度に魔力を使い過ぎた事によるもの。
だからそこまで心配するものではない。
それよりも心配なのはレヴィ君の方だ。彼が何処まで覚えているのか分からないけど、あの謎の少年に何かをされそうになっていたのだ。
そう思い返しちらっと彼の首元を見る。
…?
すると彼の首筋に薄くだが黒い痣のようなものが浮き出ている事に気が付いたのだ。
「レヴィ君。その首の跡は…?」
嫌な予感がする。
「ん?ああ、あいつに首を掴まれた時に着いたんだろうな。特に痛みもないから大丈夫だ」
あいつとはあの少年の事だ。その様子からレヴィ君も自分が意識を失うほんの少し前までの事を覚えているようで、掴まれていたと言う自覚もある。
それにしても掴まれていたと言う事なら首に痣が残ってしまう事があるかもしれない、けれど。
「ちょっと良いですか」
私は徐に彼の首元に手を翳すと呪文を唱える。
「リカバリー」
あらゆる傷を癒す事が出来る治癒魔法。
優しい光が溢れ首にある痣へと注がれていく。
そしてものの数分もしない内に光は消え、痣も残る事なく綺麗に消えていた。
「良かった」
「痣の一つでそこまで心配するなよ。これくらい大丈夫だ」
治癒出来た事に心底安堵する私に大袈裟だな、と彼は笑い少し乱暴に頭を撫でられた。
せっかく髪を整えてもらったのにと思うけど口には出さなかった。だってそれは恥ずかしがり屋で本音をあまり口にしない、彼なりの労いだったのかもしれないと思ったから。
「そう言えばお前髪下ろしてるんだな」
漸く気が付いたと言うように、徐にそう言ってまじまじと私を見つめる。
「私も先程起きたばかりなんです。レヴィ君が心配だったので最低限の支度だけして来たんですよ」
リッカさんに止められなかったらとんでもない醜態を晒すところだったと、内心冷や汗をかきながら苦笑いを浮かべる。するとそんな様子の私を見て、彼は悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かた。
「そうしているとちゃんとした令嬢って感じだな」
あ、ちょっと本調子になって来たかも?
でもちょっと失礼ですよ?そうしてるとって、髪を結んでいる時の私はレヴィ君にとってどう映っていたんでしょうか?
胸に痞えていた不安はレヴィ君の一言で、いつの間にか全て吹き飛んでしまっていたのだった。
目が覚めると知らない天井。
数回瞬きをしてその寝起き眼でゆっくりと首を動かして周りを確認する。
明かりが消えていてカーテンも閉められている為、私のいるこの部屋は薄暗い。
それでもカーテンの隙間から漏れる光に今は昼間なのだと分かる。
漸く意識もはっきりしてきたのでゆっくりと上体を起こし、そうしてもう一度部屋を見渡すと、どうやら王城の自分に割り振られていた部屋のようだった。
飾られている装飾品なども最初にこの部屋に入った時と変わっていない。
そう言えば…あれからどうなって……?
ここが王城の一室だと理解してホッとすると次に自分が今まで何をしていたのか、記憶を遡って行く。
確か森に入って殿下やレヴィ君達と別れて……。
あっ!
そこまで考えてからハッとする。
そうだ!レヴィ君っ!!それに殿下やルカ、アリンちゃん、リッカさん達も無事なの?
そう思ったらじっとしていられなかった。
直ぐに寝台から飛び降り、一瞬ふらつきながらも扉へと近づいて行く。
そして扉に手を伸ばしたのと同時に、ガチャリと外側から扉が開く。
え?と思いながらも伸ばした手はそのままに様子を見ていると見知った人物が顔を覗かせた。
「エルシア様!お目覚めになられたのですね。良かった」
そこに立っていたのはリッカさんだった。
「リッカさん!」
彼女は心底ホッとしたと言う表情で私を見ていた。心配させちゃったみたいで…ごめんなさいリッカさん。
そんな彼女に心の中で素直に謝ったのだった。
「あの他の方は無事ですか?それとレヴィ君はっ…」
和んだのも一瞬。直ぐに気持ちを切り替えると他の人の安否について訊ねた。
私が覚えている最後の記憶では殿下やルカ、アリンちゃんは怪我なくこちらに駆け寄ろうとしてくれていたけど、レヴィ君は私が意識を失う前に倒れてしまった。しかも原因が分からずに。
あの時はただ気を失っただけだと判断したけど、こうして時間が経った今は不安でたまらない。
「ご無事ですよ。大丈夫です。
レヴィ様もエルシア様同様お倒れになってしまったのですが、先程意識が戻られたようです。
今はお部屋で休んでいらっしゃるはずです」
「そうですか…。良かった」
私を宥める様にゆっくりと丁寧に話してくれるリッカさん。気を使わせてしまってすみません。
申し訳ないとは思うけど、でもレヴィ君のところへ行って直接彼の様子を見ないと落ち着けないのが正直なところ。
リッカさんの言葉を疑う訳ではないけど、心配性なところがあるので。
「あの、リッカさん……」
「はい。レヴィ様のお部屋へご案内しますね」
あれ?止められるかと思ったのに、案外すんなりと受け入れられた。
心の内を悟ったのかリッカさんはにっこり微笑み、不快な顔も一切見せない。
「ありがとうございます。リッカさん」
今度こそ声にして心から感謝の言葉を告げた。
よし!いざ行こう、と張り切って部屋を出ようとすると、
「エルシア様、少しお時間を頂けますか?」
「ふぇ?」
彼女から待って下さいと声がかかる。先程とは打って変わっての行動に思わず変な声が口から洩れた。
「失礼致します」
そうして何かも分からぬままに部屋へと戻されてしまって、頭にはてなが浮かぶばかりだけど、それはリッカさんの言葉で一気に解決する事となる。
「エルシア様。申し上げにくいのですが、そのお姿だと流石に王城の中を歩くのはいささか宜しくないかと…」
本当にそれはもう本当に言い辛そうに私を見つめながら彼女が告げる。
彼女に倣い私もまた自分の格好を見下ろしそしてハッとした。
自分の格好がとんでもない事になっていると言う事に。
寝起きで少し崩れている髪、着替えさせてくれたのだろう出歩く時とは違い生地の薄いネグリジェ。
寝ている時に苦しくならないように首元が開いていて緩めの作りになっている。
「……っ!!」
そんな自分の姿を視界に入れた瞬間、沸騰したと思う程の羞恥に襲われたのだった。
リッカさんに言われ、身支度を軽く整える事数分。
直ぐにでもレヴィ君のところへ行きたかったので、そこまでしっかりとした服装ではなく簡素なワンピースに着替え、髪もとかしてもらったけど結ばずそのまま流している状態。
「では参りましょう」
「はい」
そうして短く言葉を交わすと私達は部屋を後にした。
程なくして彼の部屋の前へと着くとリッカさんが扉をノックする。
しかし中から何も返事が返ってこない為、もしかしたら眠っているのかもしれないと思いつつもゆっくりと扉をあける。
そっと中を覗くとレヴィ君の姿があった。
彼は起きていて、上体を起こし開いているカーテンの方をぼーっと見つめていた。
まだ本調子ではないのが見て分かる。
そう思っているとリッカさんにどうぞお入り下さいと中に促されたので、ゆっくりと中に足を踏み入れる。
「では私はエルシア様とレヴィ様の事を他の皆様にお伝えしてきます。何かあれば呼んで下さいね」
私に遠慮をしてくれたのか彼女はそう言うと早々に部屋を出て行った。
その場に残された私はゆっくりと彼の傍へと近づき、寝台近くに置かれている椅子に腰を下ろして彼へと視線を向ける。
私が移動していた間もレヴィ君は先程と変わらず窓の方を見つめたままだ。
寝起きとはまた違うような何処か虚ろで、景色を見ているようでそうではない何か別のものを見ているような、そんな焦燥感を感じた。
私はその様子に少し動揺しながらも彼の名前を呼ぶ。
「…レヴィ君?」
すると声が届いたのか彼がこちらを向いた。
「うおっ!エルか…。驚かすなよ」
そしてその時には今さっきまでの彼とは違い、いつも通りのレヴィ君の反応だった。
それでも私の中にはまだ先程の彼の姿があって、不安が拭えないのだけど、それを誤魔化すように笑みを浮かべて見せる。
「驚かせていませんよ。
それより具合はどうですか?先程目が覚めたばかりと聞いていたのですけど」
「ああ、そうみたいだな。何だか起きてからぼんやりしててな。今漸く頭が働くようになってきたな」
そう言い彼は苦笑すると軽く頭を振る。
その様子に思わず笑みが零れ、思ったよりも元気そうで良かったと安堵する。
「それは良かったです。何だか先程は心ここにあらずのようでしたから」
「寝起きだからだよ。
それよりお前の方こそ大丈夫だったのか?俺は途中から記憶が途切れてて、気が付いたらここで寝ていたけど」
レヴィ君はその時の事を思い返しているのか、苦しそうに顔を歪める。
それから今度は私を気遣うように見つめる。
「私は大丈夫です。ちょっと力を使いすぎて倒れてしまっただけなので」
そんな彼に大丈夫ですよ、と私は苦笑いを浮かべる。私の場合は本当に一度に魔力を使い過ぎた事によるもの。
だからそこまで心配するものではない。
それよりも心配なのはレヴィ君の方だ。彼が何処まで覚えているのか分からないけど、あの謎の少年に何かをされそうになっていたのだ。
そう思い返しちらっと彼の首元を見る。
…?
すると彼の首筋に薄くだが黒い痣のようなものが浮き出ている事に気が付いたのだ。
「レヴィ君。その首の跡は…?」
嫌な予感がする。
「ん?ああ、あいつに首を掴まれた時に着いたんだろうな。特に痛みもないから大丈夫だ」
あいつとはあの少年の事だ。その様子からレヴィ君も自分が意識を失うほんの少し前までの事を覚えているようで、掴まれていたと言う自覚もある。
それにしても掴まれていたと言う事なら首に痣が残ってしまう事があるかもしれない、けれど。
「ちょっと良いですか」
私は徐に彼の首元に手を翳すと呪文を唱える。
「リカバリー」
あらゆる傷を癒す事が出来る治癒魔法。
優しい光が溢れ首にある痣へと注がれていく。
そしてものの数分もしない内に光は消え、痣も残る事なく綺麗に消えていた。
「良かった」
「痣の一つでそこまで心配するなよ。これくらい大丈夫だ」
治癒出来た事に心底安堵する私に大袈裟だな、と彼は笑い少し乱暴に頭を撫でられた。
せっかく髪を整えてもらったのにと思うけど口には出さなかった。だってそれは恥ずかしがり屋で本音をあまり口にしない、彼なりの労いだったのかもしれないと思ったから。
「そう言えばお前髪下ろしてるんだな」
漸く気が付いたと言うように、徐にそう言ってまじまじと私を見つめる。
「私も先程起きたばかりなんです。レヴィ君が心配だったので最低限の支度だけして来たんですよ」
リッカさんに止められなかったらとんでもない醜態を晒すところだったと、内心冷や汗をかきながら苦笑いを浮かべる。するとそんな様子の私を見て、彼は悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かた。
「そうしているとちゃんとした令嬢って感じだな」
あ、ちょっと本調子になって来たかも?
でもちょっと失礼ですよ?そうしてるとって、髪を結んでいる時の私はレヴィ君にとってどう映っていたんでしょうか?
胸に痞えていた不安はレヴィ君の一言で、いつの間にか全て吹き飛んでしまっていたのだった。
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