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第8章 ノスタルジア
8 調査開始
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翌日、ルカから手紙が届いた。
実は昨日の内に手紙を送っていたんだけど、それにしても次の日にその返事が返って来るとは…流石としか言えない。
私が送ったのはこちらの状況の報告と頑張るから心配しないでと言う文の手紙で、ルカからは気を付けて、とか待っていますと言った大いに心配性が発揮された返事が返ってきたのだった。
心配を掛けたくなくて書いたのに結局心配されてしまう始末…。
前に寿命が縮まる思いです、なんて真顔で言われた事があったけど洒落にならないからやめて欲しい…。
…でも嬉しいと言えば嬉しい。短い文の中にも彼の沢山の思いが詰まっているんだなって思うと自然と笑みが零れるのだ。
それにこのやり取りアインフェルト王国の時みたいで、ちょっと思い出しちゃうな。
「エル、そろそろ行くぞ。支度はすんでいるか?」
「あっ、はい!今行きます」
手紙に目を通していると殿下の声が扉の外から聞こえてきたので、手紙をそっとしまい込み、急いで殿下達の元へと向かった。
今日から早速現象の調査をする事になっていて、まず向かったのは雨の影響で今も苦しんでいる人達のところ。
本当は王城にいる国王陛下の元に行こうって言ったんだけど、それをリハルト殿下自らが制した。
母上が付いているから大丈夫だと。国の人達の元へ向かって欲しいと言われてしまって、そこまで言われれば従うほかない。
王城を出る際、リハルト殿下とメリル様はその立場もあって同行する事が出来ない事を悔やんでいる様子で、終始同行できなくて申し訳ないと言っていたけど……。
気にしなくていいのに。それはもう分かっていた事だし、二人が来られなくても国の人達は薄情だなんて思わないからね。
という訳で、今回はアルフレッド殿下、レヴィ君、ウル、私、そしてメリル様の侍女であるリッカさんの五人で向かう事になった。と言ってもウルは姿を見られないようにこっそりついてくるみたいだけど。
それにね、うん、分かってる。アルフレッド殿下がなぜ同行する事になっているのかって事は私も問いたいところ。
でも本人が待つと言う選択肢はない、と言って聞かないもので……。全く困ったものですよ。
それにリッカさんもメリル様の傍にいるべきだって言ったら、メリル様本人から私は行かれないからせめて貴方に付いて行って欲しいと言う事らしく、シュレーデルにあまり詳しくない私達をサポートする為に同行してくれる事になったのだった。
「ここが…」
「酷いな」
王城からそう離れていない建物に案内され、中に入れば目を逸らしたくなるような光景が飛び込んできた。
それにはレヴィ君も思わずポロリと言葉を零していた。
用意されたベッドに寝かされている人達。ざっと見ても三十人はいるだろう。
こんなに多くの人が……。
意識がある人、朦朧としている人と症状はそれぞれのようだけど、早く治療を施さなければ最悪の場合は……。
「治癒魔法を使える方達に手伝って頂いてはいるのですが、完全に治癒させる事はまだ出来ていません」
リッカさんも思う所があるのか苦しげにそう言う。
まさに今治癒魔法を施している人達も額に汗を滲ませ、苦悶の表情で治療に当たっている。
「分かりました。私達も治癒魔法が使えるのでお手伝いします」
「ありがとうございます。助かります」
とは言ったものの、瘴気はウルのような神聖な力がなければ完全には消し去れないから、治癒魔法で出来るのは症状を少し軽くする程度で。
今ウルに力を使ってもらえたら皆元気になるだろうけど、それは一時的にすぎない。元凶をどうにかしなければまた同じことの繰り返しで、苦しむ人が増える事になる。
だからこの人達には申し訳ないけど、元凶をどうにかするまで治癒魔法で耐えてもらうしかない。
まずは症状が重い人から治癒を施していって、それから……。
そう考えていると突然レヴィ君に肩を掴まれる。
「おい、まさか一人ずつ治癒を施していくつもりか?」
「え?そうですけど」
彼の質問の意味が分からなくて私は首を傾げた。
「この後は森にも行くんだろ。ここで消耗してたら意味ないぞ」
「分かっています。でも――」
「一人ずつ見てたら効率が悪いって言ってるだけだ。それに魔力も無駄になる。やるなら一回で全員の治癒をするんだよ」
言い方ってものがあるでしょ!そう続けようとすると彼に言葉を遮られてしまった。
しかも結構ハードルの高い事を提案してくるし。
魔力が有り余っていると言ってもこの人数の治癒なんてやった事ないんだけど…。
「大丈夫だって。そう心配そうな顔するなよ。一瞬で終わらせるぞ。ほら」
凄く自信満々に言われたかと思ったら手を差し出された。
…なるほど。一人では難しくてもレヴィ君と私の二人ならって言う事ね。
「分かりました。やりましょう」
レヴィ君の行動で私は彼のやろうとしている事を理解出来た。
これはやってみる価値がありそうね。そう思い差し出された手をとる。
「それじゃ行くぞ」
「はい」
難易度は高いけど二人なら出来ない事はない。ただ難易度が高い魔法を使用する時はイメージする事が大事だ。
雨を降らせるように優しく、降り注ぐようなイメージで――。
「「ヒール・アクティベート」」
治癒魔法と魔法強化の二つを組み合わせた魔法を唱える。
するとイメージした通り、金色の光が雨のように降り注ぐ神秘的な光景が目に飛び込んでくる。
その光は苦しんでいる人達の身体に吸い込まれるように消えていった。
大人数に魔法を使ったのにレヴィ君と二人で行ったからか、こちらの消耗も思った程ではなかった。それに治癒が終われば皆の顔色が少し良くなっているのに気が付いたのだ。
「成功、した…?」
「当たり前だろ。俺がいるんだからな」
半信半疑で聞くとレヴィ君から成功したとお墨付きをもらい、それに心底ホッとしてしまった。それに対してレヴィ君は俺がいれば失敗はない、と自信満々で誇らしかったですね。
それに魔法は技術だけじゃなくて自信や気持ちと言った、その人の心の状態でももたらす力が違ってくるのかもしれないな。そんな風にも思えた。
「相変わらず凄い力だな。お前達は」
「本当に…、驚きました」
『流石私のエルちゃん!』
ただただ一連の出来事を見守っていた三人からはそれぞれ三者三様な感想を述べられた。
殿下はもう見慣れているって感じだけど、初めて見たリッカさんは目を丸くして驚いている。
姿は見えないけどウルはまるで自分の事のように称賛してくれたけど、きっとドヤ顔をしているんだろうなと容易に想像がついた。
「さてじゃあ次は森へ行くぞ」
「は、はい。ご案内します」
その場にいた人達誰もが突然の来訪者とその力に圧倒され呆気に取られていたが、その中いたって冷静なレヴィ君の声が響いた。それに一早く我に返ったリッカさんは慌てた様子でスタスタ外へ出て行こうとするレヴィ君の後を追いかけ、殿下も後に続く。
もうせっかちですね。なんて思って徐に後ろを振り返ると、治療に当たっていた人達がお礼と共に深々と頭を下げてきた。
その様子に良かったと思いながら笑って手を振り、私もレヴィ君達の後を追う為その場を後にした。
実は昨日の内に手紙を送っていたんだけど、それにしても次の日にその返事が返って来るとは…流石としか言えない。
私が送ったのはこちらの状況の報告と頑張るから心配しないでと言う文の手紙で、ルカからは気を付けて、とか待っていますと言った大いに心配性が発揮された返事が返ってきたのだった。
心配を掛けたくなくて書いたのに結局心配されてしまう始末…。
前に寿命が縮まる思いです、なんて真顔で言われた事があったけど洒落にならないからやめて欲しい…。
…でも嬉しいと言えば嬉しい。短い文の中にも彼の沢山の思いが詰まっているんだなって思うと自然と笑みが零れるのだ。
それにこのやり取りアインフェルト王国の時みたいで、ちょっと思い出しちゃうな。
「エル、そろそろ行くぞ。支度はすんでいるか?」
「あっ、はい!今行きます」
手紙に目を通していると殿下の声が扉の外から聞こえてきたので、手紙をそっとしまい込み、急いで殿下達の元へと向かった。
今日から早速現象の調査をする事になっていて、まず向かったのは雨の影響で今も苦しんでいる人達のところ。
本当は王城にいる国王陛下の元に行こうって言ったんだけど、それをリハルト殿下自らが制した。
母上が付いているから大丈夫だと。国の人達の元へ向かって欲しいと言われてしまって、そこまで言われれば従うほかない。
王城を出る際、リハルト殿下とメリル様はその立場もあって同行する事が出来ない事を悔やんでいる様子で、終始同行できなくて申し訳ないと言っていたけど……。
気にしなくていいのに。それはもう分かっていた事だし、二人が来られなくても国の人達は薄情だなんて思わないからね。
という訳で、今回はアルフレッド殿下、レヴィ君、ウル、私、そしてメリル様の侍女であるリッカさんの五人で向かう事になった。と言ってもウルは姿を見られないようにこっそりついてくるみたいだけど。
それにね、うん、分かってる。アルフレッド殿下がなぜ同行する事になっているのかって事は私も問いたいところ。
でも本人が待つと言う選択肢はない、と言って聞かないもので……。全く困ったものですよ。
それにリッカさんもメリル様の傍にいるべきだって言ったら、メリル様本人から私は行かれないからせめて貴方に付いて行って欲しいと言う事らしく、シュレーデルにあまり詳しくない私達をサポートする為に同行してくれる事になったのだった。
「ここが…」
「酷いな」
王城からそう離れていない建物に案内され、中に入れば目を逸らしたくなるような光景が飛び込んできた。
それにはレヴィ君も思わずポロリと言葉を零していた。
用意されたベッドに寝かされている人達。ざっと見ても三十人はいるだろう。
こんなに多くの人が……。
意識がある人、朦朧としている人と症状はそれぞれのようだけど、早く治療を施さなければ最悪の場合は……。
「治癒魔法を使える方達に手伝って頂いてはいるのですが、完全に治癒させる事はまだ出来ていません」
リッカさんも思う所があるのか苦しげにそう言う。
まさに今治癒魔法を施している人達も額に汗を滲ませ、苦悶の表情で治療に当たっている。
「分かりました。私達も治癒魔法が使えるのでお手伝いします」
「ありがとうございます。助かります」
とは言ったものの、瘴気はウルのような神聖な力がなければ完全には消し去れないから、治癒魔法で出来るのは症状を少し軽くする程度で。
今ウルに力を使ってもらえたら皆元気になるだろうけど、それは一時的にすぎない。元凶をどうにかしなければまた同じことの繰り返しで、苦しむ人が増える事になる。
だからこの人達には申し訳ないけど、元凶をどうにかするまで治癒魔法で耐えてもらうしかない。
まずは症状が重い人から治癒を施していって、それから……。
そう考えていると突然レヴィ君に肩を掴まれる。
「おい、まさか一人ずつ治癒を施していくつもりか?」
「え?そうですけど」
彼の質問の意味が分からなくて私は首を傾げた。
「この後は森にも行くんだろ。ここで消耗してたら意味ないぞ」
「分かっています。でも――」
「一人ずつ見てたら効率が悪いって言ってるだけだ。それに魔力も無駄になる。やるなら一回で全員の治癒をするんだよ」
言い方ってものがあるでしょ!そう続けようとすると彼に言葉を遮られてしまった。
しかも結構ハードルの高い事を提案してくるし。
魔力が有り余っていると言ってもこの人数の治癒なんてやった事ないんだけど…。
「大丈夫だって。そう心配そうな顔するなよ。一瞬で終わらせるぞ。ほら」
凄く自信満々に言われたかと思ったら手を差し出された。
…なるほど。一人では難しくてもレヴィ君と私の二人ならって言う事ね。
「分かりました。やりましょう」
レヴィ君の行動で私は彼のやろうとしている事を理解出来た。
これはやってみる価値がありそうね。そう思い差し出された手をとる。
「それじゃ行くぞ」
「はい」
難易度は高いけど二人なら出来ない事はない。ただ難易度が高い魔法を使用する時はイメージする事が大事だ。
雨を降らせるように優しく、降り注ぐようなイメージで――。
「「ヒール・アクティベート」」
治癒魔法と魔法強化の二つを組み合わせた魔法を唱える。
するとイメージした通り、金色の光が雨のように降り注ぐ神秘的な光景が目に飛び込んでくる。
その光は苦しんでいる人達の身体に吸い込まれるように消えていった。
大人数に魔法を使ったのにレヴィ君と二人で行ったからか、こちらの消耗も思った程ではなかった。それに治癒が終われば皆の顔色が少し良くなっているのに気が付いたのだ。
「成功、した…?」
「当たり前だろ。俺がいるんだからな」
半信半疑で聞くとレヴィ君から成功したとお墨付きをもらい、それに心底ホッとしてしまった。それに対してレヴィ君は俺がいれば失敗はない、と自信満々で誇らしかったですね。
それに魔法は技術だけじゃなくて自信や気持ちと言った、その人の心の状態でももたらす力が違ってくるのかもしれないな。そんな風にも思えた。
「相変わらず凄い力だな。お前達は」
「本当に…、驚きました」
『流石私のエルちゃん!』
ただただ一連の出来事を見守っていた三人からはそれぞれ三者三様な感想を述べられた。
殿下はもう見慣れているって感じだけど、初めて見たリッカさんは目を丸くして驚いている。
姿は見えないけどウルはまるで自分の事のように称賛してくれたけど、きっとドヤ顔をしているんだろうなと容易に想像がついた。
「さてじゃあ次は森へ行くぞ」
「は、はい。ご案内します」
その場にいた人達誰もが突然の来訪者とその力に圧倒され呆気に取られていたが、その中いたって冷静なレヴィ君の声が響いた。それに一早く我に返ったリッカさんは慌てた様子でスタスタ外へ出て行こうとするレヴィ君の後を追いかけ、殿下も後に続く。
もうせっかちですね。なんて思って徐に後ろを振り返ると、治療に当たっていた人達がお礼と共に深々と頭を下げてきた。
その様子に良かったと思いながら笑って手を振り、私もレヴィ君達の後を追う為その場を後にした。
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