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第7章 Memory~二人の記憶~
17 出発
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静まり返った廃屋に優しい朝日が差し込む。
その光で目が覚めた私は眩しくて手を翳しながらも、漸く訪れた夜明けに深く息を吐き出した。
「起きたのか」
声のした方を見れば椅子に座ってまだ眠そうに欠伸をしたアレスと目が合った。
「おはようアレス。先に起きていたのね」
「まあな」
お互い眠気が残ったままで若干の寝ぼけ眼で朝の挨拶をする。
「二人とも眠れたか?」
「ええ。ルリアーナもおはよう」
「うむ」
いつから起きていたのかは分からないけれど、真紅の瞳をぱっちりと見開いてこちらを見ているルリアーナは控えめに言っても綺麗だった。
「お主達も起きた事じゃ。妾はそろそろ行くぞ」
「え、もう行っちゃうの?この先の町で何か食べて行ったりしないの?」
早々に出て行こうとするルリアーナを私は慌てて止める。ここを出て少しすると町があるとルリアーナに昨日聞いていたから起きたらそこで一緒に朝食を、そう思っていたところだったのだ。
それにここで一晩眠れたと言っても正直完全に疲れが取れたわけではない。それはルリアーナも同じはずなのに彼女からは疲労感が感じられない。
ルリアーナは普通の少女とは違う、そう言っていた。その事と関係があるのかな?普通の女の子と言っては体力がありすぎると思うし。う~ん……、謎だわ。
「すまないが、妾は急ぎの案件が出来たのでな。また後で合流しよう」
「そっか、それは仕方がないわね。分かったわ」
一緒に来てほしいと思う気持ちはあれど、急ぎの用事となれば引き留める訳にもいかない。
それは残念だけど、でも急ぎって言う割に私達が起きるまで待っていてくれたんだろうね。行こうと思えば私達が寝ている間にそっと抜け出すのは簡単だろうし。だからその気持ちだけで十分嬉しいわ。
「アレスよ。これからシュレーデルの国王に会いに行くのだろう?」
「良く分かったな」
「昨夜の話から、この争いを止めるには国王に話をつけるのが一番手っ取り早い。そう考えるのは妥当だろ」
「ああ、その通りだ」
「でもそれならどうしてシュレーデル王国にまだいた時に国王と話さなかったの?」
二人の話に疑問を持った私はつい聞いてしまった。そしてその事を少し後悔する。アレスが暗い顔をしたから。
「俺も話をつけたかった。謝りたい事も、言いたい事もあった。だけど駄目だったんだよ。話さなかったんじゃない、話せなかったんだ」
「大方、実の息子の死を受け止めきれず、狂乱した国王に追放でもされたか?」
「そうだ」
「そんな……」
いくら混乱していたからと言って自分達を守ってくれていた者達を追放するなんて。最高権力者である国王だからと言っても許せないわ。
それに追放って、八つ当たりも良い所だわ!
私が怒りに内心燃えていると、そんな気持ちを察してか否か、アレスが私の頭にそっと手を乗せて来た。
「リリーシェが気にする事じゃない。それにあの時は仕方がなかったと思っているから。国王陛下も事件の犯人に怒りをぶつけたかっただろうけど、未だその犯人は捕まっていないし、その収まらない怒りを誰かにぶつけたくなるのは分からなくもないんだ。俺もそうだったから……」
あ……。そっか、アレスにとっても大切な人だったんだよね。
それじゃアレスも誰かに怒りをぶつけたかったんじゃないのかな。
今、彼の気持ちは分からないけれど、未だに怒りの気持ちがあったなら。それで犯人を見つけてしまったら、もしかしたらアレスは――
「リリーシェ?大丈夫か?」
「へっ、え、ええ。大丈夫、何でもないわ!」
「そうか、それなら良いんだけど」
私ははっと我に返る。慌てているから遅いかもしれないけれど、どうにか笑顔を張り付けて必死に大丈夫と誤魔化す。
危なかったわ。危うく変な事を考えてしまうところだった。
「それじゃ私達も一先ず町に向かって移動しましょうか。お腹もすいているし」
「そう言われると腹が減って来た。よし、行くか」
シュレーデル王国に行くのが最終目的だけど、まずは朝食をとってからね!
なんたって腹が減っては戦は出来ぬ、ってどこかで聞いたからね!
気持ちを切り替えよう。もう暗い顔はしない。笑顔を絶やさず、そしてアレスを支えるんだ。
「では妾はここから別行動させてもらう。何かあれば……、そうじゃな。アレスよ、宮廷魔法士だったお主なら遠話の魔法も使えるのだろう?それで妾に連絡をしてくれ」
遠話はその名の通り離れた相手と会話が出来る便利な魔法。まあ距離が離れすぎると聞き取りづらかったり、話せなくなる事があるけれど、それを除けば日常生活で使える魔法なのだ。
私も使えない事はないのだけれど、得意でないのも事実。だからアレスにルリアーナもお願いしたのでしょうね。
「分かった。何かあれば直ぐに伝える」
「それを聞いて安心した。リリーシェの事しっかり守るのだぞ」
「言われずとも最初からそのつもりだ」
「うむ。では妾は行く。お主等も気を付けて行くが良い」
最後の挨拶を交わすとルリアーナは扉を開けて、しかし何かを思い出したのかこちらを今一度振り返った。
「すまないがリリーシェ、次に会った時お主に聞きたい事がある。今は急用のため聞けないが、その時は頼むぞ」
「分かったわ」
何の話だろうと思いつつも用事がある彼女を引き留めてはおけないと言う事で、了承の一言だけを伝える。
それにルリアーナは微笑み、けれど一瞬私、ではなく私の背後を鋭い瞳が射抜いた気がするのだけど。
気のせい?そう思いながら首を傾げているとその間にルリアーナは去って行ってしまった。
「俺らも行こう」
「ええ」
気になるけど、次に会った時で良いか。ルリアーナも何か話があるみたいだったし。
そう考えルリアーナが出て行くのを見送ると私達もその廃屋を後にした。
外に出ると彼女の馬がそこにいて、乗って行けと彼女に言われた気がした。
そして昨日のように馬に乗り、落ちないようにアレスにしっかりとしがみついて準備は完了。
「ねえ」
「どうした?」
でも走り出す前にと私は話を切り出した。
「貴方の名前の事だけど」
「ああ、その事か」
「偽名って言ってたからアレスが本当の名前ではないって事よね」
「そうだが」
昨日の会話で一度も触れなかった事。でも一番気になっていたんだよ。彼の本当に名前を。
でも――
「名前、貴方が本当に言いたくなったら教えてほしいわ」
「え、いや、別に隠しているわけじゃ」
「良いの、今はアレスで。呼んでも良い時が来たら、貴方の本当の名前を呼ばせて」
私は静かに告げた。別に告白をしているわけではないのにこんなにも鼓動が脈を打つ。
背中越しでなければ言えなかったかもしれない。
そんな気持ちで緊張しながらも彼の返事を待ち、しばしの沈黙の後。
「分かった。もう誰にも知られる事はないと思っていたんだがな。その時は俺の名前を呼んでくれ」
小さい声で、でも嬉しそうな声が降って来た。
そしてそれと同時に察した。彼も緊張しているんだって事を。だって耳を澄ませば鼓動が聞こえて来るから。
「ええ、勿論よ」
たかが名前一つで何浮かれてるんだって思われたとしても、今の私達にとっては大切なものなんだ。
愛しい人に呼ばれるだけでこんなにも浮かれる程嬉しいのだから。
だから早く教えてね。貴方の本当の名前を。
そう願いながら彼にしがみついた手に力を込めた。
その光で目が覚めた私は眩しくて手を翳しながらも、漸く訪れた夜明けに深く息を吐き出した。
「起きたのか」
声のした方を見れば椅子に座ってまだ眠そうに欠伸をしたアレスと目が合った。
「おはようアレス。先に起きていたのね」
「まあな」
お互い眠気が残ったままで若干の寝ぼけ眼で朝の挨拶をする。
「二人とも眠れたか?」
「ええ。ルリアーナもおはよう」
「うむ」
いつから起きていたのかは分からないけれど、真紅の瞳をぱっちりと見開いてこちらを見ているルリアーナは控えめに言っても綺麗だった。
「お主達も起きた事じゃ。妾はそろそろ行くぞ」
「え、もう行っちゃうの?この先の町で何か食べて行ったりしないの?」
早々に出て行こうとするルリアーナを私は慌てて止める。ここを出て少しすると町があるとルリアーナに昨日聞いていたから起きたらそこで一緒に朝食を、そう思っていたところだったのだ。
それにここで一晩眠れたと言っても正直完全に疲れが取れたわけではない。それはルリアーナも同じはずなのに彼女からは疲労感が感じられない。
ルリアーナは普通の少女とは違う、そう言っていた。その事と関係があるのかな?普通の女の子と言っては体力がありすぎると思うし。う~ん……、謎だわ。
「すまないが、妾は急ぎの案件が出来たのでな。また後で合流しよう」
「そっか、それは仕方がないわね。分かったわ」
一緒に来てほしいと思う気持ちはあれど、急ぎの用事となれば引き留める訳にもいかない。
それは残念だけど、でも急ぎって言う割に私達が起きるまで待っていてくれたんだろうね。行こうと思えば私達が寝ている間にそっと抜け出すのは簡単だろうし。だからその気持ちだけで十分嬉しいわ。
「アレスよ。これからシュレーデルの国王に会いに行くのだろう?」
「良く分かったな」
「昨夜の話から、この争いを止めるには国王に話をつけるのが一番手っ取り早い。そう考えるのは妥当だろ」
「ああ、その通りだ」
「でもそれならどうしてシュレーデル王国にまだいた時に国王と話さなかったの?」
二人の話に疑問を持った私はつい聞いてしまった。そしてその事を少し後悔する。アレスが暗い顔をしたから。
「俺も話をつけたかった。謝りたい事も、言いたい事もあった。だけど駄目だったんだよ。話さなかったんじゃない、話せなかったんだ」
「大方、実の息子の死を受け止めきれず、狂乱した国王に追放でもされたか?」
「そうだ」
「そんな……」
いくら混乱していたからと言って自分達を守ってくれていた者達を追放するなんて。最高権力者である国王だからと言っても許せないわ。
それに追放って、八つ当たりも良い所だわ!
私が怒りに内心燃えていると、そんな気持ちを察してか否か、アレスが私の頭にそっと手を乗せて来た。
「リリーシェが気にする事じゃない。それにあの時は仕方がなかったと思っているから。国王陛下も事件の犯人に怒りをぶつけたかっただろうけど、未だその犯人は捕まっていないし、その収まらない怒りを誰かにぶつけたくなるのは分からなくもないんだ。俺もそうだったから……」
あ……。そっか、アレスにとっても大切な人だったんだよね。
それじゃアレスも誰かに怒りをぶつけたかったんじゃないのかな。
今、彼の気持ちは分からないけれど、未だに怒りの気持ちがあったなら。それで犯人を見つけてしまったら、もしかしたらアレスは――
「リリーシェ?大丈夫か?」
「へっ、え、ええ。大丈夫、何でもないわ!」
「そうか、それなら良いんだけど」
私ははっと我に返る。慌てているから遅いかもしれないけれど、どうにか笑顔を張り付けて必死に大丈夫と誤魔化す。
危なかったわ。危うく変な事を考えてしまうところだった。
「それじゃ私達も一先ず町に向かって移動しましょうか。お腹もすいているし」
「そう言われると腹が減って来た。よし、行くか」
シュレーデル王国に行くのが最終目的だけど、まずは朝食をとってからね!
なんたって腹が減っては戦は出来ぬ、ってどこかで聞いたからね!
気持ちを切り替えよう。もう暗い顔はしない。笑顔を絶やさず、そしてアレスを支えるんだ。
「では妾はここから別行動させてもらう。何かあれば……、そうじゃな。アレスよ、宮廷魔法士だったお主なら遠話の魔法も使えるのだろう?それで妾に連絡をしてくれ」
遠話はその名の通り離れた相手と会話が出来る便利な魔法。まあ距離が離れすぎると聞き取りづらかったり、話せなくなる事があるけれど、それを除けば日常生活で使える魔法なのだ。
私も使えない事はないのだけれど、得意でないのも事実。だからアレスにルリアーナもお願いしたのでしょうね。
「分かった。何かあれば直ぐに伝える」
「それを聞いて安心した。リリーシェの事しっかり守るのだぞ」
「言われずとも最初からそのつもりだ」
「うむ。では妾は行く。お主等も気を付けて行くが良い」
最後の挨拶を交わすとルリアーナは扉を開けて、しかし何かを思い出したのかこちらを今一度振り返った。
「すまないがリリーシェ、次に会った時お主に聞きたい事がある。今は急用のため聞けないが、その時は頼むぞ」
「分かったわ」
何の話だろうと思いつつも用事がある彼女を引き留めてはおけないと言う事で、了承の一言だけを伝える。
それにルリアーナは微笑み、けれど一瞬私、ではなく私の背後を鋭い瞳が射抜いた気がするのだけど。
気のせい?そう思いながら首を傾げているとその間にルリアーナは去って行ってしまった。
「俺らも行こう」
「ええ」
気になるけど、次に会った時で良いか。ルリアーナも何か話があるみたいだったし。
そう考えルリアーナが出て行くのを見送ると私達もその廃屋を後にした。
外に出ると彼女の馬がそこにいて、乗って行けと彼女に言われた気がした。
そして昨日のように馬に乗り、落ちないようにアレスにしっかりとしがみついて準備は完了。
「ねえ」
「どうした?」
でも走り出す前にと私は話を切り出した。
「貴方の名前の事だけど」
「ああ、その事か」
「偽名って言ってたからアレスが本当の名前ではないって事よね」
「そうだが」
昨日の会話で一度も触れなかった事。でも一番気になっていたんだよ。彼の本当に名前を。
でも――
「名前、貴方が本当に言いたくなったら教えてほしいわ」
「え、いや、別に隠しているわけじゃ」
「良いの、今はアレスで。呼んでも良い時が来たら、貴方の本当の名前を呼ばせて」
私は静かに告げた。別に告白をしているわけではないのにこんなにも鼓動が脈を打つ。
背中越しでなければ言えなかったかもしれない。
そんな気持ちで緊張しながらも彼の返事を待ち、しばしの沈黙の後。
「分かった。もう誰にも知られる事はないと思っていたんだがな。その時は俺の名前を呼んでくれ」
小さい声で、でも嬉しそうな声が降って来た。
そしてそれと同時に察した。彼も緊張しているんだって事を。だって耳を澄ませば鼓動が聞こえて来るから。
「ええ、勿論よ」
たかが名前一つで何浮かれてるんだって思われたとしても、今の私達にとっては大切なものなんだ。
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