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第6章 魔法乱舞
7 姉のチーム…アメリアside
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さてと。
私は気を引き締めてチームメイトの三人に向き直った。
「皆宜しくね」
そう声をかけると皆は一斉に頷いた。
「頑張りましょう」
そう声を上げたのは私と同じ五年生で、少し薄い水色の波打つ髪を垂らし、たれ目で可愛らしい印象を受ける少女、エイミィ。
見た目の可愛らしさに加え、正義感が強くやるときはやる子で、今も凛とした表情が何とも頼もしい。
「はいっ、アメリア様の役に立てるように頑張ります!」
元気良く答えたのは、一つ年下の四年生で後輩の少女、オリバー。
肩につかない程短い黒い髪、やる気に燃えるキリっとした瞳。そして何といっても明るく元気っ子な少女。
そこが彼女の良い所で、私達の力にもなっている。
あ、そうそうオリバーだけ四年生で、だから羽織っているケープの色が私達と違って緑なのよね。
私達五年生組は青なんだけど、一人だけ色が違うから本人も若干気にしているみたい。私達は学年の違い何て気にしていないのにね。
「はい、宜しくお願いします」
静かにそう告げたのは最後のメンバー、マリン。
腰まである長い茶髪を高く結い上げた清楚な印象を与える少女。何故か私と同じ五年生なのに私に対してだけやけに礼儀正しく、丁寧口調。それでいて周りの人には毒舌だったりもするのよね……。
でも頼りになる友人よ。
「よし、さくっと終わらせて来ましょうか!」
「そうね、貴方の愛しのエルシアちゃんのためにも」
流石、入学当初からの付き合いのエイミィにはお見通し。私の事良く分かってるわね。
ね?と上目遣いのウインクをされた。私が男子だったら惚れてたわね。
エルも本当に可愛いくて私の一番だけど、エイミィも私にとっては可愛い友人なのよ。
「えぇ、可愛い妹が見てるんだもの。お姉ちゃんの良い所、見せなくちゃね」
ふふ、私もウインクで返してあげるわ。
そんなやり取りをしているとやがて時間になってしまう。
私達は相手のチームと向かい合いお互いに顔を合わせる。対戦相手は全員が男の子。それにケープが全員緑だからオリバーと同じ四年生ね。
中々に生意気そうな表情してるじゃないの。
ついそんな風に思ってしまったけれど、私のその考えは間違っていないようで、それを裏付けるように礼をしてその場を離れるときに相手チームから話し声が聞こえた。
「相手全員女子だぜ」
「楽勝だな」
「全員五年生かと思ったら一人俺らと同じ四年生がいるじゃん」
「手加減してやらないとな」
と、まぁ失礼な言葉を連発する男子ども。
聞こえているわよ、貴方達の会話。それに一人だけ学年違いなのを気にしているオリバーの事悪く言ったわね。
当の本人には聞こえていないようだったから良かったけど。私が聞いたからにはただじゃおかないわ。
「全く、とんだお坊ちゃんね」
呆れたようにため息を吐く私にオリバーを除いた二人は大きく頷き同意する。
「本当ね。なめられたものだわ」
「アメリア様の実力を知らない、愚か者が」
あらあら、二人のスイッチが入っちゃった。エイミィは凄い笑顔だけど目が笑っていない、一方マリンは忌々しいとでも言うように男子達を鋭く睨んでいた。
「私達の力を見せつけてやりましょうか、と言いたいところだけど皆。まずは彼らの力量を見極めるのが先よ、良いわね」
二人の怒りもごもっともだけど、怒りに任せて事を進めてはいけない。それを諭すように顔を見合わせ問うと、三人は改めて表情を引き締め頷いた。それを見て安心すると今度は男子達へと視線を移す。
「それじゃ、お手並み拝見と行こうじゃない。生意気なお坊ちゃん達の実力、見させてもらうわよ」
思わず言っていて笑みが浮かんでしまうけど、まぁそれは仕方ないわよね。
私が呟いて直ぐに試合開始を告げる銅鑼の音が会場全体に響き渡った。
私は気を引き締めてチームメイトの三人に向き直った。
「皆宜しくね」
そう声をかけると皆は一斉に頷いた。
「頑張りましょう」
そう声を上げたのは私と同じ五年生で、少し薄い水色の波打つ髪を垂らし、たれ目で可愛らしい印象を受ける少女、エイミィ。
見た目の可愛らしさに加え、正義感が強くやるときはやる子で、今も凛とした表情が何とも頼もしい。
「はいっ、アメリア様の役に立てるように頑張ります!」
元気良く答えたのは、一つ年下の四年生で後輩の少女、オリバー。
肩につかない程短い黒い髪、やる気に燃えるキリっとした瞳。そして何といっても明るく元気っ子な少女。
そこが彼女の良い所で、私達の力にもなっている。
あ、そうそうオリバーだけ四年生で、だから羽織っているケープの色が私達と違って緑なのよね。
私達五年生組は青なんだけど、一人だけ色が違うから本人も若干気にしているみたい。私達は学年の違い何て気にしていないのにね。
「はい、宜しくお願いします」
静かにそう告げたのは最後のメンバー、マリン。
腰まである長い茶髪を高く結い上げた清楚な印象を与える少女。何故か私と同じ五年生なのに私に対してだけやけに礼儀正しく、丁寧口調。それでいて周りの人には毒舌だったりもするのよね……。
でも頼りになる友人よ。
「よし、さくっと終わらせて来ましょうか!」
「そうね、貴方の愛しのエルシアちゃんのためにも」
流石、入学当初からの付き合いのエイミィにはお見通し。私の事良く分かってるわね。
ね?と上目遣いのウインクをされた。私が男子だったら惚れてたわね。
エルも本当に可愛いくて私の一番だけど、エイミィも私にとっては可愛い友人なのよ。
「えぇ、可愛い妹が見てるんだもの。お姉ちゃんの良い所、見せなくちゃね」
ふふ、私もウインクで返してあげるわ。
そんなやり取りをしているとやがて時間になってしまう。
私達は相手のチームと向かい合いお互いに顔を合わせる。対戦相手は全員が男の子。それにケープが全員緑だからオリバーと同じ四年生ね。
中々に生意気そうな表情してるじゃないの。
ついそんな風に思ってしまったけれど、私のその考えは間違っていないようで、それを裏付けるように礼をしてその場を離れるときに相手チームから話し声が聞こえた。
「相手全員女子だぜ」
「楽勝だな」
「全員五年生かと思ったら一人俺らと同じ四年生がいるじゃん」
「手加減してやらないとな」
と、まぁ失礼な言葉を連発する男子ども。
聞こえているわよ、貴方達の会話。それに一人だけ学年違いなのを気にしているオリバーの事悪く言ったわね。
当の本人には聞こえていないようだったから良かったけど。私が聞いたからにはただじゃおかないわ。
「全く、とんだお坊ちゃんね」
呆れたようにため息を吐く私にオリバーを除いた二人は大きく頷き同意する。
「本当ね。なめられたものだわ」
「アメリア様の実力を知らない、愚か者が」
あらあら、二人のスイッチが入っちゃった。エイミィは凄い笑顔だけど目が笑っていない、一方マリンは忌々しいとでも言うように男子達を鋭く睨んでいた。
「私達の力を見せつけてやりましょうか、と言いたいところだけど皆。まずは彼らの力量を見極めるのが先よ、良いわね」
二人の怒りもごもっともだけど、怒りに任せて事を進めてはいけない。それを諭すように顔を見合わせ問うと、三人は改めて表情を引き締め頷いた。それを見て安心すると今度は男子達へと視線を移す。
「それじゃ、お手並み拝見と行こうじゃない。生意気なお坊ちゃん達の実力、見させてもらうわよ」
思わず言っていて笑みが浮かんでしまうけど、まぁそれは仕方ないわよね。
私が呟いて直ぐに試合開始を告げる銅鑼の音が会場全体に響き渡った。
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