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第6章 魔法乱舞
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魔法乱舞開催、当日の朝。
参加する生徒、それを見学するために赴いた生徒達が開催場所へと続々と集まってくる。
場所は一応学院の敷地内の建物。普段私達が勉強を行っている建物ではなく、その奥に今回のような行事で使う広い内装をした建物があって今回もそこで行われる。
スタジアムのように丸いドーム状の形をした建物で、中に入ってやっぱり一番目に入るのはぽっかりと穴が開いたかのように広く開けた天井、そしてそこから覗く青空だね。
魔法を使うにあたって天候を操る魔法も存在するために天井は開けたものになっていて、もし雨になっても目には見えないシールドを張れるようになっているから天気に左右される事もない。
それからぐるっと見渡す限りの観客席も圧巻。学院に通う生徒の数よりも多いのだから。
学院の生徒の数も多いけどそれ以上って言うのがまた凄い。多分その他に教師や、どこもそうだと思うけど、関係者以外は立ち入り禁止な学院だけど、生徒の親、家族は申し出があれば来場は可能だからその人達の分の席なのかな。
あ、家族と言えば今回仕事で忙しい父様が母様と一緒に見に来てくれるらしいんだよね!
それにルカも来てくれるそうで!元から頑張る気満々だったけど、尚更成果を見せなくちゃってやる気が増したよ!
それとここ最近、特訓やらで中々構ってあげられなかったんだけど、ウルも見ていてくれるみたい。精神年齢は私より遥かに上なんだけど、私が構えなかったりすると時折拗ねる事があって、それがもう見た目と相まってとっても可愛い!私の方が悶えてしまう始末で。
でも、今回はそれがなくて、代わりに応援しているわよ、と可愛い声援を頂きました!それを聞いては頑張らないわけにはいかないよねっ!絶対優勝して見せるんだから!
とは意気込んだものの、実は結構緊張しているんだよね、私。周りを見回せばそれは他の生徒も同じようで、表情が強張ったり、不安そうにしている人も多い。
それを見て皆も私と同じ気持ちなんだって思って少しだけほっとした自分もいたけど。
まぁそれは良いとして。あっ、時間が来たみたい。既に集まった生徒達は誰に言われるでもなく、チームごとに整列をしている。
そして参加せず、観戦するために集まった生徒、教師、そしてその親達は席に座り静かに開催の時を待っている。
それを見計らったかのように良く知った声が静かな会場へと響いた。
「皆さん御機嫌好う。エスワール魔法学院学院長のヨセフ・アストゥールです。本日は我が学院の伝統である魔法乱舞を開催するにあたって、お集まり頂きありがとうございます」
そう挨拶をするのは彼も言っていた通り、学院長であるアストゥール学院長。
彼がいるのは生徒達の座る客席とは違い、一際広い席。簡単に言うと偉い人達が座る席。そこから魔法をマイクのように使いこの広い会場に声を響かせている。
余談だけど、マイクって言う物はこの世界には勿論ない。でもその代わりの『レザネイト』って言う魔法ならあるんだよね。
これ便利でいかに小さい声の人でも、どれだけ離れていようとも制御次第でしっかりと聞こえる、届くって言うね!
魔力もそんなに使わないし、この場所みたいな広いところで使うにはとっても最適。
この世界に来て魔法に触れるようになってから、そんな些細な魔法でさえも便利だな、と思ってしまう。やっぱり魔法って凄いんだな。
そんな事を思っている間にも学院長の挨拶は進んでいき、そろそろ終わりそうかな?ってところまで来ていた。
「話が長くなっても退屈でしょうから、私の挨拶はこの辺にしたいと思います。では魔法乱舞の方へ移りたいと思います。生徒の皆さんは今までの知識と技術を存分に発揮して、悔いのない戦いをして下さい。それではこれよりエスワール魔法学院、魔法乱舞を開催します」
学院長の挨拶が終わり、高らかに開催宣言をすると会場からは大きな拍手、そして歓声が沸き起こる。
それを見るだけ、聞くだけで皆も楽しみにしていた事が大いに伺える。
歓声の中、参加する生徒達もそれぞれ散って行く。各々、出番までは観客席で見学をしていたり、間近まで技術を確認しあったり、緊張を解す為敢えて気楽にチームメイトとお喋りをする人等様々。
直ぐに出番のチームだけはその場で残って開始を待つんだけど。
あ、そうそう。このトーナメントには沢山のチームが参加しているんだけど、どの生徒も皆学院の生徒だから当然制服も同じで、学年とか区別がつかなかったりするんだよね。
だから出場者は用意されているケープを制服の上から羽織るのが決まりになっていて、学年によって色分けされているからその色で何年生なのか判断出来る。
例えば私達二年生は紫、最上学年の六年生は赤、みたいな感じでぱっと見、何年生の生徒なのか直ぐに見分けが出来るように工夫がされているってわけ。
ケープってなんか良いよね!魔法使いって感じで!
とまぁ補足はこれくらいにして。そろそろ第一戦が始まるみたいだからね。
挨拶が終わった後、私達のチームは出番がまだだから、それまでは見学をしようって事になって、観客席へと移動して来ていた。他のチームの戦い方、戦術を堂々と見られる良い機会だし、しっかりと研究しなくちゃ。
そう思い会場の方へと視線を向ける。
既に二チームが横一列に整列し、開始を今か今かと待ち構えていた。両チームともこれだけ離れている私にまで伝わってくるくらい殺気?を発していて、周りの人達にも緊張感が漂う。
「凄い集中力。それにいきなり最上学年が出てくるなんてね。楽しみだわ」
そう呟いたユキはどこか楽しそうだけど、私はそこまでの余裕はない。両チームの緊迫感に私の方が緊張してしまうよ。
それにさっきユキも言ったけど、ケープの色で片方が六年生なのが分かる。そしてもう片方は青のケープ。青は確か五年生だったよね。
凄い、いきなりレベルが高いな。六年生は今年で学院の生徒から卒業してしまうから、それもあって最後に良い結果を残そうともう死ぬ気で特訓をして来ている人がほとんど。それに卒業後、魔法士になれるかどうかの瀬戸際でもあるから、魔法の腕がトップクラスの人もざらじゃない。
対して五年生はまだ来年があるけど、やっぱりこのトーナメントに参加している時点で本気だし、それに今回のように対戦相手が六年生って言う事もあるわけだから、力も結構付けてきているだろうし。
これは見ものですよ!
どのクラスかまでは把握出来ないけど、でも観客席の人達は二チームに興味津々の様子。
私もどちらのチームが勝つのか、どんな魔法を使ってくるのか凄く興味があるよ。
シーンと静まり返る会場。誰もが固唾を呑んで見守る中、戦闘開始を告げる銅鑼が鳴り響き、第一戦の戦闘が開始された――。
参加する生徒、それを見学するために赴いた生徒達が開催場所へと続々と集まってくる。
場所は一応学院の敷地内の建物。普段私達が勉強を行っている建物ではなく、その奥に今回のような行事で使う広い内装をした建物があって今回もそこで行われる。
スタジアムのように丸いドーム状の形をした建物で、中に入ってやっぱり一番目に入るのはぽっかりと穴が開いたかのように広く開けた天井、そしてそこから覗く青空だね。
魔法を使うにあたって天候を操る魔法も存在するために天井は開けたものになっていて、もし雨になっても目には見えないシールドを張れるようになっているから天気に左右される事もない。
それからぐるっと見渡す限りの観客席も圧巻。学院に通う生徒の数よりも多いのだから。
学院の生徒の数も多いけどそれ以上って言うのがまた凄い。多分その他に教師や、どこもそうだと思うけど、関係者以外は立ち入り禁止な学院だけど、生徒の親、家族は申し出があれば来場は可能だからその人達の分の席なのかな。
あ、家族と言えば今回仕事で忙しい父様が母様と一緒に見に来てくれるらしいんだよね!
それにルカも来てくれるそうで!元から頑張る気満々だったけど、尚更成果を見せなくちゃってやる気が増したよ!
それとここ最近、特訓やらで中々構ってあげられなかったんだけど、ウルも見ていてくれるみたい。精神年齢は私より遥かに上なんだけど、私が構えなかったりすると時折拗ねる事があって、それがもう見た目と相まってとっても可愛い!私の方が悶えてしまう始末で。
でも、今回はそれがなくて、代わりに応援しているわよ、と可愛い声援を頂きました!それを聞いては頑張らないわけにはいかないよねっ!絶対優勝して見せるんだから!
とは意気込んだものの、実は結構緊張しているんだよね、私。周りを見回せばそれは他の生徒も同じようで、表情が強張ったり、不安そうにしている人も多い。
それを見て皆も私と同じ気持ちなんだって思って少しだけほっとした自分もいたけど。
まぁそれは良いとして。あっ、時間が来たみたい。既に集まった生徒達は誰に言われるでもなく、チームごとに整列をしている。
そして参加せず、観戦するために集まった生徒、教師、そしてその親達は席に座り静かに開催の時を待っている。
それを見計らったかのように良く知った声が静かな会場へと響いた。
「皆さん御機嫌好う。エスワール魔法学院学院長のヨセフ・アストゥールです。本日は我が学院の伝統である魔法乱舞を開催するにあたって、お集まり頂きありがとうございます」
そう挨拶をするのは彼も言っていた通り、学院長であるアストゥール学院長。
彼がいるのは生徒達の座る客席とは違い、一際広い席。簡単に言うと偉い人達が座る席。そこから魔法をマイクのように使いこの広い会場に声を響かせている。
余談だけど、マイクって言う物はこの世界には勿論ない。でもその代わりの『レザネイト』って言う魔法ならあるんだよね。
これ便利でいかに小さい声の人でも、どれだけ離れていようとも制御次第でしっかりと聞こえる、届くって言うね!
魔力もそんなに使わないし、この場所みたいな広いところで使うにはとっても最適。
この世界に来て魔法に触れるようになってから、そんな些細な魔法でさえも便利だな、と思ってしまう。やっぱり魔法って凄いんだな。
そんな事を思っている間にも学院長の挨拶は進んでいき、そろそろ終わりそうかな?ってところまで来ていた。
「話が長くなっても退屈でしょうから、私の挨拶はこの辺にしたいと思います。では魔法乱舞の方へ移りたいと思います。生徒の皆さんは今までの知識と技術を存分に発揮して、悔いのない戦いをして下さい。それではこれよりエスワール魔法学院、魔法乱舞を開催します」
学院長の挨拶が終わり、高らかに開催宣言をすると会場からは大きな拍手、そして歓声が沸き起こる。
それを見るだけ、聞くだけで皆も楽しみにしていた事が大いに伺える。
歓声の中、参加する生徒達もそれぞれ散って行く。各々、出番までは観客席で見学をしていたり、間近まで技術を確認しあったり、緊張を解す為敢えて気楽にチームメイトとお喋りをする人等様々。
直ぐに出番のチームだけはその場で残って開始を待つんだけど。
あ、そうそう。このトーナメントには沢山のチームが参加しているんだけど、どの生徒も皆学院の生徒だから当然制服も同じで、学年とか区別がつかなかったりするんだよね。
だから出場者は用意されているケープを制服の上から羽織るのが決まりになっていて、学年によって色分けされているからその色で何年生なのか判断出来る。
例えば私達二年生は紫、最上学年の六年生は赤、みたいな感じでぱっと見、何年生の生徒なのか直ぐに見分けが出来るように工夫がされているってわけ。
ケープってなんか良いよね!魔法使いって感じで!
とまぁ補足はこれくらいにして。そろそろ第一戦が始まるみたいだからね。
挨拶が終わった後、私達のチームは出番がまだだから、それまでは見学をしようって事になって、観客席へと移動して来ていた。他のチームの戦い方、戦術を堂々と見られる良い機会だし、しっかりと研究しなくちゃ。
そう思い会場の方へと視線を向ける。
既に二チームが横一列に整列し、開始を今か今かと待ち構えていた。両チームともこれだけ離れている私にまで伝わってくるくらい殺気?を発していて、周りの人達にも緊張感が漂う。
「凄い集中力。それにいきなり最上学年が出てくるなんてね。楽しみだわ」
そう呟いたユキはどこか楽しそうだけど、私はそこまでの余裕はない。両チームの緊迫感に私の方が緊張してしまうよ。
それにさっきユキも言ったけど、ケープの色で片方が六年生なのが分かる。そしてもう片方は青のケープ。青は確か五年生だったよね。
凄い、いきなりレベルが高いな。六年生は今年で学院の生徒から卒業してしまうから、それもあって最後に良い結果を残そうともう死ぬ気で特訓をして来ている人がほとんど。それに卒業後、魔法士になれるかどうかの瀬戸際でもあるから、魔法の腕がトップクラスの人もざらじゃない。
対して五年生はまだ来年があるけど、やっぱりこのトーナメントに参加している時点で本気だし、それに今回のように対戦相手が六年生って言う事もあるわけだから、力も結構付けてきているだろうし。
これは見ものですよ!
どのクラスかまでは把握出来ないけど、でも観客席の人達は二チームに興味津々の様子。
私もどちらのチームが勝つのか、どんな魔法を使ってくるのか凄く興味があるよ。
シーンと静まり返る会場。誰もが固唾を呑んで見守る中、戦闘開始を告げる銅鑼が鳴り響き、第一戦の戦闘が開始された――。
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